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火の国【アレース】

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王宮に戻ってきてからというもの、ココの周りは劇的に変わり始めた。

あれ?王に褒美を聞かれた際、"今までと変わらぬ日々"を願ったはずなのに…

だーーーっ!?


軽くそう思える程に、現在は"平穏"とは程遠い日々を過ごしている。

その原因は、脱走大好きシエル王女…ではない。
生き物大好きクリス王子…でもない。
もちろんカイル殿下でもない。

では、いったい誰が原因なのか!?

それは…

「ココ殿!!!」「ココさぁーん!!」

姿が見えない程、遠くからココの名を呼ぶ…
いや、叫んでいる2こそ、ココの平穏な日々を遮っている原因だった。

実はこの2人、かつて"幻姫"と呼ばれていたココ自身の、次ぐらいに人見知りが激しく、その姿を拝見できることは"とてもレア"と称される【火の国の双子の王族】


第二王子こと、ゼイン・カル・アレース(16才)
第二王女こと、リアン・カイ・アレース(16才)


双子なだけあって、性別は違えど顔立ちはそっくりである。
まぁ、見極め方としては…

王子は王妃似、王女は王似。

そんなところだろうか。

赤毛の赤目で、大変見目麗しいのだが、なんといってもこの2人…

引きこもりの上に、かなりの研究者気質なのだ。

その為、3年間王宮や王女宮で働いていたにも関わらず、殆ど接する機会がなかった第二王女と初めて交わした言葉が、『研究させて!!』である。

突然、目の前に現れたかと思うと、驚くほど大きな声でそう叫び、ココの返事を待たずに何故かまた消えていった。

不思議に思っていると、声を聞きつけたシエル王女が駆け寄ってきて、ココに告げる。

「お姉様、!?」と。

とはなんだろう?と、更に疑問に思っていると、シエルはとても悔しがりながらこう言った。

「あーっもう!あと一回会えたらラッキーポイントがいっぱいになったのに~っ!!」


…まず、ここで疑問点が浮上するのは当然だろう。

とは何か?
②先程のとは一体何か?


…こういう時、本当なら聞かない方がいい場合もある。
しかし、その時のココは好奇心が勝ってしまい、思わずシエルに問いかけた。

「それは、どうゆう意味でしょう?」



___やはり、聞かなければよかった


シエルから、事の詳細を聞き始めた早い段階で、ココはとても後悔していた。
とても、説明しようがないのだが、ざっくりと話をまとめると…

クリス王子と共に、ゲームをしているらしい。その内容が、"レアな双子の兄弟に先に10回会えた方が勝ち!と言うものだ。
それだけで終われば可愛いのだが…
勝てば褒美が貰え、負ければ罰ゲームが待っている。
そして、想像通り…
その罰ゲームの内容が最悪だった。

間違いなく行えば、勝ち負けに関わらず2人ともに怒られるだろう。


そして、これを境に双子との遭遇率が格段にアップしたのは言うまでもない。


彼らは今日も、叫んでいる。

「ココ!!共に研究を~っ!!」



その為、後にクリス王子とシエル王女のゲーム内容は変更される。


"双子がココを研究対象にできるかどうか!"と、言うものに…


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