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第5章 悪徳霊媒師をやっつけろ!
第8話 激昂の天衣
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「大丈夫だった?」
「うん、日曜には戻るからって言ったら、あっさり承諾してくれたよー!」
金曜の夜、私は天衣と共に学校が終わって帰宅する時間に合わせ増田梨花を迎えに行くと、初めて見るような明るい笑顔でそう返してきた。
彼女の中で覚悟は決まったのだろうという感じがした。
私の言葉に感化され自分の境遇から逃げる事を選択し、友達の家に遊びに行くという名目で家を出ることにした。
もうこの家には戻ることはないかもしれない。立ち去る際、感傷に浸ってしまったのだろうか、足が止まっていた。
嫌なことも沢山あっただろうが16年間、時を過ごした我が家だ。寂しい気持ちになるのも致し方のないことだろう。
「今は自分のことだけを考えなさい。生まれたばかりの妹のこととか考えなくていいから、もし気になるなら自分の力で自分の人生を立て直して、ゆとりができてからにしなさい」
「分かってるわ」
それにしても、いくらか妨害を受けるかと思ったのだが、何の苦労もなく連れ出すことができたので拍子抜けしてしまった。
このままとある廃業した温泉施設に向かうことに、そこで天衣と3人でセミナーが開催される時間まで楽しく過ごす予定だ。
「こんばんわ~」
温泉施設に到着し、正面の扉を開けるとそう声を上げた。
「あらー、梨名ちゃん、また可愛くなったんじゃないのー?」
「えっ!そ、そうですかー、まあよく言われます」
「梨名さん、社交辞令って言葉知ってます?」
私は天衣に蹴りを入れると、二人の事を女将さんに簡単に紹介した。
「まあ、二人とも美人さんだこと!」
「いやいや、とんでもないです~」
「天衣、社交辞令って知ってる?」
私達のやり取りに増田梨花は終始クスクス笑っていた。
「梨名さん、廃業しているとは思えないほど綺麗なんですけど?ここって何なんですか?」
「今は大手会社の療養施設になってて一般客は受け入れてないのよ。さっきの女将さんが維持管理していて、私達の貸切状態だからどの部屋も自由に使って良いって言われているから」
その言葉を皮切りに天衣と増田梨花から質問攻めを喰らった。
「厨房も?」
「自由よ。大きな鍋でカレーでも作る?」
「男湯も?」
「誰もいないから出入り自由よ」
「男子トイレも?」
「自由だけど、そんなとこ何に使うのよ!」
「何でそんなことできるんですか?」
「女将さんが借金取りに追われているところを、私と飛奈で助けてあげたから」
「そーいう事ですか!」
「梨名はそんなこともしてたの?」
増田梨花に大雑把に私達の活動のことは説明したが、詳細は話してなかったので目をパチクリさせていた。
「天衣や華鈴が来る前は、小悪党ばかり相手して小銭稼いでいたからね」
そんな感じで始まった私達のお泊まり会は、日曜の朝を迎えるまで全くといっていいほど平穏に過ごせていたのだが、日曜日の朝、セミナーの当日になっても、娘が戻ってこないと分かった連中は、追っ手を差し向けたのだろう。
黒塗りの高級車が入り口前に乗りつけてきた。
「なんでこの場所が分かったのかしら?」
「4人ですね?どうします?やっつけちゃいます?」
こちらには天衣がいるんだ、4人くらいならどうということはないだろう。でも女将さんが綺麗に維持管理している施設に傷ひとつ付けたくない。
「裏口から出て公園の方へ逃げましょう。天衣、女将さんに迷惑かかるから施設内ではやらないでね」
「了解です」
だがその判断は間違いだった。公園に逃げれば人目が気になり追いかけて来ないだろうと思ったのだが、公園にいた人達は全員どう見ても一般の人には見えなかった。
寂れた温泉街、当然周りにも人の気配なんてない。公園内にいる連中は全員敵だと思われる。
20人はいる。私達を取り囲むようにして、徐々に距離を詰めてきた。
正面玄関に露骨に乗りつければ裏側に逃げてくるだろうと、読んでいたのだろうか。
「梨名!」
増田梨花が私の背中にギュッとしがみ付いてきた。
「大丈夫、時間を稼いでいれば、天衣が来てくれるから」
天衣を裏口に置いてきたのも失敗だった。追手は4人だけだと思ってしまっていた。まさかこんなに頭数揃えて来るなんて。
「お嬢さん、こちらに戻ってくれば、お友達に危害は加えません。一緒に帰りましょう」
男の一人が諭すような穏やかな口調でそう言ってきた。
「ダメよ。絶対、戻っちゃダメ」
「でも、、」
増田梨花が心配そうな目を向けてきたが、そんなことはできないと毅然と言い放った。
私が救ってあげるって言ったんだ。
絶対に守る。絶対に引かない。
「テメーはカンケーねーだろ!いい加減にシローっ!」
何度かやりとりした後、私が全然引こうとしないので痺れを切らした何人かが飛びかかって来た。
最初に掴みかかってきた奴の腕を取り、捻り倒す。次の奴は胸ぐらを掴んでこようとしたので、腕をクロスさせ、腕を跳ね上げ、ガラ空きになった腹部に蹴りをお見舞いする。
汚い罵りの言葉が飛んできたと思ったら、数人同時に飛びかかってきた。一番右端の奴の足を払い転倒させ、他の奴の突進を止める防御壁とする。
何度か攻撃を受けながらも奮戦し増田梨花を守り続ける。
「梨名ーっ!!」
一人の男の右フックをまともに喰らってしまい、吹き飛ばされたところで増田梨花が悲鳴を上げた。
「大丈夫、大丈夫だから下がってて」
すぐに起き上がり、こちらに走り寄ってこようとしたのでそれを制する。
「オラ、どうした?頭数揃えてきたくせに、後ろの奴らはビビって見てるだけかーっ?」
「このクソアマーっ!ブチ殺して、豚の餌にしてやる!」
挑発されブチギレた一番大柄の男が走り込んで来て、太い腕を振り上げ大振りの一撃を繰り出そうとしてきた。
「!!」
「梨名さん!顔から血出てますよっ!誰にやられたんですかっ!」
天衣は大柄の男の拳を軽々と受け止めると私に向かってそう言ってきた。
「テメーかっ!!」
そう言って大柄な男を一本背負いするようにして投げ飛ばす。
「天衣、敵は多い、私も手伝う」
口を開くだけでも痛みが広がる。流石にこの人数を一人でやるのは無理だろうと思い、私の前に立ち塞がった天衣の横に並んだ。
「大丈夫ですよこれくらいの数、そこでゆっくりしていて下さい」
そう言って一歩前に踏み出す。
天衣の呼吸のパターンが変わったような気がした。
男達の天衣を見る目が変わった気がした。
今、天衣はどんな目になっているのだろうか。保乃は未だに天衣の目が忘れられないと言っている。
凍り目の悪魔と呼ばれた天衣の姿がそこにあるのだろうか。
「私、ここまで怒り感じたことないかも。大好きな梨名さんの可愛い顔に怪我させるなんて、オメェー等、マジで殺す」
見た目は華奢な女の子。天衣の素性を全く知らないバカ共は挑発に乗って一斉に襲い掛かる。
まずは一本背負いされ地面に叩きつけられていた大柄の男が立ち上がり天衣に襲いかかった。そしてそれに続き天衣に向かって数人が飛びかかっていった。
どうなったのだろうか?天衣が飛び上がったと思ったら、大柄の男が宙を舞い走り寄ってきていた男達が吹き飛んでいった。
決着はあっという間だった。気付いた時には男達は全員、自分の吐き出した血溜まりの上に横たわっていた。
絶え絶えの呼吸音がいくつか聞こえるだけ、ほとんどの男は、生存が絶望的な状態だと思われる。
天衣は倒れた男達の中央に佇んでいた。どうしたのだろうか、こちらを振り向こうとしない。
もしかしてまた引かれるかと思って立ち尽くしているのだろうか?
まあ確かに、いつもながら圧倒的すぎて引いてしまうよ。
「あーぁ、本当に勿体無いよなー、天衣がオリンピック選手になっていたら、金メダル総ナメにして国民栄誉賞とか取っていたんだろうに」
私がそう言うと呼吸のパターンが戻り、いつものあどけない表情をこちらに向けてきた。
「何言ってるんですか?私にとっては梨名さんと梨花さんを守れたことが金メダル級に嬉しいです」
「バーカ、そんな訳あるかーっ!て、イタタター、口からの血が止まらない」
「早く洗い流して、消毒しましょう。可愛い顔にアザ残っちゃったら大変です」
「くっそー、しくじったなー、何でアイツ等ここ分かったんだろ」
「発信機とか付けられていたんですかね?」
「あーっ!!」
天衣の言葉を聞いて増田梨花は大声を上げた。
「学校からこれ支給されていたんだった」
そう言って猫のキーホルダーを見せてきた。それがどうしたというのだろうか?
「これGPSなの」
「えーっ!これGPSなの?どう見ても可愛いキーホルダーじゃん!」
うーん、やはりお嬢様学校は凄い!まさかGPSを支給しているとは。
「うん、日曜には戻るからって言ったら、あっさり承諾してくれたよー!」
金曜の夜、私は天衣と共に学校が終わって帰宅する時間に合わせ増田梨花を迎えに行くと、初めて見るような明るい笑顔でそう返してきた。
彼女の中で覚悟は決まったのだろうという感じがした。
私の言葉に感化され自分の境遇から逃げる事を選択し、友達の家に遊びに行くという名目で家を出ることにした。
もうこの家には戻ることはないかもしれない。立ち去る際、感傷に浸ってしまったのだろうか、足が止まっていた。
嫌なことも沢山あっただろうが16年間、時を過ごした我が家だ。寂しい気持ちになるのも致し方のないことだろう。
「今は自分のことだけを考えなさい。生まれたばかりの妹のこととか考えなくていいから、もし気になるなら自分の力で自分の人生を立て直して、ゆとりができてからにしなさい」
「分かってるわ」
それにしても、いくらか妨害を受けるかと思ったのだが、何の苦労もなく連れ出すことができたので拍子抜けしてしまった。
このままとある廃業した温泉施設に向かうことに、そこで天衣と3人でセミナーが開催される時間まで楽しく過ごす予定だ。
「こんばんわ~」
温泉施設に到着し、正面の扉を開けるとそう声を上げた。
「あらー、梨名ちゃん、また可愛くなったんじゃないのー?」
「えっ!そ、そうですかー、まあよく言われます」
「梨名さん、社交辞令って言葉知ってます?」
私は天衣に蹴りを入れると、二人の事を女将さんに簡単に紹介した。
「まあ、二人とも美人さんだこと!」
「いやいや、とんでもないです~」
「天衣、社交辞令って知ってる?」
私達のやり取りに増田梨花は終始クスクス笑っていた。
「梨名さん、廃業しているとは思えないほど綺麗なんですけど?ここって何なんですか?」
「今は大手会社の療養施設になってて一般客は受け入れてないのよ。さっきの女将さんが維持管理していて、私達の貸切状態だからどの部屋も自由に使って良いって言われているから」
その言葉を皮切りに天衣と増田梨花から質問攻めを喰らった。
「厨房も?」
「自由よ。大きな鍋でカレーでも作る?」
「男湯も?」
「誰もいないから出入り自由よ」
「男子トイレも?」
「自由だけど、そんなとこ何に使うのよ!」
「何でそんなことできるんですか?」
「女将さんが借金取りに追われているところを、私と飛奈で助けてあげたから」
「そーいう事ですか!」
「梨名はそんなこともしてたの?」
増田梨花に大雑把に私達の活動のことは説明したが、詳細は話してなかったので目をパチクリさせていた。
「天衣や華鈴が来る前は、小悪党ばかり相手して小銭稼いでいたからね」
そんな感じで始まった私達のお泊まり会は、日曜の朝を迎えるまで全くといっていいほど平穏に過ごせていたのだが、日曜日の朝、セミナーの当日になっても、娘が戻ってこないと分かった連中は、追っ手を差し向けたのだろう。
黒塗りの高級車が入り口前に乗りつけてきた。
「なんでこの場所が分かったのかしら?」
「4人ですね?どうします?やっつけちゃいます?」
こちらには天衣がいるんだ、4人くらいならどうということはないだろう。でも女将さんが綺麗に維持管理している施設に傷ひとつ付けたくない。
「裏口から出て公園の方へ逃げましょう。天衣、女将さんに迷惑かかるから施設内ではやらないでね」
「了解です」
だがその判断は間違いだった。公園に逃げれば人目が気になり追いかけて来ないだろうと思ったのだが、公園にいた人達は全員どう見ても一般の人には見えなかった。
寂れた温泉街、当然周りにも人の気配なんてない。公園内にいる連中は全員敵だと思われる。
20人はいる。私達を取り囲むようにして、徐々に距離を詰めてきた。
正面玄関に露骨に乗りつければ裏側に逃げてくるだろうと、読んでいたのだろうか。
「梨名!」
増田梨花が私の背中にギュッとしがみ付いてきた。
「大丈夫、時間を稼いでいれば、天衣が来てくれるから」
天衣を裏口に置いてきたのも失敗だった。追手は4人だけだと思ってしまっていた。まさかこんなに頭数揃えて来るなんて。
「お嬢さん、こちらに戻ってくれば、お友達に危害は加えません。一緒に帰りましょう」
男の一人が諭すような穏やかな口調でそう言ってきた。
「ダメよ。絶対、戻っちゃダメ」
「でも、、」
増田梨花が心配そうな目を向けてきたが、そんなことはできないと毅然と言い放った。
私が救ってあげるって言ったんだ。
絶対に守る。絶対に引かない。
「テメーはカンケーねーだろ!いい加減にシローっ!」
何度かやりとりした後、私が全然引こうとしないので痺れを切らした何人かが飛びかかって来た。
最初に掴みかかってきた奴の腕を取り、捻り倒す。次の奴は胸ぐらを掴んでこようとしたので、腕をクロスさせ、腕を跳ね上げ、ガラ空きになった腹部に蹴りをお見舞いする。
汚い罵りの言葉が飛んできたと思ったら、数人同時に飛びかかってきた。一番右端の奴の足を払い転倒させ、他の奴の突進を止める防御壁とする。
何度か攻撃を受けながらも奮戦し増田梨花を守り続ける。
「梨名ーっ!!」
一人の男の右フックをまともに喰らってしまい、吹き飛ばされたところで増田梨花が悲鳴を上げた。
「大丈夫、大丈夫だから下がってて」
すぐに起き上がり、こちらに走り寄ってこようとしたのでそれを制する。
「オラ、どうした?頭数揃えてきたくせに、後ろの奴らはビビって見てるだけかーっ?」
「このクソアマーっ!ブチ殺して、豚の餌にしてやる!」
挑発されブチギレた一番大柄の男が走り込んで来て、太い腕を振り上げ大振りの一撃を繰り出そうとしてきた。
「!!」
「梨名さん!顔から血出てますよっ!誰にやられたんですかっ!」
天衣は大柄の男の拳を軽々と受け止めると私に向かってそう言ってきた。
「テメーかっ!!」
そう言って大柄な男を一本背負いするようにして投げ飛ばす。
「天衣、敵は多い、私も手伝う」
口を開くだけでも痛みが広がる。流石にこの人数を一人でやるのは無理だろうと思い、私の前に立ち塞がった天衣の横に並んだ。
「大丈夫ですよこれくらいの数、そこでゆっくりしていて下さい」
そう言って一歩前に踏み出す。
天衣の呼吸のパターンが変わったような気がした。
男達の天衣を見る目が変わった気がした。
今、天衣はどんな目になっているのだろうか。保乃は未だに天衣の目が忘れられないと言っている。
凍り目の悪魔と呼ばれた天衣の姿がそこにあるのだろうか。
「私、ここまで怒り感じたことないかも。大好きな梨名さんの可愛い顔に怪我させるなんて、オメェー等、マジで殺す」
見た目は華奢な女の子。天衣の素性を全く知らないバカ共は挑発に乗って一斉に襲い掛かる。
まずは一本背負いされ地面に叩きつけられていた大柄の男が立ち上がり天衣に襲いかかった。そしてそれに続き天衣に向かって数人が飛びかかっていった。
どうなったのだろうか?天衣が飛び上がったと思ったら、大柄の男が宙を舞い走り寄ってきていた男達が吹き飛んでいった。
決着はあっという間だった。気付いた時には男達は全員、自分の吐き出した血溜まりの上に横たわっていた。
絶え絶えの呼吸音がいくつか聞こえるだけ、ほとんどの男は、生存が絶望的な状態だと思われる。
天衣は倒れた男達の中央に佇んでいた。どうしたのだろうか、こちらを振り向こうとしない。
もしかしてまた引かれるかと思って立ち尽くしているのだろうか?
まあ確かに、いつもながら圧倒的すぎて引いてしまうよ。
「あーぁ、本当に勿体無いよなー、天衣がオリンピック選手になっていたら、金メダル総ナメにして国民栄誉賞とか取っていたんだろうに」
私がそう言うと呼吸のパターンが戻り、いつものあどけない表情をこちらに向けてきた。
「何言ってるんですか?私にとっては梨名さんと梨花さんを守れたことが金メダル級に嬉しいです」
「バーカ、そんな訳あるかーっ!て、イタタター、口からの血が止まらない」
「早く洗い流して、消毒しましょう。可愛い顔にアザ残っちゃったら大変です」
「くっそー、しくじったなー、何でアイツ等ここ分かったんだろ」
「発信機とか付けられていたんですかね?」
「あーっ!!」
天衣の言葉を聞いて増田梨花は大声を上げた。
「学校からこれ支給されていたんだった」
そう言って猫のキーホルダーを見せてきた。それがどうしたというのだろうか?
「これGPSなの」
「えーっ!これGPSなの?どう見ても可愛いキーホルダーじゃん!」
うーん、やはりお嬢様学校は凄い!まさかGPSを支給しているとは。
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