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火と月
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セリーナからの宣言から始まった話しは、それぞれの国で秘匿して受け継がれてきた内容とは、少しばかり違っていた。
正確には、ほぼ一緒なのだが、それぞれの立ち位置での話しになるため、時代が進むにつれて受け止め方に相違が出てきたのだろう。
中でも、特に火の国ではそれが顕著に現われていた。
"核"については、双方の国とも代々王族の王位継承者第一位のみに伝わっており、それは隣で控えていた王妃達も理解していた。
しかし、その"核"がもつ力に関しては、3カ国とも意見がバラバラだった。
まず、【火の国:アレース】では、"核"は火の国の護り火とされており、代々"この火が途絶えるとき火の国は共に滅びゆくだろう"と伝承されてきたそうだ。
そして、【月の国:セリニ】では、"核"は光であり、生命のパワーとされ、"光が途絶えし時、世界は闇に包まれるだろう"と伝承されているらしい。
この時点で、それぞれの国が対象としているものが違ってくる。
【火は火の国】【月は世界】
火の国にとっては、自国のみの話しとされているが、反対に月の国にとっては、世界規模の話しとなっているのだ。それだけのことで?と思うかもしれないが、そこが違えばその先に行き着くまでの過程も道のりも全てが変わってくる。
そして、もう一つ…
話しを掘り下げていく中で、セリーナが驚いたことがあった。
それは、以前セリーナがカイルやハルシオンに話した"本来護らなくてはならない役目"の事だ。
月は命(生命の循環)
火は火(生活の火)
水は水(命の水)
風は風(恵みの風)
雷は天候(災害を抑える力)
土は大地(実りを支える基礎)
これらの役割に関する言い伝えを、両国の王達は全く知らされていなかったのだ。
特に、"光"を恩恵として称えていたセリニの王はセリーナの話に驚きを隠せずにいた。
それも、そうだろう。
『自分たちは、世界に満ちる光を守る=守れなければ闇が世界を覆う だろう』として、月の国の核を守ってきたのだ。
それが、この役割を元に考えれると『命の光が途絶えるとき、闇に包まれる=新たな生命が誕生することは永遠にない』と、略されるのだ。
もちろん、これまでも王族としてこの役割を重く受け止めてきた。
しかし、今まで護り続けていたものが、未来へと繋がる命なのだとしたら…
あまりにも大きすぎる。
火の国もそうだ。
すでに、継承者として火の王はカイルにも"核"の場所や伝承されたことを教えてきた。
しかし、それはあくまでも"火の国の魂"のように伝えてきたのだ。
それが、実際に生活していく中で火が使えなくなる…
世界から"火"そのものが消えてしまうなんて誰が想像できるだろうか。
各々が、唖然とした表情ではあるものの、必死に考えを巡らせていることがわかる。
そんな中、セリーナは【土の国:クロノス】の役目について話し始めた。
「クロノスは、実りを支える基礎です。
今、護りの無くなった"核"は、自らを守るため力を集めるでしょう。
私は、兄と違い正しく核について継承されておりません。
ですので、これからお話しすることは、あくまでも私の推測です。
恐らく、今後全ての国において作物を育てることは不可能になるかと…
それは近い未来【六神国】最大の飢餓がおとずれると言うことです」
正確には、ほぼ一緒なのだが、それぞれの立ち位置での話しになるため、時代が進むにつれて受け止め方に相違が出てきたのだろう。
中でも、特に火の国ではそれが顕著に現われていた。
"核"については、双方の国とも代々王族の王位継承者第一位のみに伝わっており、それは隣で控えていた王妃達も理解していた。
しかし、その"核"がもつ力に関しては、3カ国とも意見がバラバラだった。
まず、【火の国:アレース】では、"核"は火の国の護り火とされており、代々"この火が途絶えるとき火の国は共に滅びゆくだろう"と伝承されてきたそうだ。
そして、【月の国:セリニ】では、"核"は光であり、生命のパワーとされ、"光が途絶えし時、世界は闇に包まれるだろう"と伝承されているらしい。
この時点で、それぞれの国が対象としているものが違ってくる。
【火は火の国】【月は世界】
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そして、もう一つ…
話しを掘り下げていく中で、セリーナが驚いたことがあった。
それは、以前セリーナがカイルやハルシオンに話した"本来護らなくてはならない役目"の事だ。
月は命(生命の循環)
火は火(生活の火)
水は水(命の水)
風は風(恵みの風)
雷は天候(災害を抑える力)
土は大地(実りを支える基礎)
これらの役割に関する言い伝えを、両国の王達は全く知らされていなかったのだ。
特に、"光"を恩恵として称えていたセリニの王はセリーナの話に驚きを隠せずにいた。
それも、そうだろう。
『自分たちは、世界に満ちる光を守る=守れなければ闇が世界を覆う だろう』として、月の国の核を守ってきたのだ。
それが、この役割を元に考えれると『命の光が途絶えるとき、闇に包まれる=新たな生命が誕生することは永遠にない』と、略されるのだ。
もちろん、これまでも王族としてこの役割を重く受け止めてきた。
しかし、今まで護り続けていたものが、未来へと繋がる命なのだとしたら…
あまりにも大きすぎる。
火の国もそうだ。
すでに、継承者として火の王はカイルにも"核"の場所や伝承されたことを教えてきた。
しかし、それはあくまでも"火の国の魂"のように伝えてきたのだ。
それが、実際に生活していく中で火が使えなくなる…
世界から"火"そのものが消えてしまうなんて誰が想像できるだろうか。
各々が、唖然とした表情ではあるものの、必死に考えを巡らせていることがわかる。
そんな中、セリーナは【土の国:クロノス】の役目について話し始めた。
「クロノスは、実りを支える基礎です。
今、護りの無くなった"核"は、自らを守るため力を集めるでしょう。
私は、兄と違い正しく核について継承されておりません。
ですので、これからお話しすることは、あくまでも私の推測です。
恐らく、今後全ての国において作物を育てることは不可能になるかと…
それは近い未来【六神国】最大の飢餓がおとずれると言うことです」
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