上 下
284 / 497
4章 お爺ちゃんと生配信

248.お爺ちゃん達とvsヤマタノオロチ8

しおりを挟む
【こうやってみるとやっぱムーの巨大化って普通にやばいよな】
【なんでそう思う?】
【武器や防具まで巨大化するじゃん?】
【ああ、それは確かにあるな】
【アトランティスはメカ用の武器は生身で持てないし】
【普通はそうでしょ】
【ムーの強みはむしろそれくらい?】
【そこにスタンピードと精霊使いがあるから怖いんだよ。特にこれだけ広いフィールドだと暴れたい放題だろ?】
【だが現実は非情である】
【黄緑の首の物理反射はクソ】
【ビームは貫通するだろう?】
【桃色「させると思う?」】
【仲良しだから一緒に生えてくるしな】
【逆にこのモードの首のパターンを解析中の精巧超人の苦労が浮かばれる日が来るのか】
【完全ランダムで良いじゃん、もう】
【しかしアキカゼさん達も結構持つよな】
【ここまで来れずに詰むプレイヤーも多いと言うのに】
【なんだかんだ実力あるよ、この人達。一緒に戦おうって気にはなれないけど】
【バトルの方向性が逆だもんな。俺たちならついていけねーもん】
【これでただテイムしに来てるだけって言うのがなんとも】
【討伐じゃないからテイムできるまで終わらないんだよなぁ】
【あ、普通に討伐しちゃったな】
【乙】
【お疲れ様ー】
【おめでとー】
【普通はここで完結するんだけどな】
【くまがめっちゃ焦ってる】
【止めくまだもんな。そりゃ焦る】
【ざまぁ!】
【いや、あれは白も生えてたからナイスフォローだったよ】
【放置すればまた耐久回復されるしね】
【あ、何事もなかった様にテイク2に入ったぞ】
【草】
【まるでついさっきの出来事を無かった様な素振りで連戦しやがった】
【経験値が美味いでもなきゃ連戦したくねー相手だろうに】
【アキカゼさん的にはテイムできるまで帰れませんから】
【アウルが呆れた様な目でアキカゼさん見てるぞ】
【そりゃメカはエネルギー補給しなきゃ長期戦無謀だし】
【実際ムササビが電池役してれば永久機関じゃね?】
【そういう問題じゃなくて……ログイン時間平気かって意味で】
【とりま三回戦までやってダメだったら翌日だろ】
【まさかここまで長丁場になるとは誰が思っただろうか】
【むしろ討伐タイムが4時間切ってて精巧超人より早いのに、本人達はそれに気づいてないからな】
【草】
【完全に目的が違うからな】
【もはやレアアイテム獲得より難易度高いだろ、テイムって】
【そうだよ。過去二回が奇跡なくらいだ。ヘビーをテイムしたやつだって挑戦回数20回目でだぞ?】
【ヘビーはパターン覚えれば楽じゃん】
【でもミラージュで転身するの知られてなきゃ無理ゲー感あったし、あの配信自体はプレイヤーの成長に貢献してくれてるんだよな】
【むしろこの配信自体情報の宝庫だろ】
【なお配信者自体がそれをどうでもいいかのように扱ってる模様】
【アキカゼさん、情報で金儲けする気ないから】
【むしろ金に困ってないだろこの人】


 さて、外野が煩いですが仕切り直しです。
 え、テイク3じゃないのかって?
 さっきまでは白昼夢を見ていたんですよ。
 確かにヤマタノオロチの巨体は既視感がありますが気のせいでしょう。
 その割にEBPがどちらも30%を切っている?
 そんな時もあります。


「そう言えばお酒はアイテムバッグに入れられるみたいなので、今度からはくま君が持ってください」

「くまー、さっき失敗したのに任せてもらっちゃって良いくまー?」

「さっき? 今回が初めてですよね?」

「あ、この人記憶消しましたよ。自分に都合の悪い記憶は全部消す方向でいく様だ。まったく、そう言うところですよ?」

「とーちゃんより、厄介な性格くまー」


 私のテイム枠は空きっぱなし。
 だからテイムできてなければまだ挑戦前だ。


「アキカゼさん、多少はメカニックの補給のことも考えてくださいよ」

「じゃあアウル君達は前半は師父氏と一緒に隠れてて良いよ。ジキンさんに聞いた話じゃ、エネルギーは格納庫に入れてる間は勝手に補給されるのだろう?」

「そりゃそうですけど、完全に補給されるまで40分はかかりますよ?」

「そこは私のビームソードとジキンさんとくま君のキャッチボールに任せてくれ給え。どうせ火力が一人減るんだ。それだけ時間もかかるだろう」

「アウル、アキカゼさんは自分の意思は死んでも曲げねぇ人だ。多分、お前の親父と一緒のタイプだぜ?」

「だよね、なんとなくはわかってましたけど。はぁ」


 何故だか呆れられてしまった様だ。


「ならば事前にこれを渡しておこう」


 そう言って師父氏はムササビ君とアウル君にリュックサックを手渡していた。くま君が使っていたものと同じやつなら光学迷彩が施されてるやつだっけ?


「ありがとうございます。これ、姿隠してる間、身動きは?」

「あまり推奨していない。なのでワシが直に拾いに行く。レムリアのレーダーはレムリア産のアイテムも探知できる故、離れてなければそう手間でもあるまい。使い方を教えよう」


 師父氏の手解きによって、メカニック組の安全は確保され、私たちは再びヤマタノオロチに対峙する。
 しかしその日はトータル三回やってもテイムする事は出来ずにいた。

 どれだけ嫌われているのだろうか?
 それともテイムするにはまた違うギミックが必要とか?
 いやいや、そんな筈は……


 まだあの祠に何か隠されている?
 そう考えたら気になって仕方がない。
 その日はみんなと別れて、私一人だけになった。
 配信も切ったし、完全にオフだ。

 勝った時は特になんの変哲もなかった祠だったが、試しにソロで挑んで負けてみたところ、新たなギミックが解放されたのだ。

 まさか負ける回数でヒントが増える仕掛け?
 いやらしい仕掛けを考えるものだ。
 しかし新しいギミックの奥にあった壁画は私に天啓をもたらしてくれた。

 それこそが、虹首を残したまま他の首を全て落とした場合、正気を取り戻すと言うストーリーだった。

 〝正気を取り戻す〟
 つまり戦闘中は正気を失っている?

 ……何によって?
 その原因を解明するまでテイムができないとなると正直厄介だ。それに私の趣味に付き合わせるみんなにも悪い。

 アウル君やムササビ君は気のいい若者だ。
 くま君だってジキンさんに誘われてきてもらっている。


 私は次の挑戦を3日後と連絡し、それとは別にどざえもんさんと探偵さんに連絡を入れた。

 ファイベリオンの遺跡の、その奥を探索したいとメッセージを添えて。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!

ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。 ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。 そしていつも去り際に一言。 「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」 ティアナは思う。 別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか… そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

もう初恋の夢は見ない

あやむろ詩織
恋愛
ソフィアは初恋の相手である1つ上のクリフと婚約関係にあった。 しかし、学園に入学したソフィアが目にしたのは、クリフが恋人と睦まじくする姿だった。 嘆き悲しむソフィアは、同じ境遇の公爵令嬢カレナに出会って……。 *小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しております。

【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。

西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。 路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。 実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく――― ※※ 皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。 本当にありがとうございました。

【完結】記憶を失くした旦那さま

山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。 目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。 彼は愛しているのはリターナだと言った。 そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

カティア
ファンタジー
 疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。  そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。  逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。  猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。

【本編完結】五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!

七海美桜
恋愛
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。 この作品は、小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...