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4章 お爺ちゃんと生配信
235.お爺ちゃん達とvsヒュプノ①
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「ねぇ、今回も僕たちだけでやるんですか?」
サードウィルの喫茶店で、調理アイテムを補充しながら打ち合わせをする。
まだ配信は始まってないのでここでは本音で話し合える。
しかし目の前の犬のハーフビーストは開口一番弱気な発言をしてきた。
「当たり前でしょう? なに他人に頼る前提なんですか。見せつけるのでしょう、世間にジキンという男の生き様を」
「規模の問題ですよ! 前回もそうですけどね、まさか二人っきりでやるとか思わないじゃないですか!」
確かに配信受けを狙ったところがあるのは認めよう。
しかし一匹目は無事に捕まえられたんだから少しは自信を持って欲しいものだ。
「確かにカネミツ君に教えてもらった前情報を見てみる限りじゃ分が悪い」
「でしょう?」
「しかしこちらも広いフィールドで暴れ回れる相棒がいる。そして運が良ければそれがもう一匹増えるわけです」
「あの巨大生物を同じフィールドに解き放つとか正気ですか?」
「正気だとも。しかも私以外取り扱ってる配信者がいないのであれば尚更だよ」
「すっかり配信前提の発言になってるの自覚してます?」
「そうだね。逆に言えば私の独りよがりのプレイをここまで面白おかしく見てくれている人に感謝の念を送りたいほどだ。開始当初は見向きもされないと思っていたからね。フォローしてくれた家族に感謝だな」
「その家族が認める珍プレイを乱発してる人が何か言ってますね」
話は平行線。あれこれ言い合っても無駄だと分かったので作戦を練る。
「ちなみにジキンさんのメカはバッターとピッチャー以外にどんなのがいるんですか?」
「ランナーです」
「本当に野球縛りなんですね……」
「力、頭脳、スピード! この三位一体こそが最強だと信じてます」
「なんか合体しそうなワードですけど」
「僕にそんな芸当できると思います?」
「ですね。ジキンさんはどうかそのままでいてください」
結局作戦らしい作戦など碌に立てず、ぶっつけ本番となる。
どうも私達はあれこれ考えるより身を任せた動きの方が得意なのではないかという気がしてきた。
そこら辺は第一世代の特徴……なんて言うと妻やランダさんから反感を買いそうだけど、私とこの人は特にそうだと思う。
◇
「はい、今回も始まりました。第二回、古代獣テイミングチャレンジの時間です。実況のアキカゼ・ハヤテと」
「実況してないであなたも戦うんですよ! フレンドのジキンでお送りします」
【来た!】
【待ってた!】
【また二人?】
【流石に無謀じゃね?】
【流石に今回はフルパーティで行かないとヤバいやろ】
【ヨルムンガンドvsヒュプノが見られるってほんとですか?】
【草】
「そうですねー。ですが皆さん、古代獣はABPというゲージを使って召喚されます。ゲージは100%で計算されますが、1秒で1%減ります。つまり最大で100秒しか出せず、もう一回出すにはABPをある程度回復させる必要があったりします」
【知ってた】
【そりゃレイドがずっと使えるわけないもんな】
【ABPってEN依存だったりしますか?】
「しません。自然回復ですね。1秒で1%です。なので小出しにして使う感じです」
【そっかー、じゃあ無理に狙う必要もないのか】
【テイム出来たらラッキーかと思ったけど、枠食う割に使い勝手悪いとか最悪だな】
【先に知れてよかったと思おうぜ】
【普通はテイムどころか討伐も無理なんだぞ?】
【第一回でそれを成し遂げてるんだよなぁ】
【流石ハヤテさん。持ってる~】
今コメント欄にスズキさん居なかった?
気のせいかな。私をアキカゼの方で呼ばずに名前の方で呼ぶ人ってあまり居ないんだよね。
今のところジキンさんかスズキさんくらいだから。
そしてサードウィルの街を出て森に入る少し前。
そこに古代獣ヒュプノの領域があった。
最初に目にしたのは巨大な顔。
そして手足だ。
ヒュプノは古代獣といっておきながらモチーフは蛙だった。
物理無効のボディに魔法を反射する手のひら。
大きな口はビーム以外の一切を遮断する。
ただし口を開く時は向こうが攻撃してくる時。
巻きつけてくるベロは捕まって飲み込まれるとそのままキルされるので注意だ。
ただし対象がなくても大地ごと巻き取ってその道連れでキルされる事もある。
次に吸い込み攻撃。これも捕まったらキルされる。
ビームこそ打ってこないが、攻撃方法が多彩で、こっちがダメージを与えるチャンスは相手が口を開けた時のみというある意味では分かりやすい相手ではある。
だからこそ序盤は打つ手がない。
せめて無駄死にしない様にジキンさんを背負ってショートワープを繰り返した。
でもこのショートワープ自分しか移動できないんだよね。
ジキンさんがだいぶ後ろの方で叫んでたので回収したりしながら逃げ回っていく。
【アキカゼさん、サブマスを見捨てるの図】
【知らないのか? ショートワープは自分専用】
【レムリアのテレポーターじゃないんだから、スキルの方はそこまで万能じゃないぞ】
【お前テレポーターの何知ってるんだ? テレポーターだって防御捨ててあの性能だからな? ソードマスターやガンスリンガーと一緒にしない方がいい】
「私もある意味では防御捨ててますね。テレポーターさんには親近感を覚えます」
【アキカゼさんは防御どころか攻撃も捨ててるでしょ?】
【パッシヴ極は伊達じゃない!】
「それを言われると辛いねぇ。ほらジキンさんジャンプ」
「うわぁあ! 急にはやめてくださいよ、心臓に悪い!」
私はショートワープでどうにもなるので、重力を軽くしたジキンさんを緊急脱出で上空にスポーン、と風操作で飛ばした。
スレスレの場所を舌の巻きつき攻撃が飛び、空間を掴んで巻き取られる。
ヒュプノの攻撃で怖いのはこれだ。
場所や空間問わず掴める舌が根こそぎフィールドを捻じ曲げるのだ。
真上にすっ飛ばして巻き取られそうになってるジキンさんを風操作で上下左右にぐるぐると操って巻き込み攻撃の範囲外へ押し出した。
その結果、気分最悪のジキンさんが恨み節でこちらを睨んでくる。
いくらSTとAPを温存したいからって、移動を私に任せるからこうなるんですよ?
「おぅえええええ、まだ目が回ってます。人を物の様に扱うなとあれほど……」
「でも助かったじゃない。まず先に感謝をして欲しい物だよね」
「はいはい、助かりましたよ。もうハヤテさんに頼むのは辞めます。まだ自分で移動した方が良い」
「あとでAPが尽きたと泣き言をいっても聞く耳持ちませんよ?」
「ぐぬぬぬ……」
【サブマスめっちゃ辛そう】
【そりゃ移動の主導権を他人に委ねたらそうなるわ】
【普通はあそこまでお手玉よろしく振り回さないけどな?】
【多少の悪意が見え隠れしてるんだよなぁ】
【それかウケ狙いか】
【見てる分には楽しいけど、体験はしたくないわ】
【激しく同意】
さて、この巻き込み攻撃。
ただ吸って終わりではない。
この後に来る攻撃が本命だったりするのだ。
「来ます!」
ヒュプノは苦しそうな顔で、先程のジキンさんと同じように吐瀉物を放出した。
吐き出されたのは先程の空間。
しかしその空間はすでにヒュプノの掌握領域。
ヒュプノの唾液がべっとり染み込んだその空間は……餌を絡めとり、身動きを取れなくする。そんな場所を攻撃のたびに増やしながらじわり、じわりと私達は逃げ場を失っていくのだ。
かつて暴走し、サードウィルを飲み込んだ悪夢は、私達の前に立ちはだかり、その時の恐怖を再現しようとゲロゲロと嗤い出した。
サードウィルの喫茶店で、調理アイテムを補充しながら打ち合わせをする。
まだ配信は始まってないのでここでは本音で話し合える。
しかし目の前の犬のハーフビーストは開口一番弱気な発言をしてきた。
「当たり前でしょう? なに他人に頼る前提なんですか。見せつけるのでしょう、世間にジキンという男の生き様を」
「規模の問題ですよ! 前回もそうですけどね、まさか二人っきりでやるとか思わないじゃないですか!」
確かに配信受けを狙ったところがあるのは認めよう。
しかし一匹目は無事に捕まえられたんだから少しは自信を持って欲しいものだ。
「確かにカネミツ君に教えてもらった前情報を見てみる限りじゃ分が悪い」
「でしょう?」
「しかしこちらも広いフィールドで暴れ回れる相棒がいる。そして運が良ければそれがもう一匹増えるわけです」
「あの巨大生物を同じフィールドに解き放つとか正気ですか?」
「正気だとも。しかも私以外取り扱ってる配信者がいないのであれば尚更だよ」
「すっかり配信前提の発言になってるの自覚してます?」
「そうだね。逆に言えば私の独りよがりのプレイをここまで面白おかしく見てくれている人に感謝の念を送りたいほどだ。開始当初は見向きもされないと思っていたからね。フォローしてくれた家族に感謝だな」
「その家族が認める珍プレイを乱発してる人が何か言ってますね」
話は平行線。あれこれ言い合っても無駄だと分かったので作戦を練る。
「ちなみにジキンさんのメカはバッターとピッチャー以外にどんなのがいるんですか?」
「ランナーです」
「本当に野球縛りなんですね……」
「力、頭脳、スピード! この三位一体こそが最強だと信じてます」
「なんか合体しそうなワードですけど」
「僕にそんな芸当できると思います?」
「ですね。ジキンさんはどうかそのままでいてください」
結局作戦らしい作戦など碌に立てず、ぶっつけ本番となる。
どうも私達はあれこれ考えるより身を任せた動きの方が得意なのではないかという気がしてきた。
そこら辺は第一世代の特徴……なんて言うと妻やランダさんから反感を買いそうだけど、私とこの人は特にそうだと思う。
◇
「はい、今回も始まりました。第二回、古代獣テイミングチャレンジの時間です。実況のアキカゼ・ハヤテと」
「実況してないであなたも戦うんですよ! フレンドのジキンでお送りします」
【来た!】
【待ってた!】
【また二人?】
【流石に無謀じゃね?】
【流石に今回はフルパーティで行かないとヤバいやろ】
【ヨルムンガンドvsヒュプノが見られるってほんとですか?】
【草】
「そうですねー。ですが皆さん、古代獣はABPというゲージを使って召喚されます。ゲージは100%で計算されますが、1秒で1%減ります。つまり最大で100秒しか出せず、もう一回出すにはABPをある程度回復させる必要があったりします」
【知ってた】
【そりゃレイドがずっと使えるわけないもんな】
【ABPってEN依存だったりしますか?】
「しません。自然回復ですね。1秒で1%です。なので小出しにして使う感じです」
【そっかー、じゃあ無理に狙う必要もないのか】
【テイム出来たらラッキーかと思ったけど、枠食う割に使い勝手悪いとか最悪だな】
【先に知れてよかったと思おうぜ】
【普通はテイムどころか討伐も無理なんだぞ?】
【第一回でそれを成し遂げてるんだよなぁ】
【流石ハヤテさん。持ってる~】
今コメント欄にスズキさん居なかった?
気のせいかな。私をアキカゼの方で呼ばずに名前の方で呼ぶ人ってあまり居ないんだよね。
今のところジキンさんかスズキさんくらいだから。
そしてサードウィルの街を出て森に入る少し前。
そこに古代獣ヒュプノの領域があった。
最初に目にしたのは巨大な顔。
そして手足だ。
ヒュプノは古代獣といっておきながらモチーフは蛙だった。
物理無効のボディに魔法を反射する手のひら。
大きな口はビーム以外の一切を遮断する。
ただし口を開く時は向こうが攻撃してくる時。
巻きつけてくるベロは捕まって飲み込まれるとそのままキルされるので注意だ。
ただし対象がなくても大地ごと巻き取ってその道連れでキルされる事もある。
次に吸い込み攻撃。これも捕まったらキルされる。
ビームこそ打ってこないが、攻撃方法が多彩で、こっちがダメージを与えるチャンスは相手が口を開けた時のみというある意味では分かりやすい相手ではある。
だからこそ序盤は打つ手がない。
せめて無駄死にしない様にジキンさんを背負ってショートワープを繰り返した。
でもこのショートワープ自分しか移動できないんだよね。
ジキンさんがだいぶ後ろの方で叫んでたので回収したりしながら逃げ回っていく。
【アキカゼさん、サブマスを見捨てるの図】
【知らないのか? ショートワープは自分専用】
【レムリアのテレポーターじゃないんだから、スキルの方はそこまで万能じゃないぞ】
【お前テレポーターの何知ってるんだ? テレポーターだって防御捨ててあの性能だからな? ソードマスターやガンスリンガーと一緒にしない方がいい】
「私もある意味では防御捨ててますね。テレポーターさんには親近感を覚えます」
【アキカゼさんは防御どころか攻撃も捨ててるでしょ?】
【パッシヴ極は伊達じゃない!】
「それを言われると辛いねぇ。ほらジキンさんジャンプ」
「うわぁあ! 急にはやめてくださいよ、心臓に悪い!」
私はショートワープでどうにもなるので、重力を軽くしたジキンさんを緊急脱出で上空にスポーン、と風操作で飛ばした。
スレスレの場所を舌の巻きつき攻撃が飛び、空間を掴んで巻き取られる。
ヒュプノの攻撃で怖いのはこれだ。
場所や空間問わず掴める舌が根こそぎフィールドを捻じ曲げるのだ。
真上にすっ飛ばして巻き取られそうになってるジキンさんを風操作で上下左右にぐるぐると操って巻き込み攻撃の範囲外へ押し出した。
その結果、気分最悪のジキンさんが恨み節でこちらを睨んでくる。
いくらSTとAPを温存したいからって、移動を私に任せるからこうなるんですよ?
「おぅえええええ、まだ目が回ってます。人を物の様に扱うなとあれほど……」
「でも助かったじゃない。まず先に感謝をして欲しい物だよね」
「はいはい、助かりましたよ。もうハヤテさんに頼むのは辞めます。まだ自分で移動した方が良い」
「あとでAPが尽きたと泣き言をいっても聞く耳持ちませんよ?」
「ぐぬぬぬ……」
【サブマスめっちゃ辛そう】
【そりゃ移動の主導権を他人に委ねたらそうなるわ】
【普通はあそこまでお手玉よろしく振り回さないけどな?】
【多少の悪意が見え隠れしてるんだよなぁ】
【それかウケ狙いか】
【見てる分には楽しいけど、体験はしたくないわ】
【激しく同意】
さて、この巻き込み攻撃。
ただ吸って終わりではない。
この後に来る攻撃が本命だったりするのだ。
「来ます!」
ヒュプノは苦しそうな顔で、先程のジキンさんと同じように吐瀉物を放出した。
吐き出されたのは先程の空間。
しかしその空間はすでにヒュプノの掌握領域。
ヒュプノの唾液がべっとり染み込んだその空間は……餌を絡めとり、身動きを取れなくする。そんな場所を攻撃のたびに増やしながらじわり、じわりと私達は逃げ場を失っていくのだ。
かつて暴走し、サードウィルを飲み込んだ悪夢は、私達の前に立ちはだかり、その時の恐怖を再現しようとゲロゲロと嗤い出した。
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