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第6章 悪徳盛り土業者をやっつけろ!
第2話 巧妙な搬入業者
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「うー、身体が重い、昨日食べ過ぎたかー!」
私が美味しい、美味しいと言って食べるたびに梨名と天衣が嬉しそうな顔をするので、ついつい調子に乗って食べ過ぎてしまった。
「あれだけ食べたんだから当然でしょ」
身体を重そうにしている私を見た保乃先輩は冷めた視線を向けていた。
「今日どうする?行くのやめる?」
今日は違法に盛り土された現場を見に行く予定となっていたのだが、私の様子を見た華鈴がそう言ってきた。
「何言ってるのよ!絶対に行くわよ!こんなの駅弁食べれば治るわよ!」
私がそう言うと保乃先輩は「なんで、食べ過ぎた日の翌日にさらに食べると治るのよ」と言ってきたが、「世の中そういうものでしょ」と言い返した。
「美味しいものを見ると胃腸の運動が活発になって、消化がよくなるんですから」
「お前の体はどうなってるんだよ!」
「えっ!普通そうじゃないの?」
梨名も天衣もお肉食べ過ぎて気持ち悪いって言っている日に肉料理を出すと元気になると言うと、さらに驚いた顔になっていた。
「どんな構造してんのよ!あなた達の身体は!?」
「そんなの普通よねー?」
「そうですよ」
私達の会話に参加してきた梨名、天衣の二人に攻め立てられた保乃先輩は呆れた表情をし頭を抱えてしまった。
「よーし、じゃあ気を取り直して行くぞー!」
「おー!」
「おー、じゃないわよ。さっきの駅弁どうのこうのといい、何旅行気分でいるのよ!私達の目的は視察だからね!あくまでし、さ、つの為に行くの」
旅行気分でいる私達を嗜めるように華鈴は言ってきた。
「いいじゃない別に私達、公人とかじゃないんだから」
フランスに研修で行っているのに、旅行気分になっているおバカな女性議員とは立場が全然違う。
「旅行のついでに視察に行くんだろ!」
「そうですよ、華鈴さん、固いこと言わないで楽しまないと」
「つーか、年中引きこもりのくせに、こういうときは行くんだな!お前が一番旅行気分でいるんじゃねーのか!」
「ち、違うわよ。実際に行って見てみないと分からないからよ」
「明らかにキョドってますよ。やっぱりそうなんじゃないですかー。でも行くならちゃんと日よけ対策してくださいね。日光に当たると死んじゃいますよ」
「だから、私は普通の人間だってのー!」
まーた3人の戯れ合いが始まったよ。
ということで、某温泉街近くの違法盛り土を観光客を装って視察するべく私達は向かうことになった。
「梨名、天衣、知ってる?今ね駅弁は消滅の危機なのよ!」
「えーっ!こんなに美味しそうなのに何でですかー?」
「旅の定番といったら駅弁を食べることだろ!そんなこと私が絶対に許さない」
だから旅じゃないってばって華鈴が言っていたがそれは流して話を進める。
「コンビニとかでお弁当が手軽に買えるってのもあるけど、やっぱり地域差が大きいのが原因ね。人気の観光地にばかり人が集まって、寂れた温泉街が増えてしまっているのが問題なんじゃないかな」
「今回行くところもそう。だから一人3つはノルマね」
「リーダー分かりました。責任持って、全部食べ切ります」
「よーし、食って食って食いまくるぞー」
「おー」
「おー、じゃないよ!あんたらはどんだけ食べるんだよ!ていうかあなた身体重いって言ってたのはどうなったのよ?」
「あれ?そーいえばいつの間にか無くなっていたかも」
駅弁売り場に到着した途端、身体が快調になったので駅弁を購入し、乗車し落ち着いたところで華鈴に話しかけた。
「ところで今日行くとこはどんな感じなの?」
「そういうばそうよ。そもそも何で私達に依頼が来たのよ。盛土問題はかなり大きな問題になって法律も強化されて世間の監視の目も厳しくなっているんだから、行政が対応してくれるはずでしょ」
私の質問をきっかけに保乃先輩は、捲し立てるように華鈴に質問をし始めた。華鈴はタブレットを取り出すと被害者とのやり取りの様子を詳細に説明し出した。
「かなり巧妙なんでしょうね。最初はただ整地しているくらいにしか思っていなかったみたい、近くの住民達はここに何ができるんだろう、というふうにしか思ってなかったみたいね。それが数ヶ月と立たないうちに盛り土は2階の高さほどになり、さすがにおかしいと思い行政に相談すると、業者はぱったりこなくなり、実態がつかめない状態になり、警戒が薄くなるとまた搬入が再開されるって感じみたいね」
驚いた!まだ人目を忍んで搬入を続けているとは!どんだけ図太い神経してんだそいつら。
「どういうこと?実態が掴めなくても盛り土はされているんだから、搬入停止措置とか是正命令とかは出てないの?」
「法律守ろうとしてない連中に法律振りかざしたって何の意味もないわよ」
まあそうだろう。法律を守ってくれるような連中なら行政が対応して終わり、私達のところに依頼がきたりしない。
「それで住民達で自警団を作って、搬入してくる瞬間を押さえて、搬入業者に詰め寄ったらしいの」
盛り土が崩れてしまったら住宅に被害が出てしまうだろうから必死なのだろうが、反社であろう連中を相手にそんな行動に出るなんて頭が下がる。
「勇気ある人達ねー、それでどうなったの?」
「オレ達は土地の所有者に造成して欲しいと依頼され、希望通りに造成しているだけだから文句ならそっちに言ってくれと言われたみたい」
「それで終わり?それで土地の所有者に連絡してみたの?」
「当然土地の所有者と連絡を取ろうとしたみたいだけど連絡は取れず、調べてみたら実態のない業者だったみたい」
「実態のない業者?」
「実態がないも何も搬入業者はそこから依頼されているんでしょ。搬入業者は連絡取り合っているはずでしょ。もう一回問い詰めて白状させればいいんじゃない?」
「そもそもそんな依頼なんてなかったのかもよ」
そういうことかー、それでどう対応していいか分からず拗れに拗れているって訳ね。
「言い逃れを用意しているなんて、よっぽど綿密に計画してきているんでようね」
「行政の動きも把握しているみたいだしね」
自分達は土地の所有者に依頼されて作業をしているだけ、なぜこのように造成しているかは知らされていない。自分達はあくまで依頼され作業を請け負っているだけ、自分達は善意の第三者だ。
うまい言い逃れ方を考えたもんだ。それに行政が動こうとすると姿をくらましてしまう。かなり小ズルい奴等のようだ。慎重に行かねばならないだろう。
「それで華鈴どうするつもりなの?」
「取り敢えず搬入してくる奴等はいるんだから、そいつのスマホハッキングすれば裏にいるやつを炙り出せると思うんだけど」
「なるほど!」
「私達が視察に行っている間にちょうど居合わせてくれればいいんだけどね」
保乃先輩、華鈴と共に難しい話をしていたら、梨名、天衣は寝てしまったようだった。
二人は頭をくっつけ寄りかかるようにして寝ている。
何これ~!ちょー可愛いんですけど!
写真撮らなきゃと思いスマホを取り出すと冷たい視線を感じたが、気にしないことにして写真を撮り続けた。
私が美味しい、美味しいと言って食べるたびに梨名と天衣が嬉しそうな顔をするので、ついつい調子に乗って食べ過ぎてしまった。
「あれだけ食べたんだから当然でしょ」
身体を重そうにしている私を見た保乃先輩は冷めた視線を向けていた。
「今日どうする?行くのやめる?」
今日は違法に盛り土された現場を見に行く予定となっていたのだが、私の様子を見た華鈴がそう言ってきた。
「何言ってるのよ!絶対に行くわよ!こんなの駅弁食べれば治るわよ!」
私がそう言うと保乃先輩は「なんで、食べ過ぎた日の翌日にさらに食べると治るのよ」と言ってきたが、「世の中そういうものでしょ」と言い返した。
「美味しいものを見ると胃腸の運動が活発になって、消化がよくなるんですから」
「お前の体はどうなってるんだよ!」
「えっ!普通そうじゃないの?」
梨名も天衣もお肉食べ過ぎて気持ち悪いって言っている日に肉料理を出すと元気になると言うと、さらに驚いた顔になっていた。
「どんな構造してんのよ!あなた達の身体は!?」
「そんなの普通よねー?」
「そうですよ」
私達の会話に参加してきた梨名、天衣の二人に攻め立てられた保乃先輩は呆れた表情をし頭を抱えてしまった。
「よーし、じゃあ気を取り直して行くぞー!」
「おー!」
「おー、じゃないわよ。さっきの駅弁どうのこうのといい、何旅行気分でいるのよ!私達の目的は視察だからね!あくまでし、さ、つの為に行くの」
旅行気分でいる私達を嗜めるように華鈴は言ってきた。
「いいじゃない別に私達、公人とかじゃないんだから」
フランスに研修で行っているのに、旅行気分になっているおバカな女性議員とは立場が全然違う。
「旅行のついでに視察に行くんだろ!」
「そうですよ、華鈴さん、固いこと言わないで楽しまないと」
「つーか、年中引きこもりのくせに、こういうときは行くんだな!お前が一番旅行気分でいるんじゃねーのか!」
「ち、違うわよ。実際に行って見てみないと分からないからよ」
「明らかにキョドってますよ。やっぱりそうなんじゃないですかー。でも行くならちゃんと日よけ対策してくださいね。日光に当たると死んじゃいますよ」
「だから、私は普通の人間だってのー!」
まーた3人の戯れ合いが始まったよ。
ということで、某温泉街近くの違法盛り土を観光客を装って視察するべく私達は向かうことになった。
「梨名、天衣、知ってる?今ね駅弁は消滅の危機なのよ!」
「えーっ!こんなに美味しそうなのに何でですかー?」
「旅の定番といったら駅弁を食べることだろ!そんなこと私が絶対に許さない」
だから旅じゃないってばって華鈴が言っていたがそれは流して話を進める。
「コンビニとかでお弁当が手軽に買えるってのもあるけど、やっぱり地域差が大きいのが原因ね。人気の観光地にばかり人が集まって、寂れた温泉街が増えてしまっているのが問題なんじゃないかな」
「今回行くところもそう。だから一人3つはノルマね」
「リーダー分かりました。責任持って、全部食べ切ります」
「よーし、食って食って食いまくるぞー」
「おー」
「おー、じゃないよ!あんたらはどんだけ食べるんだよ!ていうかあなた身体重いって言ってたのはどうなったのよ?」
「あれ?そーいえばいつの間にか無くなっていたかも」
駅弁売り場に到着した途端、身体が快調になったので駅弁を購入し、乗車し落ち着いたところで華鈴に話しかけた。
「ところで今日行くとこはどんな感じなの?」
「そういうばそうよ。そもそも何で私達に依頼が来たのよ。盛土問題はかなり大きな問題になって法律も強化されて世間の監視の目も厳しくなっているんだから、行政が対応してくれるはずでしょ」
私の質問をきっかけに保乃先輩は、捲し立てるように華鈴に質問をし始めた。華鈴はタブレットを取り出すと被害者とのやり取りの様子を詳細に説明し出した。
「かなり巧妙なんでしょうね。最初はただ整地しているくらいにしか思っていなかったみたい、近くの住民達はここに何ができるんだろう、というふうにしか思ってなかったみたいね。それが数ヶ月と立たないうちに盛り土は2階の高さほどになり、さすがにおかしいと思い行政に相談すると、業者はぱったりこなくなり、実態がつかめない状態になり、警戒が薄くなるとまた搬入が再開されるって感じみたいね」
驚いた!まだ人目を忍んで搬入を続けているとは!どんだけ図太い神経してんだそいつら。
「どういうこと?実態が掴めなくても盛り土はされているんだから、搬入停止措置とか是正命令とかは出てないの?」
「法律守ろうとしてない連中に法律振りかざしたって何の意味もないわよ」
まあそうだろう。法律を守ってくれるような連中なら行政が対応して終わり、私達のところに依頼がきたりしない。
「それで住民達で自警団を作って、搬入してくる瞬間を押さえて、搬入業者に詰め寄ったらしいの」
盛り土が崩れてしまったら住宅に被害が出てしまうだろうから必死なのだろうが、反社であろう連中を相手にそんな行動に出るなんて頭が下がる。
「勇気ある人達ねー、それでどうなったの?」
「オレ達は土地の所有者に造成して欲しいと依頼され、希望通りに造成しているだけだから文句ならそっちに言ってくれと言われたみたい」
「それで終わり?それで土地の所有者に連絡してみたの?」
「当然土地の所有者と連絡を取ろうとしたみたいだけど連絡は取れず、調べてみたら実態のない業者だったみたい」
「実態のない業者?」
「実態がないも何も搬入業者はそこから依頼されているんでしょ。搬入業者は連絡取り合っているはずでしょ。もう一回問い詰めて白状させればいいんじゃない?」
「そもそもそんな依頼なんてなかったのかもよ」
そういうことかー、それでどう対応していいか分からず拗れに拗れているって訳ね。
「言い逃れを用意しているなんて、よっぽど綿密に計画してきているんでようね」
「行政の動きも把握しているみたいだしね」
自分達は土地の所有者に依頼されて作業をしているだけ、なぜこのように造成しているかは知らされていない。自分達はあくまで依頼され作業を請け負っているだけ、自分達は善意の第三者だ。
うまい言い逃れ方を考えたもんだ。それに行政が動こうとすると姿をくらましてしまう。かなり小ズルい奴等のようだ。慎重に行かねばならないだろう。
「それで華鈴どうするつもりなの?」
「取り敢えず搬入してくる奴等はいるんだから、そいつのスマホハッキングすれば裏にいるやつを炙り出せると思うんだけど」
「なるほど!」
「私達が視察に行っている間にちょうど居合わせてくれればいいんだけどね」
保乃先輩、華鈴と共に難しい話をしていたら、梨名、天衣は寝てしまったようだった。
二人は頭をくっつけ寄りかかるようにして寝ている。
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