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第6章 悪徳盛り土業者をやっつけろ!
第13話 同士討ちをさせろ!
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「おはよう」
朝、部屋を出ると全員いつもと変わらない様子だった。昨日あれだけ暴れたというのに、誰一人筋肉痛にもなっていない様子だった。
全くタフな奴らだ。
「華鈴、アイツ等生き埋めにならなかったみたいよ」
いつもの私の指定席、バソコンデスクに向かっていると、新聞を読んでいた保乃はそんな声を上げた。
会長達を縛り上げ、猿ぐつわし半壊している会長宅に放置してきたのだが、生き埋めは逃れたみたいなのだとか。
「私にも見せてー」
その言葉を聞いた飛奈が駆け寄っていって、保乃の差し示していた記事を眺めだす。
「何、何?あー、搬出業者の奴等あの後、警察に捕まったらしいよ」
会社の口座から急に資金がなくなってしまい、資金繰りがショートしてしまいどうすることもできなくなったようで、やはり警察に被害届を出しに行ったようだ。
「まさに想定通りね。警察に資金の流れを捜査されたら捕まるに決まってるじゃない。バカなの?」
「お前が徹底的に追い込んだから冷静な判断できなくなったんだろ!」
梨名からツッコミが飛んできた。
まあ確かに。
「でもそれが何で搬入業者の奴等が、生きているってことになるんだよ?」
「相変わらずせっかちなんだから、それはその先に書いてあるのよ。搬出業者の資金の流れを捜査したところ、搬入業者の関与も示唆されたので、そいつ等も逮捕に至ることになったって書いてあるのよ」
「逮捕されたってことは、まだ生きていたってことでしょ」
「あー、そういうこと」
「つまり、どういうことなんですか?何がどうなっているんですか?」
私はその記事をまだ読んではいないのだが、何となくその後どうなったか想像がついた。が、天衣は全然分かってなかったようでそんな声を上げる。
「あらら、天衣ちゃんはまだ分からないの?可愛いね~!お姉さんにチューしてくれたら教えてあげる」
「ふざけないでください!」
飛奈はそう言って天衣の方に頬を突き出したが、突き飛ばされていた。
「恐らく資金の流れを捜査していたら、搬入業者に辿り着いて、警察が乗り込んで行ったら、縛り上げられていた土砂に半分埋まっている状態の奴等を見つけたってとこかな?」
飛奈はふざけて答える気がないようなので、保乃が代わりにそう言っていた。
「そんなことよりどんな捜査されているか書いてないの?」
他の業者はどうなるんだろう?と思ってその辺は記事になってないのか聞いてみる。
「そこはまだこれからのようね。取り敢えず奴等はかなり悪いことをしていたってことは書いてある」
何でも違法な盛り土と、産業廃棄物の不法投棄を繰り返していたみたいなのだとか。
違法に投棄し、行政から撤去するよう指導を受けてもシラを切り続け、積み上げるだけ積み上げたところで雲隠れ。
行政は住民の安全確保のため行政代執行する羽目になり、業者に資金を請求することもできずに終了。
業者は産業廃棄物の処理を受け入れ、適切に処理しないまま不法に投棄し、儲けるだけ儲けて後は倒産したと言って雲隠れ。
不法に投棄されたものは真面目に働いて税金を納めている人が払うことになる。
こんな酷い話はない。
会社名を変え、責任者を変え同じことを繰り返していたもよう。
「ほんと救えない奴等だったのね」
「どれくらいの罪になるの?」
「さあどうでしょうねー?取り敢えず盛土規制法では個人は3年以下の懲役又は1千万円以下の罰金、法人は罰金3億円以下とかになるみたい」
「3年!3年で出てきちゃうの?マジ?3年したらまた始めちゃうじゃん!」
「3年っていっても最大で3年だからね。警察がどこまで踏み込んで捜査するかわからないけど、下手したら執行猶予ついて明日からまた同じこと繰り返すかもしれないわね」
「えーっ!マジーっ!」
「やっぱり全員皆殺しにしておくべきでしたね」
「あなた達の恫喝が効いていればいいけど、よし!決めた!」
「またかよ!何だよ急に?」
「運搬業者は過積載で逮捕させようと思ってたけどやめる」
何を言っているんだ?そんな視線が飛んできた。
「過積載なんて軽い罪じゃなくて、殺人罪をプレゼントしてあげましょう」
そもそも搬入業者の会長の自宅に土砂を運んだのは運搬業者だ。そして土地管理業者の会長の自宅にも土砂は運び込まれている。
退院して出てきたらこんなことしたのは誰だとブチ切れるとこだろう。そこへ搬入業者から運搬業者に土砂を運び込まれたとの情報が届く。
恐らく二つの業者は運搬業者が裏切ったのではないかと勘繰るだろう。
「二つの業者を結託させ運搬業者を襲わせる。襲ってきたところをあなた達がこっそり待ち構えて運搬業者がやっつけたようにしてしまいなさい。そうすれば悪い奴らはやっつけられるか、殺人罪で逮捕のどちらかになるでしょう。反社同士で殺し合いなんてしたら、捕まったら一生出てこれなくなるはずよ」
「また悪いこと思いつくわねー!どうやったらそんな捻じ曲がった発想浮かぶのよ?」
「性格が捻じ曲がっているからだろ」
「誰が捻じ曲がってんだーっ!」
朝、部屋を出ると全員いつもと変わらない様子だった。昨日あれだけ暴れたというのに、誰一人筋肉痛にもなっていない様子だった。
全くタフな奴らだ。
「華鈴、アイツ等生き埋めにならなかったみたいよ」
いつもの私の指定席、バソコンデスクに向かっていると、新聞を読んでいた保乃はそんな声を上げた。
会長達を縛り上げ、猿ぐつわし半壊している会長宅に放置してきたのだが、生き埋めは逃れたみたいなのだとか。
「私にも見せてー」
その言葉を聞いた飛奈が駆け寄っていって、保乃の差し示していた記事を眺めだす。
「何、何?あー、搬出業者の奴等あの後、警察に捕まったらしいよ」
会社の口座から急に資金がなくなってしまい、資金繰りがショートしてしまいどうすることもできなくなったようで、やはり警察に被害届を出しに行ったようだ。
「まさに想定通りね。警察に資金の流れを捜査されたら捕まるに決まってるじゃない。バカなの?」
「お前が徹底的に追い込んだから冷静な判断できなくなったんだろ!」
梨名からツッコミが飛んできた。
まあ確かに。
「でもそれが何で搬入業者の奴等が、生きているってことになるんだよ?」
「相変わらずせっかちなんだから、それはその先に書いてあるのよ。搬出業者の資金の流れを捜査したところ、搬入業者の関与も示唆されたので、そいつ等も逮捕に至ることになったって書いてあるのよ」
「逮捕されたってことは、まだ生きていたってことでしょ」
「あー、そういうこと」
「つまり、どういうことなんですか?何がどうなっているんですか?」
私はその記事をまだ読んではいないのだが、何となくその後どうなったか想像がついた。が、天衣は全然分かってなかったようでそんな声を上げる。
「あらら、天衣ちゃんはまだ分からないの?可愛いね~!お姉さんにチューしてくれたら教えてあげる」
「ふざけないでください!」
飛奈はそう言って天衣の方に頬を突き出したが、突き飛ばされていた。
「恐らく資金の流れを捜査していたら、搬入業者に辿り着いて、警察が乗り込んで行ったら、縛り上げられていた土砂に半分埋まっている状態の奴等を見つけたってとこかな?」
飛奈はふざけて答える気がないようなので、保乃が代わりにそう言っていた。
「そんなことよりどんな捜査されているか書いてないの?」
他の業者はどうなるんだろう?と思ってその辺は記事になってないのか聞いてみる。
「そこはまだこれからのようね。取り敢えず奴等はかなり悪いことをしていたってことは書いてある」
何でも違法な盛り土と、産業廃棄物の不法投棄を繰り返していたみたいなのだとか。
違法に投棄し、行政から撤去するよう指導を受けてもシラを切り続け、積み上げるだけ積み上げたところで雲隠れ。
行政は住民の安全確保のため行政代執行する羽目になり、業者に資金を請求することもできずに終了。
業者は産業廃棄物の処理を受け入れ、適切に処理しないまま不法に投棄し、儲けるだけ儲けて後は倒産したと言って雲隠れ。
不法に投棄されたものは真面目に働いて税金を納めている人が払うことになる。
こんな酷い話はない。
会社名を変え、責任者を変え同じことを繰り返していたもよう。
「ほんと救えない奴等だったのね」
「どれくらいの罪になるの?」
「さあどうでしょうねー?取り敢えず盛土規制法では個人は3年以下の懲役又は1千万円以下の罰金、法人は罰金3億円以下とかになるみたい」
「3年!3年で出てきちゃうの?マジ?3年したらまた始めちゃうじゃん!」
「3年っていっても最大で3年だからね。警察がどこまで踏み込んで捜査するかわからないけど、下手したら執行猶予ついて明日からまた同じこと繰り返すかもしれないわね」
「えーっ!マジーっ!」
「やっぱり全員皆殺しにしておくべきでしたね」
「あなた達の恫喝が効いていればいいけど、よし!決めた!」
「またかよ!何だよ急に?」
「運搬業者は過積載で逮捕させようと思ってたけどやめる」
何を言っているんだ?そんな視線が飛んできた。
「過積載なんて軽い罪じゃなくて、殺人罪をプレゼントしてあげましょう」
そもそも搬入業者の会長の自宅に土砂を運んだのは運搬業者だ。そして土地管理業者の会長の自宅にも土砂は運び込まれている。
退院して出てきたらこんなことしたのは誰だとブチ切れるとこだろう。そこへ搬入業者から運搬業者に土砂を運び込まれたとの情報が届く。
恐らく二つの業者は運搬業者が裏切ったのではないかと勘繰るだろう。
「二つの業者を結託させ運搬業者を襲わせる。襲ってきたところをあなた達がこっそり待ち構えて運搬業者がやっつけたようにしてしまいなさい。そうすれば悪い奴らはやっつけられるか、殺人罪で逮捕のどちらかになるでしょう。反社同士で殺し合いなんてしたら、捕まったら一生出てこれなくなるはずよ」
「また悪いこと思いつくわねー!どうやったらそんな捻じ曲がった発想浮かぶのよ?」
「性格が捻じ曲がっているからだろ」
「誰が捻じ曲がってんだーっ!」
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