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27.従兄妹は毒舌

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アリスティアは事の経緯を簡潔に説明した。

ノックスの浮気現場を、両家の両親と共にした事。
その関係は随分前から続いていた事。
婚約破棄後から、レオンハルト王子からの呼び出しが多くなった事。
そして…
レオンハルト王子の婚約者候補が出揃った事。

____全てを包み隠さず話した。



そして、今に至る。

「あのクソが!!」

「あの能無しが!!」

「「いっぺん死ね!!!!!」」


「・・・・・。」

そう、この二人はとても口が悪い。

見た目は美男美女で、爽やか系キラキラ王子様とお淑やかな守ってあげたいお姫様系だが…
もちろんそれは表向きで、実際は全力で猫をかぶっている道化師のような2人なのだ。

「まぁ、ノックスはクズだからいいとして、あいつはさ…結局何をしたいの?」

「あいつって・・レオンの考えは分からないわ」

「でも、彼はティアに愛してるって言ったんでしょ?」

「えぇ、でもそれはベッドの中だけよ…
と言うか、会ってもすぐ求められるだけで…考えてみれば、今までまともな会話なんてしていないの」

「でも、ティアはどうなんだ?あいつの事好きなんじゃねーの?」

「…えぇ、好きよ。でも、絶対に結ばれる事はないと分かっていて、今更想いを伝える勇気は私にはないわ」

「「・・・。」」

「婚約した時に、私はすでに失恋してるのよ。
同じ相手に二度も振られたら…今度こそきっと立ち直れないと思うの」

まるで全てを諦めたように微笑むアリスティアに、2人は掛ける言葉が見つからなかった。


2人はずっと知っていた。
アリスティアがレオンハルトに恋をしていることも、レオンハルトがアリスティアにだけは独占欲丸出しな事も・・
だからこそ、アリスティアがノックスと婚約することになったときは、それでいいのか?と何度もアリスティアに掛け合った。
そしてその時、初めてレオンハルトがアリスティアを"婚約者にすることを断った"事実を知った。

あれだけ囲い込むように他の男を牽制して、アリスティアを何度も抱きながら婚約はできないなんて・・
『なんて非常識な奴だ!!』と、当時の2人は暴れまくっていた。

しかしその後、レオンハルトが荒れている話を耳にして『まさかあいつ自分の気持ちに気づいてなかったのか!?』と、ほんの少しだけ同情したことも事実だ。



___お茶を終え、アリスティアが部屋へ戻るのを見送った後、2人は心に誓った。


誰が、何を言おうとも

俺は・・
私は・・

アリスティアの見方だ!!! と。


そして願う。

叶えてあげられるなら


アリスティアとレオンハルトが結ばれますように・・と。


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