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火と月
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___己の大切にしていた者達は、他の者達の手によって儚く散ってしまう。
いつからだろうか。
悲しみばかりが増え続ける。
神が、初めて紹介してくれた人間は、我の属性を色濃く受け継いでいた者だった。
いつの世も、人間という生き物はすぐに争い力を得ようとする。
我は、そのような類いは嫌いだ。
争いに巻き込まれた木々達は、無残に倒され燃やされ、大地はえぐられ水は汚される。
風が運ぶのは、嫌なにおいばかり…
新緑が芽吹く匂いも、競うように咲き乱れた花の匂いも、全てがかき消されていく。
水辺は、人間達に占拠され動物たちは飲むことさえもできない。
あちらこちらに血が流れ、その血は我が大地へと染みこんでいく。
遺憾だ。
ただただ、遺憾だ。
神から、紹介されたとしても、我はその者を受け入れなかった。
他の者達は、「話してみるだけでもいいじゃないか」と言ってくるが、我は頑なに拒否し続けた。
その代わり、しばらくその者を観察し続けた。
その者は、いく日もいく日も我が近くへと来ては、1人で何やらぶつくさと話しをして帰って行く。
『畑に実りがありました。ありがとうございます』
『花々が、美しく咲いております。平和な時代がきております。いつも、お守り下さり感謝申し上げます』
『本日、息子が産まれました。是非、"クロノス"様にもご紹介させて頂きたく、お許しいただける日を心待ちにしております』
『今朝、息子が初めて土の力を開花させました。いつも、我らを見守り下さりありがとうございます』
この日、あまりにも嬉しそうに話すこの者に少しだけ興味をもった。
だから、紹介されてから何十年もたって初めてこの者へ声を掛けた。
《常日頃より、命あるものと対話をせよ。慈しみ敬え。それは、力となりて己へと戻る》
我が声を聞いた、その者は泣いた。
泣いて喜んだ。
謎だった。
何故泣くのだろうか?
何故感謝するのだろうか?
それ以降、その者は以前に増して我の元へ顔を出すようになった。
"許しを得たら"と申していたにも関わらず、己が老いてしまった故、息子を紹介したいといい勝手に連れてきた。
やはり、人間は勝手だと感じた。
その者の息子は、更にマメだった。
ほぼ毎日のように、我の元に来れば、その都度「父がうらやましい」と言う。
我の声が聞こえる事が、うらやましいそうだ。
やはり、人間の考えは分からぬ。
しかし、あの者似にた此奴も、1人で面白い話しをしていく。
お陰で、人間の想いとやらを少し理解できた。
変な奴らだ。人間は、好きで争いをするわけではないらしい。
そう、ブツクサと話す此奴に我は言った。
《奪うことでしか、満たされぬ非力な種族よのぉ‥》と。
その瞬間、此奴は満面の笑みで喜んだ。
我は、人間という種族を馬鹿にしたのだ。
それなのに、何故此奴は喜ぶのか…
人間は、難しい。
そして、此奴もあの者と同じ事を言った。
『娘が産まれました!』と。
そして、図々しくも我に『名を与えて欲しい』と願い出た。
…何故、我が此奴の娘に名をつける必要がある?
理解できん。
しかし、あれだけ大騒ぎして喜んでいた此奴がピタリと我の元に来なくなった。
暫くして、顔を出した此奴は見るに耐えないほど痩せこけていた。
力のない声で、坦々と挨拶をしてくる。
『お久しぶりでございます。ご挨拶にこれませんでしたこと、お詫び申し上げます。少し、バタバタしておりまして…"クロノス"様はお変わりございませんでしょうか?』
そして、此奴は涙をかみしめながらポツポツと話し始めた。
産まれた我が子が亡くなったのだと…
悲しみから抜け出せないと…
何故、己では無く娘を連れて行ったのかと…
そして、衝撃的な一言を放った。
『"クロノス"様より頂きたく、まだ名もつけてもおりませんでした。あの子は、名も無いままこの世を去りました。なんと、愚かな父親でしょう…』
これには、我も驚きを隠せなかった。
産まれたと報告に来たのは、もう随分と前の事である。
それから、毎日のように近況報告と娘の成長具合、そして名付け依頼をしてきてはいたが、我は返事をしなさんだ。
だから、もうとっくに名を付けているかと思うておった。
此奴は、律儀に我の返事を待っていたのか?
《…人間の考えは、分からぬ。しかし、土に還った我らが同胞には敬意を表し名を授けよう…
旅立つ子の名は、レアー。
神の元へと還りし娘は"母なる大地を司る豊穣の女神"とし、この国の行く末を見守るであろう》
そう、述べた瞬間、此奴はまたも満面の笑みを浮かべておった。
目から止めどなく流れる、水を拭いながら…
それからというもの、此奴の一族は何故か皆して、我に名付けを強請ってくるようになった。
此奴の、初めての子には"レアー"と名付けた。
二人目の子が産まれると、また同じ事が起きてはいけまいと、連日我が元に訪れる此奴に《連れてくるように》と申した。すると、直ぐに子を抱きつつやって来たのだ。
『やっと、ご紹介できます!』
そう言った、此奴の顔は大層嬉しそうだった。
そして、息子となる二人目の子には"アレス"と名付けた。
アレスの子には、"ルクリウス"と…
その娘には、"メティナ"と…
気がつけば、それは当然のごとく、ずっと続いたのだ。
我が名を与えた子達は、あの者達同様、常に我の元に顔を出す。
そして、他愛の無い話しをしていくのだ。
酷いときには、誰が素敵だの、声をかけただの‥といった、くだらない話しをしていく者もいた。
長い年月をかけて、我はこの地に住まう人間を受け入れた。
この一族が、信頼に値すると判断した故だ。
人間は、直ぐに死んでしまう。
最初に紹介された者も、此奴も、我が名を付けた者達も…
何度も悲しみや寂しさを味わった。
人間は、そうやって痛みに強くなるのだろうか。
ならば、この短い人生で味わうには些か大変だろうと思う。
ある日、思わず《寂しいのぉ‥》と口にした。
しかし、他の者達はこう言うのだ。
『人間は永遠を生きられる種族ではないから、悲しいけれどそれを受け入れるしか無いのだ』と。
けれど、それは決して後ろ向きではなく、前向きな受け入れなのだと。
彼らは、そう言うのだ。
先日、他国で死んだ我が名付け子…
あの子の早すぎる死と苦しみは、我々が決して忘れはさせません。
そう、あの子の兄妹達が言った。
では、我も心を落ち着かせ、いく末を見守ろう。
そうやって、また幾つもの年月を過ごしていく。
しかし、ある日を境にして、あの一族が我が元に来ることは無くなってしまった。
あやつらの悲しみが、大地を覆う。
苦しみが、大地を引き裂く。
痛みが、大地を抉った。
もう、この大地にはあやつらの命が感じられない。
いつも、ニコニコとしながらやって来たあやつらに会えぬのは辛いのぉ…
あの子が最後に話して言ったことを楽しみに待っておったのに…
『やっと、妹を紹介できます!』
あの時の、嬉しそうな顔は今でも覚えている。
我も、あの子の妹に会えるのを楽しみにしておった。
我が、一番最近名付けた娘子。
あの子の名は…
___セリーナ
いつからだろうか。
悲しみばかりが増え続ける。
神が、初めて紹介してくれた人間は、我の属性を色濃く受け継いでいた者だった。
いつの世も、人間という生き物はすぐに争い力を得ようとする。
我は、そのような類いは嫌いだ。
争いに巻き込まれた木々達は、無残に倒され燃やされ、大地はえぐられ水は汚される。
風が運ぶのは、嫌なにおいばかり…
新緑が芽吹く匂いも、競うように咲き乱れた花の匂いも、全てがかき消されていく。
水辺は、人間達に占拠され動物たちは飲むことさえもできない。
あちらこちらに血が流れ、その血は我が大地へと染みこんでいく。
遺憾だ。
ただただ、遺憾だ。
神から、紹介されたとしても、我はその者を受け入れなかった。
他の者達は、「話してみるだけでもいいじゃないか」と言ってくるが、我は頑なに拒否し続けた。
その代わり、しばらくその者を観察し続けた。
その者は、いく日もいく日も我が近くへと来ては、1人で何やらぶつくさと話しをして帰って行く。
『畑に実りがありました。ありがとうございます』
『花々が、美しく咲いております。平和な時代がきております。いつも、お守り下さり感謝申し上げます』
『本日、息子が産まれました。是非、"クロノス"様にもご紹介させて頂きたく、お許しいただける日を心待ちにしております』
『今朝、息子が初めて土の力を開花させました。いつも、我らを見守り下さりありがとうございます』
この日、あまりにも嬉しそうに話すこの者に少しだけ興味をもった。
だから、紹介されてから何十年もたって初めてこの者へ声を掛けた。
《常日頃より、命あるものと対話をせよ。慈しみ敬え。それは、力となりて己へと戻る》
我が声を聞いた、その者は泣いた。
泣いて喜んだ。
謎だった。
何故泣くのだろうか?
何故感謝するのだろうか?
それ以降、その者は以前に増して我の元へ顔を出すようになった。
"許しを得たら"と申していたにも関わらず、己が老いてしまった故、息子を紹介したいといい勝手に連れてきた。
やはり、人間は勝手だと感じた。
その者の息子は、更にマメだった。
ほぼ毎日のように、我の元に来れば、その都度「父がうらやましい」と言う。
我の声が聞こえる事が、うらやましいそうだ。
やはり、人間の考えは分からぬ。
しかし、あの者似にた此奴も、1人で面白い話しをしていく。
お陰で、人間の想いとやらを少し理解できた。
変な奴らだ。人間は、好きで争いをするわけではないらしい。
そう、ブツクサと話す此奴に我は言った。
《奪うことでしか、満たされぬ非力な種族よのぉ‥》と。
その瞬間、此奴は満面の笑みで喜んだ。
我は、人間という種族を馬鹿にしたのだ。
それなのに、何故此奴は喜ぶのか…
人間は、難しい。
そして、此奴もあの者と同じ事を言った。
『娘が産まれました!』と。
そして、図々しくも我に『名を与えて欲しい』と願い出た。
…何故、我が此奴の娘に名をつける必要がある?
理解できん。
しかし、あれだけ大騒ぎして喜んでいた此奴がピタリと我の元に来なくなった。
暫くして、顔を出した此奴は見るに耐えないほど痩せこけていた。
力のない声で、坦々と挨拶をしてくる。
『お久しぶりでございます。ご挨拶にこれませんでしたこと、お詫び申し上げます。少し、バタバタしておりまして…"クロノス"様はお変わりございませんでしょうか?』
そして、此奴は涙をかみしめながらポツポツと話し始めた。
産まれた我が子が亡くなったのだと…
悲しみから抜け出せないと…
何故、己では無く娘を連れて行ったのかと…
そして、衝撃的な一言を放った。
『"クロノス"様より頂きたく、まだ名もつけてもおりませんでした。あの子は、名も無いままこの世を去りました。なんと、愚かな父親でしょう…』
これには、我も驚きを隠せなかった。
産まれたと報告に来たのは、もう随分と前の事である。
それから、毎日のように近況報告と娘の成長具合、そして名付け依頼をしてきてはいたが、我は返事をしなさんだ。
だから、もうとっくに名を付けているかと思うておった。
此奴は、律儀に我の返事を待っていたのか?
《…人間の考えは、分からぬ。しかし、土に還った我らが同胞には敬意を表し名を授けよう…
旅立つ子の名は、レアー。
神の元へと還りし娘は"母なる大地を司る豊穣の女神"とし、この国の行く末を見守るであろう》
そう、述べた瞬間、此奴はまたも満面の笑みを浮かべておった。
目から止めどなく流れる、水を拭いながら…
それからというもの、此奴の一族は何故か皆して、我に名付けを強請ってくるようになった。
此奴の、初めての子には"レアー"と名付けた。
二人目の子が産まれると、また同じ事が起きてはいけまいと、連日我が元に訪れる此奴に《連れてくるように》と申した。すると、直ぐに子を抱きつつやって来たのだ。
『やっと、ご紹介できます!』
そう言った、此奴の顔は大層嬉しそうだった。
そして、息子となる二人目の子には"アレス"と名付けた。
アレスの子には、"ルクリウス"と…
その娘には、"メティナ"と…
気がつけば、それは当然のごとく、ずっと続いたのだ。
我が名を与えた子達は、あの者達同様、常に我の元に顔を出す。
そして、他愛の無い話しをしていくのだ。
酷いときには、誰が素敵だの、声をかけただの‥といった、くだらない話しをしていく者もいた。
長い年月をかけて、我はこの地に住まう人間を受け入れた。
この一族が、信頼に値すると判断した故だ。
人間は、直ぐに死んでしまう。
最初に紹介された者も、此奴も、我が名を付けた者達も…
何度も悲しみや寂しさを味わった。
人間は、そうやって痛みに強くなるのだろうか。
ならば、この短い人生で味わうには些か大変だろうと思う。
ある日、思わず《寂しいのぉ‥》と口にした。
しかし、他の者達はこう言うのだ。
『人間は永遠を生きられる種族ではないから、悲しいけれどそれを受け入れるしか無いのだ』と。
けれど、それは決して後ろ向きではなく、前向きな受け入れなのだと。
彼らは、そう言うのだ。
先日、他国で死んだ我が名付け子…
あの子の早すぎる死と苦しみは、我々が決して忘れはさせません。
そう、あの子の兄妹達が言った。
では、我も心を落ち着かせ、いく末を見守ろう。
そうやって、また幾つもの年月を過ごしていく。
しかし、ある日を境にして、あの一族が我が元に来ることは無くなってしまった。
あやつらの悲しみが、大地を覆う。
苦しみが、大地を引き裂く。
痛みが、大地を抉った。
もう、この大地にはあやつらの命が感じられない。
いつも、ニコニコとしながらやって来たあやつらに会えぬのは辛いのぉ…
あの子が最後に話して言ったことを楽しみに待っておったのに…
『やっと、妹を紹介できます!』
あの時の、嬉しそうな顔は今でも覚えている。
我も、あの子の妹に会えるのを楽しみにしておった。
我が、一番最近名付けた娘子。
あの子の名は…
___セリーナ
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