214 / 497
3章 お爺ちゃんと古代の導き
186.お爺ちゃんの地下ルート散歩①
しおりを挟む
ひさしぶりにどざえもんさんと会って、色々お話しする機会を得たので、さわりだけ私は地下ルートを体験する事になった。
案内役はどざえもんさん本人だ。
専用の防護服を纏い、程よく吸水する事が義務付けられる。
場所はセカンドルナとサードウィルを隔てるように囲む山の一つ。火山口を降りて行き、マグマの流れる横穴に妖精の隠れ里があると言う。
そこは発見者以外いけないし、天空ルートの契約者は見つけられない仕組みらしい。仲が悪いんだろうか?
それとも別の理由があるのか?
どちらでもいいか。そう言うものだと思えば諦めがつく。
彼曰く、天空ルートは試練と称されているのに対し地下ルートは契りとして契約を前提に進むらしい。
地下に住む種族は龍神族で、地脈石という空導石の地下版にタッチしてから赴かないとエネミーとして排除されるとこぼしていた。
そういう意味ではいきなり攻撃されないだけ天空ルートはマシだったか。そもそも赤の禁忌は今でこそ乗り物だったけど、昔は普通にヘイト稼ぐと攻撃してくるボスだったよなと思い出す。
そう考えれば難易度はどっこいどっこいなのかもしれない。
「ここが地脈石だ」
どざえもんさんが指し示したのはマグマの海から映える巨大な石の塊だった。
中央は窪んでおり、炭化したマグマが脈のように張り付いている。赤々としたマグマの熱気で脈打つように光っていた。
ちなみにこの場所まで橋をかけて安全にたどり着けているが、シェリルが参加するまで、マグマの海しかないと言うのだからその難易度の高さが窺えるだろう。
よくこんな場所の開拓したよねと褒めたら苦笑された。
どざえもんさんにとっては天空ルートの方が足場がなくて大変だろうと言われた。確かにあそこは足場がないんだよね。
苦労したと言われたら苦労はしたけど、大前提が雲の上に乗れることと空を飛べる事だったもんなぁ。
それに比べてこっちは耐熱を鍛えればなんとかなるんだとドワーフスマイルを寄越してくれるどざえもんさん。
正直に言えば熱の耐性持ってる種族でも耐えられないでしょ、これ。そう思う私は正常だ。
ちなみに水操作★と氷作成はやるだけ無駄だった。
焼け石に水という言葉通り無駄にAPを消費するだけだった。
「なんとも幻想的だ。記念に写真を一ついいかな?」
「構わないが、フレーバー含めて表に情報は出てるぞ?」
「ええ、それはどうだっていいんです」
「?」
どざえもんさんにはわからないかな?
蓄積してきたフレーバーの数によってルートが分岐すると。
そして案の定、ナビゲートフェアリーが反応する。
丁度地脈石を加工用に取り巻き、あまり地脈石に触れないようにしていた。
空導石の方は契約を取り付けたので安定してるが、もしかしてこっちはイベントを進めてないのだろうか?
ちょっと聞いてみようか。
「どざえもんさん、この地の妖精と地脈石の定期的な契約をしましたか?」
「いや。天空と違って地脈石は安定してるからな。龍神族が統治していた地域だし、シェリルさんの呼びかけで多くのプレイヤーが入ってきた。だがアキカゼさんはこいつを見て違和感があると言うんだな?」
「そうですねぇ。けど気のせいかもしれないし」
「いや、実際のところ地脈石の力は弱まりつつあるんだ。龍神族の巫女は祈祷を頑張ってくれてるが、一向に回復の兆しを見せないと困り果てている」
「ああ、天空でも同じことあったんですよ」
「じゃああのワールドアナウンスはやはり?」
「はい」
「それに妖精が関係あると?」
「私の時はそうでした。それに地脈石周辺のナビゲートフェアリーの動きが変なんですよね」
「変?」
私の言葉に流されて、起動したナビゲートフェアリーを見てどざえもんさんも目を丸くした。
「なんだこりゃ! 地脈石に妖精が居着いて無いじゃないか!」
「あ、やっぱりそうなんですね」
通りで地脈石の力が弱まるわけだよとどざえもんさんは天を仰いだ。
てっきりこれが普通の状態だと思っていたが、彼の反応を見る限り違う様だ。
「と、俺は早速妖精のところに行ってくるが、アキカゼさんはどうする?」
「そこら辺を探検してるよ」
「調べ尽くしたから新しい発見はないと思うが、だからといって指を咥えて黙ってる性分じゃないか」
「そう言うこと」
どざえもんと分かれて一人地脈石の周囲を眺める。
重力操作★で防護服込みの重力を0にし、風操作で浮き上がる。
「て、うわっ!」
マグマから湧き立つ熱気で上昇気流が発生している。
勢い余って背中を打ちつけそうになったよ。
重力操作★で体重を気持ち増やしつつ、私は前進した。
まずは地脈石の裏側をパシャリ。
側面をパシャリ。
天井をパシャリ……ん?
天井に奇妙な亀裂があった。
指でその場所に触れようとすると、突如吹き出した風と共に私の体は地脈石へと叩きつけられてしまう。
私がマグマの海から這い出して、地脈石の近くの端に縋り付くと、別にそこは何事もなかったように元通りになっている。
「いったいなんなんだ? あの亀裂は」
調べ尽くしてたんじゃないの? 内心で愚痴りながら酷い目に遭ったよと嘆息する。
実際に触れないなら仕方ない。取り出したりまするはレムリアの器。水操作★を乗せて亀裂に向かって何発か打ち込んでみる。
だが特に何も起こらず、じゃあ氷作成で内側に氷を作ったら変化が起きた。
ブシュウウウ!!
まるでガスでも発生したかのように、亀裂から吹き出した気体にマグマが引火する。続いてドォン! という爆発音が亀裂の向こう側からした。
音は次第に近づいて、耳を塞ごうと両手に耳を置いたときに空間が凍りつき、そしてハンマーで砕け散るように景色が入れ替わった。
「エネミー反応? なんでこんなところで!?」
今の私は観光気分。まさかこんなところで戦闘に巻き込まれるとは思わず慌てて周囲を見回した。
視線の先にはどざえもんさんとやたら光ってる妖精を目視。
そう言えばミーもこんな風によく見えない造形だったなと思い出す。声も直接脳内に聞こえてくる仕様で言語チャンネルが合わずで翻訳ができないのだ。
それよりも丁度よかった。
「凄い音したけど何かしたのか? 調べ尽くした筈だったんだがな」
「丁度地脈石の真上に亀裂があるでしょう?」
「ああ、あるな。でもあれはただのそれっぽい窪みだろう?」
「あの穴に水いっぱい入れて凍らせたら突然爆発したんです」
「何やってんだ? 本当に何やってるんだ、あんた!?」
普通気になったからって穴に水を入れたり凍らせたりなんてしないぞ!? と呆れた言葉を頂いた。出来ることからやっただけですよ。私は一般的な攻撃手段を持ちませんから。
威張れる事じゃありませんが。
「爆発の原因はわからんが、さっき戦闘フィールドに入ったのはなんだ?」
「それがよくわからないんですよ。爆発がこっちに近づいてきたと思ったらエネミー反応があったんですが、姿が見えずで」
「姿が見えない……妖精か?」
「どうもそれっぽいですね。あの穴に迷い込んで迷子になってたんでしょうか?」
「そんな場所に迷い込んだ妖精もバカだが、どこかの誰かさんもバカな真似をしたものだ」
どざえもんさんは私が一方的に決め付けてるが、解せない。
私はただ興味が向いた方に全力で取り組んで居るだけだよ。
「妖精を連れてきて正解だな。俺の相棒は敵の姿が見えてるようだ」
「それでは相手が何を求めてるか交渉と行きますか」
「だな」
案内役はどざえもんさん本人だ。
専用の防護服を纏い、程よく吸水する事が義務付けられる。
場所はセカンドルナとサードウィルを隔てるように囲む山の一つ。火山口を降りて行き、マグマの流れる横穴に妖精の隠れ里があると言う。
そこは発見者以外いけないし、天空ルートの契約者は見つけられない仕組みらしい。仲が悪いんだろうか?
それとも別の理由があるのか?
どちらでもいいか。そう言うものだと思えば諦めがつく。
彼曰く、天空ルートは試練と称されているのに対し地下ルートは契りとして契約を前提に進むらしい。
地下に住む種族は龍神族で、地脈石という空導石の地下版にタッチしてから赴かないとエネミーとして排除されるとこぼしていた。
そういう意味ではいきなり攻撃されないだけ天空ルートはマシだったか。そもそも赤の禁忌は今でこそ乗り物だったけど、昔は普通にヘイト稼ぐと攻撃してくるボスだったよなと思い出す。
そう考えれば難易度はどっこいどっこいなのかもしれない。
「ここが地脈石だ」
どざえもんさんが指し示したのはマグマの海から映える巨大な石の塊だった。
中央は窪んでおり、炭化したマグマが脈のように張り付いている。赤々としたマグマの熱気で脈打つように光っていた。
ちなみにこの場所まで橋をかけて安全にたどり着けているが、シェリルが参加するまで、マグマの海しかないと言うのだからその難易度の高さが窺えるだろう。
よくこんな場所の開拓したよねと褒めたら苦笑された。
どざえもんさんにとっては天空ルートの方が足場がなくて大変だろうと言われた。確かにあそこは足場がないんだよね。
苦労したと言われたら苦労はしたけど、大前提が雲の上に乗れることと空を飛べる事だったもんなぁ。
それに比べてこっちは耐熱を鍛えればなんとかなるんだとドワーフスマイルを寄越してくれるどざえもんさん。
正直に言えば熱の耐性持ってる種族でも耐えられないでしょ、これ。そう思う私は正常だ。
ちなみに水操作★と氷作成はやるだけ無駄だった。
焼け石に水という言葉通り無駄にAPを消費するだけだった。
「なんとも幻想的だ。記念に写真を一ついいかな?」
「構わないが、フレーバー含めて表に情報は出てるぞ?」
「ええ、それはどうだっていいんです」
「?」
どざえもんさんにはわからないかな?
蓄積してきたフレーバーの数によってルートが分岐すると。
そして案の定、ナビゲートフェアリーが反応する。
丁度地脈石を加工用に取り巻き、あまり地脈石に触れないようにしていた。
空導石の方は契約を取り付けたので安定してるが、もしかしてこっちはイベントを進めてないのだろうか?
ちょっと聞いてみようか。
「どざえもんさん、この地の妖精と地脈石の定期的な契約をしましたか?」
「いや。天空と違って地脈石は安定してるからな。龍神族が統治していた地域だし、シェリルさんの呼びかけで多くのプレイヤーが入ってきた。だがアキカゼさんはこいつを見て違和感があると言うんだな?」
「そうですねぇ。けど気のせいかもしれないし」
「いや、実際のところ地脈石の力は弱まりつつあるんだ。龍神族の巫女は祈祷を頑張ってくれてるが、一向に回復の兆しを見せないと困り果てている」
「ああ、天空でも同じことあったんですよ」
「じゃああのワールドアナウンスはやはり?」
「はい」
「それに妖精が関係あると?」
「私の時はそうでした。それに地脈石周辺のナビゲートフェアリーの動きが変なんですよね」
「変?」
私の言葉に流されて、起動したナビゲートフェアリーを見てどざえもんさんも目を丸くした。
「なんだこりゃ! 地脈石に妖精が居着いて無いじゃないか!」
「あ、やっぱりそうなんですね」
通りで地脈石の力が弱まるわけだよとどざえもんさんは天を仰いだ。
てっきりこれが普通の状態だと思っていたが、彼の反応を見る限り違う様だ。
「と、俺は早速妖精のところに行ってくるが、アキカゼさんはどうする?」
「そこら辺を探検してるよ」
「調べ尽くしたから新しい発見はないと思うが、だからといって指を咥えて黙ってる性分じゃないか」
「そう言うこと」
どざえもんと分かれて一人地脈石の周囲を眺める。
重力操作★で防護服込みの重力を0にし、風操作で浮き上がる。
「て、うわっ!」
マグマから湧き立つ熱気で上昇気流が発生している。
勢い余って背中を打ちつけそうになったよ。
重力操作★で体重を気持ち増やしつつ、私は前進した。
まずは地脈石の裏側をパシャリ。
側面をパシャリ。
天井をパシャリ……ん?
天井に奇妙な亀裂があった。
指でその場所に触れようとすると、突如吹き出した風と共に私の体は地脈石へと叩きつけられてしまう。
私がマグマの海から這い出して、地脈石の近くの端に縋り付くと、別にそこは何事もなかったように元通りになっている。
「いったいなんなんだ? あの亀裂は」
調べ尽くしてたんじゃないの? 内心で愚痴りながら酷い目に遭ったよと嘆息する。
実際に触れないなら仕方ない。取り出したりまするはレムリアの器。水操作★を乗せて亀裂に向かって何発か打ち込んでみる。
だが特に何も起こらず、じゃあ氷作成で内側に氷を作ったら変化が起きた。
ブシュウウウ!!
まるでガスでも発生したかのように、亀裂から吹き出した気体にマグマが引火する。続いてドォン! という爆発音が亀裂の向こう側からした。
音は次第に近づいて、耳を塞ごうと両手に耳を置いたときに空間が凍りつき、そしてハンマーで砕け散るように景色が入れ替わった。
「エネミー反応? なんでこんなところで!?」
今の私は観光気分。まさかこんなところで戦闘に巻き込まれるとは思わず慌てて周囲を見回した。
視線の先にはどざえもんさんとやたら光ってる妖精を目視。
そう言えばミーもこんな風によく見えない造形だったなと思い出す。声も直接脳内に聞こえてくる仕様で言語チャンネルが合わずで翻訳ができないのだ。
それよりも丁度よかった。
「凄い音したけど何かしたのか? 調べ尽くした筈だったんだがな」
「丁度地脈石の真上に亀裂があるでしょう?」
「ああ、あるな。でもあれはただのそれっぽい窪みだろう?」
「あの穴に水いっぱい入れて凍らせたら突然爆発したんです」
「何やってんだ? 本当に何やってるんだ、あんた!?」
普通気になったからって穴に水を入れたり凍らせたりなんてしないぞ!? と呆れた言葉を頂いた。出来ることからやっただけですよ。私は一般的な攻撃手段を持ちませんから。
威張れる事じゃありませんが。
「爆発の原因はわからんが、さっき戦闘フィールドに入ったのはなんだ?」
「それがよくわからないんですよ。爆発がこっちに近づいてきたと思ったらエネミー反応があったんですが、姿が見えずで」
「姿が見えない……妖精か?」
「どうもそれっぽいですね。あの穴に迷い込んで迷子になってたんでしょうか?」
「そんな場所に迷い込んだ妖精もバカだが、どこかの誰かさんもバカな真似をしたものだ」
どざえもんさんは私が一方的に決め付けてるが、解せない。
私はただ興味が向いた方に全力で取り組んで居るだけだよ。
「妖精を連れてきて正解だな。俺の相棒は敵の姿が見えてるようだ」
「それでは相手が何を求めてるか交渉と行きますか」
「だな」
0
お気に入りに追加
1,977
あなたにおすすめの小説
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
もう初恋の夢は見ない
あやむろ詩織
恋愛
ソフィアは初恋の相手である1つ上のクリフと婚約関係にあった。
しかし、学園に入学したソフィアが目にしたのは、クリフが恋人と睦まじくする姿だった。
嘆き悲しむソフィアは、同じ境遇の公爵令嬢カレナに出会って……。
*小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しております。
【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。
西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。
路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。
実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく―――
※※
皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。
本当にありがとうございました。
【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
カティア
ファンタジー
疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。
そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。
逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。
猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。
リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。
【本編完結】五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!
七海美桜
恋愛
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる