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5章 お爺ちゃんと聖魔大戦
398.お爺ちゃんのドリームランド探訪10
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とりもち氏に誘われるがまま、赴いた先。
そこは何かの建造物の裏手だった。
何を作っているかは不明だが、その四角錐の造形に何やら見覚えがある。
それがちょうど太陽光を遮る形となって日陰を作ってくれていた。拠点化した場所に巨大建造物。
つい最近手に入れた情報、魔導書におけるダンジョンの他に聖典側も何か手に入れたか?
そっち側の情報はさっぱり入手出来てないものなぁ。
邪推していた私にとりもち氏が会話を言いあぐねてその建物に視線を向ける。
「ああ、アレ。やっぱり気になります?」
「そりゃもう」
【どこからどう見たってピラミッドな件】
【聖典側の新しい施設か?】
【単純にピラミッド作ってた場所を拠点化しただけでは?】
【古代エジプト勢はほぼファラオ王朝の奴隷では?】
【まぁそうだけどさ、そこに神の使者が現れたらどうよ?】
【むしろファラオ王朝の拠点から遠く離れた地を拠点化した?】
【ありそう】
【相手が奴隷なら信仰先を与えるのは楽チンだものな】
【いや、流石に王朝側の監督役もいるでしょ】
加速するコメント欄。
私の周りに浮き出る文字に対してとりもち氏も何か言いたそうだ。
「あ、これ気になります?」
「まぁ、気になると言えばそうですね。まさかクリア後は配信出来る?」
「私はとある裏技を利用してこちらでも配信が可能になりました。とりもち氏はイ=スの民はご存知で?」
「名前くらいは聞いたことがあります。超古代文明の一つを作り出した一族ですよね? ああ、そういうツテで?」
「です。縁がありましてカメラを魔改造してもらったんです。お陰様でこちらでも配信出来る様に。でも聖典側の協力者になってくれるかは不明です」
「まぁ見た目が魔導書よりですもんねぇ。見たら正気度が減りそうだ」
「はい。なので聖典側には聖典側専用の協力者がいると思ってます」
「そっかぁ、有用な情報ありがとうございます」
「なんのなんの。隠すほどの情報でもないので」
【草】
【割と機密情報の可能性】
【この人にとっての機密の割合ではそうなんやろな】
【機密がガバガバすぎるッピ】
【もっとやばい案件を抱えてることがあるから妥当では?】
【それwww】
「何やら気になるワードが飛び出てますけど、そのお話は聞けたり?」
「代わりにそちらの情報をくれたらお話しできますよ?」
【おいwww】
【クレクレは嫌われるぞ?】
「ワンチャン狙ってみた。悔いはない」
【魂胆が俺らなんだよなぁ】
【これだから掲示板勢は】
【さすが>>0001さん】
「まぁ娘にだけ伝えておいて他の人に伝えない手もないから話せる場所は話すけどね」
【隠してすらいなかったwww】
【機密はこうやって漏れていくのだ】
【単純に>>0001さんに漏らしても使い様がないからじゃ?】
【↑いじめ、よくない】
「正直情報の対価、もとい見返りに返せる情報も大して持ってないんだけどさ。まぁ裏で建造してるのはピラミッドで正解。ちなみにアレらの建造権は僕が持ってます。ファラオ王朝は関係ないですよ」
「ほぅ? やはり幾つか拠点化した影響だったり?」
「聖典側での累計なのかはわかりませんが、多分。僕だけが持ってる能力とは言い難いです。なんせ僕の拠点はこれが一つ目ですから」
「これは良いことを聞いた」
【前回魔導書陣営のクリア者が続出した結果、今回は聖典陣営の人数多いもんな】
【そうなの?】
【そうだよ、前回5人が今回6人。代わりに魔導書が4人だ】
【毎回均等ってわけでもないのな】
【でもフリーで出入りできる3人が居るから人数的には負けてるんだぜ?】
【介入してくるタイミング次第では劣勢に立たせられるわけか】
【まぁ僕も色々動いてますが、くま君はまだみてないですね】
【もう一人の魔導書陣営!】
【普通にリスナーなんだよなぁ】
【そういやくまはまだみてないな】
「彼はほら、イメチェンしたでしょ? 今は親孝行してるから介入は少し遅れるそうだよ」
【なら人数は拮抗してるんだ】
【これ、回数重ねていくごとにどっちか極端になっていくんじゃね?】
【クリア者がどっちかの陣営に偏ればありそう】
【流石に今回は聖典側も頑張るでしょ】
【とろサーモンみたいに私怨に走る奴もいるのでは?】
【そういえば探偵の人は今回は?】
【ライバルがいないから普通に探索してるぞ。クリア者は競合相手にならないらしい】
【そりゃポイントが加味されないなら競わないでしょ】
あの人がそれだけの理由で対抗意識を取りやめるとは思わないけどね。きっと私に隠れて何かしてるよ。
油断する判断材料にはならないね。
そこで私からもお返しに機密の一つを開示する。
どうせ霊樹や聖獣の件は娘から拡散されてるだろうから。
ただあの子の場合、全ての情報を抜いた上で拡散する可能性が高い。検証勢でもあるが故の情報公開のタイミングの遅さが懸念材料か。そこら辺はみんなに協力してもらう形にすれば負担が減るのにね。それはさておき。
「ちなみに魔導書側はダンジョンを拠点に置ける様になったよ。今私の幻影がその一つに取り掛かってる。コタツをギミックに取り入れると息巻いていたけどどうなるやら」
「えっ!? ダンジョンですか? それが魔導書側の建造物……一体何を強化するのか見えてきませんね。まさかモンスター強化施設だったり?」
【おっとぉ、聞き捨てならないフレーズが飛び出ましたよ】
【これはピラミッドは強化施設で安定】
【うっかりすぎるッピ】
何やらコメント欄がとりもち氏にマウント合戦を強いている。
別に揚げ足を取らなくたって良いのにね。
でも、まあ視聴者の多くが将来的に魔導書よりなら彼は敵対勢力。ついマウントを取ってしまうのもわからないでもない。
「まだその施設について私も詳しく知らないんです。ただ、その場所に守護獣なるものを配置出来るそうですよ。うちのダンジョンはショゴス、もといショゴ太郎を配置しました」
「ショゴ太郎……独特なネーミングですね。しっかしショゴスかぁ。某有名RPGのスライムとは格別な相手じゃないですか。見ただけで正気度減りそう」
「えぇ、あんなに可愛いのに」
【認識が違ってて草】
【そら魔導書側は怪異に対して耐性あるでしょ】
【むしろ使役する側だし?】
【逆に神聖属性にはダメージ負うから対等やで】
「僕はまだ使役できる眷属がいないので配置はできてませんが、いずれ配置する予定ですよ。そしてこの施設、どうやら特定のステータスの限界突破ができる様です」
「それ、私に教えてくれて良かったんですか?」
「どうせ誰かの口から漏れます。それがたまたま僕だったという事で一つどうでしょうか?」
「君はそれで良いのかい? 聖典陣営の情報漏洩につながりかねない」
「アキカゼさんには前回救って頂いた恩がありますから。それに、陣営同士でいがみ合ってる時期でもありませんし」
【こいつこんなんだったっけ?】
【昔から長いものに巻かれろ気質やで】
【長さにおいては他に類を見ないアキカゼさんだもんな】
【媚びを売るには最適というわけか】
【だから今回は見逃してくれ的な?】
【聖典の裏切り者じゃねーか】
【ワンチャン乗っ取られる可能性もあるから賢明よ】
「別に見逃すも何もないけどね。前回はどう言うものか確かめる検証も兼ねていた。結果がアレだ。その結果受けた今、それをやるメリットが私にない。それだけだよ」
「助かります。ようやくスジャータに認められる立ち位置まで来たところで略奪されたら立ち直れなくなるところでした」
「幻影に認められるのもまたマスターの使命の一つだものね。邪魔なんてしないさ」
「恐縮です」
「それに頑張ってる若者の背中を押すのが私の生き甲斐だからね。今回は会話を快く引き受けてくれた件もある。前回は出会うなり武器を持って対峙する形になるのでこうやってお話しすることもできなかったからね」
「当時はただ置いていかれる身の上でしたからね。焦りもあったんだと思います」
【実際ルールもポイント情報も伏せられてたから】
【何を基準に頑張れば良いかもわからないし】
【それで500ポイント叩き出す人がいるらしい】
【神格召喚がキモだよな】
「そういえばとりもち氏は神格召喚してる?」
「まだです。信仰度が足りなくて」
「信仰度? 侵食度ではなくて?」
「チュートリアルではそのステータスだったんですけど、こっちでは信仰度扱いですよ。向こうとは違ってこっちでは0からスタートです。その為にも神具を拵えて加算値を増やそうと言う魂胆です」
「ふむ、神具? あのピラミッドがそうなのかな?」
「内緒です」
「まぁ無理には聞き出さないさ。こっちで勝手に考察するから大丈夫」
【こいつ嘘つくの下手だな】
【すでにモロバレな件】
【ピラミッドで間違いないやろ】
【しっかし聞いたこともないワードが出てきたな】
【それ】
確かに予想以上にこちらの知らないワードのオンパレード。
霊樹や聖獣は予想していた。
が、信仰度も知らなければ神具? それを所持することで神格が降ろしやすくなるのだろうか?
どうも魔導書側と聖典側では神格召喚の条件一つ取っても違うことが判明した。
しかしとりもち君の口の軽さからしてこれは聖典側の常識だったかな?
シェリルはこちらに教えても意味がないから情報の開示をしなかった?
いや、それ以前にまだ情報の全てが抜けてない可能性もあるか。
私が今回の情報で一番面白いと思ったのがピラミッドなどの巨大建築物だ。
よもや上限が100までであるとされたステータスをさらに限界突破できる施設が作れるだなんて私にとっては嬉しい誤算以外ない。
開示条件もまだわからないけど、答えがあればそれを探さない手はない筈だ。
なにせ聖典側から仕掛けられた場合、どれだけ数値が高くても割り振りポイント次第では判定に負ける事もある。
特に拠点がらみでは維持しておきたい絶対数も有るだろう。
世界の大きさも上限もわからないけど、参加人数が増えていけばそのうち均衡も破れていく。
そこで聖典側だけ限界突破したステータスで勝負してくる可能性もないわけじゃない。
ならこっちにもそう言う施設があって然るべきと考えるのが正しいだろう。
ちょっとした雑談のつもりだったけど、今回の寄り道は思った以上に私に知的好奇心を与えてくれた。
まだこれらの知識が魔導書側に何を与えてくれるかは定かではないが、俄然探索が楽しくなってきたのは確かだ。
「こちらの情報で何か得られるものがあったのなら幸いです」
「それに今回の件で予想以上に私はそちらの事情に疎いことが判明した。そしてこちらからの情報が少し不足していたので付け足すよ。とりもち氏、霊樹という存在はご存知?」
「霊樹……いえ、聞いたことないですね」
やはりシェリルは拡散してないか。
いや、拡散以前の問題か?
拡散するにもチャット機能が使用できなければ意味がない。
前回は私が抜いた。でも今回は率先して開示条件を抜くプレイヤーが居ない。
「そう言えば陣営チャットの解放ってした?」
「それはしてます。前回開示された状態で今回も扱えますから」
「あ、アレって次も残るんだ?」
「そうみたいです。今回アキカゼさん無しで大丈夫かなって心配してましたけど使えて助かってます」
「ならそのうち聞かされると思うよ。霊樹、これは聖典の武器所持者に開示される特別な場所だ」
「何故、それをアキカゼさんが知ってるかお聞きしても?」
とりもち氏の目が警戒の色を示す。
確かに聖典側の情報を私が知っているのか怪しいもんね。
シェリルから聞いたと言っても、同じ聖典側の仲間より先に情報開示するわけもないし、不自然だ。
「いや、偶然なんだけどね? 私が荒野を彷徨ってる時に聖獣なるものがつっかかってきてね? 私の幻影曰く、どうやら私のただならぬオーラに導かれて突撃してきたみたいだ。私は仕方なくクトゥルフの鷲掴みでよしよしして弱らせて、コタツで確保した。ここまでは良い?」
「まだ噛み砕けてないのも多いですけど、大体は」
「なら続けるね? 取り敢えず聖獣は聖典側に与してる相手に手渡すのが良いだろうと私は聖典プレイヤーを探した。人の多いところに行けば居るだろうと港町に向かったよ。コタツで」
「コタツで!?」
【そらびっくりしますわ】
【コタツで荒野と海原を超えた件】
【パワーワードなんだよなぁ】
「そこでとろサーモン氏に遭遇して聖獣を押し付けた」
「うわぁ、よりによって彼ですか。突っかかっていきませんでした?」
「めちゃくちゃ私怨ぶつけて来たよ?」
「やっぱり」
「でもほら、私の領域展開って展開範囲の武器、スキル、霊装、フレーバーアイテム、プレイヤー、幻影、テイムモンスターを取り込むじゃない?」
「正直に言いますけどそれってチートですよね?」
「ははは取り込んでも扱えなければ意味がないよ」
「それは確かにそうですけど。でもそれで彼を丸め込んだのでは?」
「武器と宝貝を奪っただけだよ?」
「十分な戦果ですよ。僕だって切り札奪われたら打つ手ないですもん。スジャータと離れ離れになったらどうして良いか……」
「まぁ、それはともかく。奪った武器が何かに反応したんだ」
「今決して流しちゃいけない情報が流れていきましたけど、それが件の霊樹だった?」
「その通り。聖典側の武器、というか神格武器に反応するトリックだ。しかし私達は魔導書陣営。少しでもそれらしい反応が出たら霊樹のそばから遠ざけられてしまう仕掛けがあった」
「なるほど、敵対陣営を遠ざける効果があると?」
「うん。私の見つけた拠点の一つも突然現れたからその場所も霊樹の一つだと思うんだけどそれっぽいものが見つかってなくてね」
「待って待って待って、情報が多すぎる。え、さっき教えてもらった情報ってもしかしてやばい類のやつでは?」
「その情報をどう扱うかはとりもち氏に任せるよ。で、霊樹の件に戻るね?」
「はい」
「その霊樹って、実は目に見えない場所にたくさん隠されてるみたいでさ、それがあるおかげでこの世界に人間が住み着けるらしいんだよ。そして魔導書陣営の侵食を防ぐ場所にもなっているらしい」
「重要施設じゃないですか!」
「うん、ちなみにその一つをね、ナイアルラトホテプが燃やしてしまった」
「何してるんですか!」
「本当にすまないと思っている。シェリルにも呆れられてしまったよ」
【よく政治家が謝罪する態度だ】
【たいしてすまないと思ってなさそうなところがそっくりや】
【呆れられてるで済まされない案件】
「当たり前じゃないですか! ただでさえこっちが不利なのに」
「ただこの件は悪いことばかりじゃない。その逆もまた然りではないかな?」
「つまり神格を呼び出せるアイテム次第では聖典側も魔導書側の重要施設の破壊が可能と?」
「その可能性もまたあるとだけ伝えておくよ。ただ霊樹も一筋縄で行かなくてね。それらしいポイントを見つけても一度の敗北を糧に成長したらしくて二度目は私たちの前に姿を現してくれなかった」
「そりゃそうですよ。って言うかやばい情報を聞いてしまって気が気じゃないんですが。これって聖典側に拡散しちゃって良いんですよね?」
「引き止めはしないよ。こちらも有益な情報を得られたものだからそのお返しにね?」
「それを言われるとどのタイミングで落とすか躊躇うな。掲示板のネタとしてとっておくのがベストか?」
【厄ネタなんだよなぁ】
【もはやアキカゼさんの情報開示のタイミングが嫌がらせでしかないッピ】
【今回だけの開示情報でどれだけの聖典陣営が守りの姿勢に入るか見ものだな】
【これ、魔導書側がより勢いづくだけのネタじゃねぇ?】
【言えてる】
何やら頭を抱えてしまうとりもち氏。
さっさと公開しちゃえば良いのに、こう言うところは生真面目なんだよね、彼。
そこは何かの建造物の裏手だった。
何を作っているかは不明だが、その四角錐の造形に何やら見覚えがある。
それがちょうど太陽光を遮る形となって日陰を作ってくれていた。拠点化した場所に巨大建造物。
つい最近手に入れた情報、魔導書におけるダンジョンの他に聖典側も何か手に入れたか?
そっち側の情報はさっぱり入手出来てないものなぁ。
邪推していた私にとりもち氏が会話を言いあぐねてその建物に視線を向ける。
「ああ、アレ。やっぱり気になります?」
「そりゃもう」
【どこからどう見たってピラミッドな件】
【聖典側の新しい施設か?】
【単純にピラミッド作ってた場所を拠点化しただけでは?】
【古代エジプト勢はほぼファラオ王朝の奴隷では?】
【まぁそうだけどさ、そこに神の使者が現れたらどうよ?】
【むしろファラオ王朝の拠点から遠く離れた地を拠点化した?】
【ありそう】
【相手が奴隷なら信仰先を与えるのは楽チンだものな】
【いや、流石に王朝側の監督役もいるでしょ】
加速するコメント欄。
私の周りに浮き出る文字に対してとりもち氏も何か言いたそうだ。
「あ、これ気になります?」
「まぁ、気になると言えばそうですね。まさかクリア後は配信出来る?」
「私はとある裏技を利用してこちらでも配信が可能になりました。とりもち氏はイ=スの民はご存知で?」
「名前くらいは聞いたことがあります。超古代文明の一つを作り出した一族ですよね? ああ、そういうツテで?」
「です。縁がありましてカメラを魔改造してもらったんです。お陰様でこちらでも配信出来る様に。でも聖典側の協力者になってくれるかは不明です」
「まぁ見た目が魔導書よりですもんねぇ。見たら正気度が減りそうだ」
「はい。なので聖典側には聖典側専用の協力者がいると思ってます」
「そっかぁ、有用な情報ありがとうございます」
「なんのなんの。隠すほどの情報でもないので」
【草】
【割と機密情報の可能性】
【この人にとっての機密の割合ではそうなんやろな】
【機密がガバガバすぎるッピ】
【もっとやばい案件を抱えてることがあるから妥当では?】
【それwww】
「何やら気になるワードが飛び出てますけど、そのお話は聞けたり?」
「代わりにそちらの情報をくれたらお話しできますよ?」
【おいwww】
【クレクレは嫌われるぞ?】
「ワンチャン狙ってみた。悔いはない」
【魂胆が俺らなんだよなぁ】
【これだから掲示板勢は】
【さすが>>0001さん】
「まぁ娘にだけ伝えておいて他の人に伝えない手もないから話せる場所は話すけどね」
【隠してすらいなかったwww】
【機密はこうやって漏れていくのだ】
【単純に>>0001さんに漏らしても使い様がないからじゃ?】
【↑いじめ、よくない】
「正直情報の対価、もとい見返りに返せる情報も大して持ってないんだけどさ。まぁ裏で建造してるのはピラミッドで正解。ちなみにアレらの建造権は僕が持ってます。ファラオ王朝は関係ないですよ」
「ほぅ? やはり幾つか拠点化した影響だったり?」
「聖典側での累計なのかはわかりませんが、多分。僕だけが持ってる能力とは言い難いです。なんせ僕の拠点はこれが一つ目ですから」
「これは良いことを聞いた」
【前回魔導書陣営のクリア者が続出した結果、今回は聖典陣営の人数多いもんな】
【そうなの?】
【そうだよ、前回5人が今回6人。代わりに魔導書が4人だ】
【毎回均等ってわけでもないのな】
【でもフリーで出入りできる3人が居るから人数的には負けてるんだぜ?】
【介入してくるタイミング次第では劣勢に立たせられるわけか】
【まぁ僕も色々動いてますが、くま君はまだみてないですね】
【もう一人の魔導書陣営!】
【普通にリスナーなんだよなぁ】
【そういやくまはまだみてないな】
「彼はほら、イメチェンしたでしょ? 今は親孝行してるから介入は少し遅れるそうだよ」
【なら人数は拮抗してるんだ】
【これ、回数重ねていくごとにどっちか極端になっていくんじゃね?】
【クリア者がどっちかの陣営に偏ればありそう】
【流石に今回は聖典側も頑張るでしょ】
【とろサーモンみたいに私怨に走る奴もいるのでは?】
【そういえば探偵の人は今回は?】
【ライバルがいないから普通に探索してるぞ。クリア者は競合相手にならないらしい】
【そりゃポイントが加味されないなら競わないでしょ】
あの人がそれだけの理由で対抗意識を取りやめるとは思わないけどね。きっと私に隠れて何かしてるよ。
油断する判断材料にはならないね。
そこで私からもお返しに機密の一つを開示する。
どうせ霊樹や聖獣の件は娘から拡散されてるだろうから。
ただあの子の場合、全ての情報を抜いた上で拡散する可能性が高い。検証勢でもあるが故の情報公開のタイミングの遅さが懸念材料か。そこら辺はみんなに協力してもらう形にすれば負担が減るのにね。それはさておき。
「ちなみに魔導書側はダンジョンを拠点に置ける様になったよ。今私の幻影がその一つに取り掛かってる。コタツをギミックに取り入れると息巻いていたけどどうなるやら」
「えっ!? ダンジョンですか? それが魔導書側の建造物……一体何を強化するのか見えてきませんね。まさかモンスター強化施設だったり?」
【おっとぉ、聞き捨てならないフレーズが飛び出ましたよ】
【これはピラミッドは強化施設で安定】
【うっかりすぎるッピ】
何やらコメント欄がとりもち氏にマウント合戦を強いている。
別に揚げ足を取らなくたって良いのにね。
でも、まあ視聴者の多くが将来的に魔導書よりなら彼は敵対勢力。ついマウントを取ってしまうのもわからないでもない。
「まだその施設について私も詳しく知らないんです。ただ、その場所に守護獣なるものを配置出来るそうですよ。うちのダンジョンはショゴス、もといショゴ太郎を配置しました」
「ショゴ太郎……独特なネーミングですね。しっかしショゴスかぁ。某有名RPGのスライムとは格別な相手じゃないですか。見ただけで正気度減りそう」
「えぇ、あんなに可愛いのに」
【認識が違ってて草】
【そら魔導書側は怪異に対して耐性あるでしょ】
【むしろ使役する側だし?】
【逆に神聖属性にはダメージ負うから対等やで】
「僕はまだ使役できる眷属がいないので配置はできてませんが、いずれ配置する予定ですよ。そしてこの施設、どうやら特定のステータスの限界突破ができる様です」
「それ、私に教えてくれて良かったんですか?」
「どうせ誰かの口から漏れます。それがたまたま僕だったという事で一つどうでしょうか?」
「君はそれで良いのかい? 聖典陣営の情報漏洩につながりかねない」
「アキカゼさんには前回救って頂いた恩がありますから。それに、陣営同士でいがみ合ってる時期でもありませんし」
【こいつこんなんだったっけ?】
【昔から長いものに巻かれろ気質やで】
【長さにおいては他に類を見ないアキカゼさんだもんな】
【媚びを売るには最適というわけか】
【だから今回は見逃してくれ的な?】
【聖典の裏切り者じゃねーか】
【ワンチャン乗っ取られる可能性もあるから賢明よ】
「別に見逃すも何もないけどね。前回はどう言うものか確かめる検証も兼ねていた。結果がアレだ。その結果受けた今、それをやるメリットが私にない。それだけだよ」
「助かります。ようやくスジャータに認められる立ち位置まで来たところで略奪されたら立ち直れなくなるところでした」
「幻影に認められるのもまたマスターの使命の一つだものね。邪魔なんてしないさ」
「恐縮です」
「それに頑張ってる若者の背中を押すのが私の生き甲斐だからね。今回は会話を快く引き受けてくれた件もある。前回は出会うなり武器を持って対峙する形になるのでこうやってお話しすることもできなかったからね」
「当時はただ置いていかれる身の上でしたからね。焦りもあったんだと思います」
【実際ルールもポイント情報も伏せられてたから】
【何を基準に頑張れば良いかもわからないし】
【それで500ポイント叩き出す人がいるらしい】
【神格召喚がキモだよな】
「そういえばとりもち氏は神格召喚してる?」
「まだです。信仰度が足りなくて」
「信仰度? 侵食度ではなくて?」
「チュートリアルではそのステータスだったんですけど、こっちでは信仰度扱いですよ。向こうとは違ってこっちでは0からスタートです。その為にも神具を拵えて加算値を増やそうと言う魂胆です」
「ふむ、神具? あのピラミッドがそうなのかな?」
「内緒です」
「まぁ無理には聞き出さないさ。こっちで勝手に考察するから大丈夫」
【こいつ嘘つくの下手だな】
【すでにモロバレな件】
【ピラミッドで間違いないやろ】
【しっかし聞いたこともないワードが出てきたな】
【それ】
確かに予想以上にこちらの知らないワードのオンパレード。
霊樹や聖獣は予想していた。
が、信仰度も知らなければ神具? それを所持することで神格が降ろしやすくなるのだろうか?
どうも魔導書側と聖典側では神格召喚の条件一つ取っても違うことが判明した。
しかしとりもち君の口の軽さからしてこれは聖典側の常識だったかな?
シェリルはこちらに教えても意味がないから情報の開示をしなかった?
いや、それ以前にまだ情報の全てが抜けてない可能性もあるか。
私が今回の情報で一番面白いと思ったのがピラミッドなどの巨大建築物だ。
よもや上限が100までであるとされたステータスをさらに限界突破できる施設が作れるだなんて私にとっては嬉しい誤算以外ない。
開示条件もまだわからないけど、答えがあればそれを探さない手はない筈だ。
なにせ聖典側から仕掛けられた場合、どれだけ数値が高くても割り振りポイント次第では判定に負ける事もある。
特に拠点がらみでは維持しておきたい絶対数も有るだろう。
世界の大きさも上限もわからないけど、参加人数が増えていけばそのうち均衡も破れていく。
そこで聖典側だけ限界突破したステータスで勝負してくる可能性もないわけじゃない。
ならこっちにもそう言う施設があって然るべきと考えるのが正しいだろう。
ちょっとした雑談のつもりだったけど、今回の寄り道は思った以上に私に知的好奇心を与えてくれた。
まだこれらの知識が魔導書側に何を与えてくれるかは定かではないが、俄然探索が楽しくなってきたのは確かだ。
「こちらの情報で何か得られるものがあったのなら幸いです」
「それに今回の件で予想以上に私はそちらの事情に疎いことが判明した。そしてこちらからの情報が少し不足していたので付け足すよ。とりもち氏、霊樹という存在はご存知?」
「霊樹……いえ、聞いたことないですね」
やはりシェリルは拡散してないか。
いや、拡散以前の問題か?
拡散するにもチャット機能が使用できなければ意味がない。
前回は私が抜いた。でも今回は率先して開示条件を抜くプレイヤーが居ない。
「そう言えば陣営チャットの解放ってした?」
「それはしてます。前回開示された状態で今回も扱えますから」
「あ、アレって次も残るんだ?」
「そうみたいです。今回アキカゼさん無しで大丈夫かなって心配してましたけど使えて助かってます」
「ならそのうち聞かされると思うよ。霊樹、これは聖典の武器所持者に開示される特別な場所だ」
「何故、それをアキカゼさんが知ってるかお聞きしても?」
とりもち氏の目が警戒の色を示す。
確かに聖典側の情報を私が知っているのか怪しいもんね。
シェリルから聞いたと言っても、同じ聖典側の仲間より先に情報開示するわけもないし、不自然だ。
「いや、偶然なんだけどね? 私が荒野を彷徨ってる時に聖獣なるものがつっかかってきてね? 私の幻影曰く、どうやら私のただならぬオーラに導かれて突撃してきたみたいだ。私は仕方なくクトゥルフの鷲掴みでよしよしして弱らせて、コタツで確保した。ここまでは良い?」
「まだ噛み砕けてないのも多いですけど、大体は」
「なら続けるね? 取り敢えず聖獣は聖典側に与してる相手に手渡すのが良いだろうと私は聖典プレイヤーを探した。人の多いところに行けば居るだろうと港町に向かったよ。コタツで」
「コタツで!?」
【そらびっくりしますわ】
【コタツで荒野と海原を超えた件】
【パワーワードなんだよなぁ】
「そこでとろサーモン氏に遭遇して聖獣を押し付けた」
「うわぁ、よりによって彼ですか。突っかかっていきませんでした?」
「めちゃくちゃ私怨ぶつけて来たよ?」
「やっぱり」
「でもほら、私の領域展開って展開範囲の武器、スキル、霊装、フレーバーアイテム、プレイヤー、幻影、テイムモンスターを取り込むじゃない?」
「正直に言いますけどそれってチートですよね?」
「ははは取り込んでも扱えなければ意味がないよ」
「それは確かにそうですけど。でもそれで彼を丸め込んだのでは?」
「武器と宝貝を奪っただけだよ?」
「十分な戦果ですよ。僕だって切り札奪われたら打つ手ないですもん。スジャータと離れ離れになったらどうして良いか……」
「まぁ、それはともかく。奪った武器が何かに反応したんだ」
「今決して流しちゃいけない情報が流れていきましたけど、それが件の霊樹だった?」
「その通り。聖典側の武器、というか神格武器に反応するトリックだ。しかし私達は魔導書陣営。少しでもそれらしい反応が出たら霊樹のそばから遠ざけられてしまう仕掛けがあった」
「なるほど、敵対陣営を遠ざける効果があると?」
「うん。私の見つけた拠点の一つも突然現れたからその場所も霊樹の一つだと思うんだけどそれっぽいものが見つかってなくてね」
「待って待って待って、情報が多すぎる。え、さっき教えてもらった情報ってもしかしてやばい類のやつでは?」
「その情報をどう扱うかはとりもち氏に任せるよ。で、霊樹の件に戻るね?」
「はい」
「その霊樹って、実は目に見えない場所にたくさん隠されてるみたいでさ、それがあるおかげでこの世界に人間が住み着けるらしいんだよ。そして魔導書陣営の侵食を防ぐ場所にもなっているらしい」
「重要施設じゃないですか!」
「うん、ちなみにその一つをね、ナイアルラトホテプが燃やしてしまった」
「何してるんですか!」
「本当にすまないと思っている。シェリルにも呆れられてしまったよ」
【よく政治家が謝罪する態度だ】
【たいしてすまないと思ってなさそうなところがそっくりや】
【呆れられてるで済まされない案件】
「当たり前じゃないですか! ただでさえこっちが不利なのに」
「ただこの件は悪いことばかりじゃない。その逆もまた然りではないかな?」
「つまり神格を呼び出せるアイテム次第では聖典側も魔導書側の重要施設の破壊が可能と?」
「その可能性もまたあるとだけ伝えておくよ。ただ霊樹も一筋縄で行かなくてね。それらしいポイントを見つけても一度の敗北を糧に成長したらしくて二度目は私たちの前に姿を現してくれなかった」
「そりゃそうですよ。って言うかやばい情報を聞いてしまって気が気じゃないんですが。これって聖典側に拡散しちゃって良いんですよね?」
「引き止めはしないよ。こちらも有益な情報を得られたものだからそのお返しにね?」
「それを言われるとどのタイミングで落とすか躊躇うな。掲示板のネタとしてとっておくのがベストか?」
【厄ネタなんだよなぁ】
【もはやアキカゼさんの情報開示のタイミングが嫌がらせでしかないッピ】
【今回だけの開示情報でどれだけの聖典陣営が守りの姿勢に入るか見ものだな】
【これ、魔導書側がより勢いづくだけのネタじゃねぇ?】
【言えてる】
何やら頭を抱えてしまうとりもち氏。
さっさと公開しちゃえば良いのに、こう言うところは生真面目なんだよね、彼。
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「第二の現実だ」とまで言わしめた世界。
Bless for Travel
そんな世界に降り立った開発者の息子は……病弱だった。
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
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主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
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襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
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晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
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卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
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リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
余暇人のVRMMO誌〜就活前にハマっていたマイナーゲームにログインしなくなって五年、久しぶりにインしたら伝説になってた〜
双葉 鳴|◉〻◉)
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向井明斗25歳。通院中、会社からかかってきた要件は、これ以上業務を休むならもう来なくていいと言う実質上の首切り宣言だった。
就職難で漸く拾ってくれた会社にそれこそ身を粉にして働き、その結果が通院処分。精神と肉体を磨耗した明斗は、通院帰りに立ち寄ったゲームショップで懐かしいタイトルを発見する。
「New Arkadia Frontier」
プレイヤーを楽しませる要素を徹底的に廃し、しかしながらその細かすぎるくらいのリアルさに一部のマニアが絶賛するクソゲー。
明斗もまたそのゲームの虜になった一人だった。
懐かしさにそのタイトルをレジに持っていこうとして立ち止まる。あれ、これって確かPCゲームじゃなかったっけ? と。
PCゲームは基本、公式ホームページからのダウンロード。パッケージ販売などしていない筈だ。
おかしいぞとパッケージを見返してみれば、そこに記されていたのはVR規格。
たった五年、ゲームから離れてるうちにあのゲームは自分でも知らない場所に羽ばたいてしまっていた。
そもそも、NAFは言わずと知れたクソゲーだ。
5年前ですらサービス終了をいつ迎えるのかとヒヤヒヤしていた覚えがある明斗。一体どんなマジックを使えばこのゲームが全世界に向けてネット配信され、多くのプレイヤーから賞賛を受けることになるのか?
もはや仕事をクビになったことよりもそっちの方が気になり、明斗は当時のネーム『ムーンライト』でログインする事に。
そこでムーンライトは思いがけずそのゲームの根幹を築いたのが自分であることを知る。
そこで彼が見たものは一体なんなのか?
──これはニッチな需要を満たし続けた男が、知らず知らずのうちに大物から賞賛され、大成する物語である。
※この作品には過度な俺TUEEEE、無双要素は設けておりません。
一見して不遇そうな主人公がニッチな要素で優遇されて、なんだかんだ美味い空気吸ってるだけのお話です。
なお、多少の鈍感要素を含む。
主人公含めて変人多めの日常風景をお楽しみください。
※カクヨムさんで先行公開されてます。
NAF運営編完結につき毎日更新に変更。
序章:New Arkadia Frontierへようこそ【9.11〜9.30】19話
一章:NAF運営編【10.2〜10.23】23話
二章:未定
【お知らせ】
※10/10予約分がミスで11/10になってたのを10/11に確認しましたので公開にしておきました。一話分飛んでしまって申し訳ありません。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
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【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
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一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
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