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3章 お爺ちゃんと古代の導き
182.お爺ちゃん達と[八の試練]②
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さて、と。中は普通のダンジョンぽいですね。
特に遺跡の内部が肉肉しいとかそういった感じではなく、普通のダンジョンです。エネミーっぽいエフェクトさせてたのになんとも肩透かしを食らわせてくる。
「取り敢えず足元は注意しときましょう。スズキさん、警戒お願いしますね?」
「はーい」
「急に穴が開くぐらいのトラップが仕掛けて来そうだものね」
「僕たちは空を飛べますから」
「言ってるそばから敵の襲来ですよ!」
スズキさんが槍を構えた。
エネミーの襲来に合わせたガラスの割れる音は鳴り響かない。
ああ、つまりこの場所は影の大陸と全く同じという事か。
「うそ、どこで戦闘フィールドに切り替わったのかしら?」
「多分ずっと戦闘フィールドに入ったままだ。この感覚は覚えがある」
妻の訴えに、私が過去の経験をもとに解釈を添えて説明する。
それを聞いた妻はいやそうな顔をした。
うん、その反応は正しいよ。
「ああ、僕たちに内緒でクリアした影の大陸ですね?」
「なるほど、アレか。ジリ貧になってキルされるしか未来のないやつだ」
続くジキンさんの嫌味と探偵さんの独白。
基本的にメンタルの強い私達でも厄介な手合いというのが、終わりのない戦闘という奴だ。
あっちではリーガル氏とそのクランメンバーが手を回していたからなんとかなったが、ここではたった六人でなんとかしなくちゃいけない。
七の試練以上の苦難を強いられるだろう。
が、そんな苦境をものともしないのがスズキさんという強烈なキャラクターである。
「先制の尻尾ビンタァ!!」
バチーンッと音がしそうなほど勢いよくエネミーの横っ面にスズキさんのヒップアタックならぬ尾鰭アタックが綺麗に決まる。
そこへ割って入るのは阿吽の呼吸の探偵さん。君たちほんと仲がいいね。
「はい、サブマスターパス」
真上から叩きつけられた『ボール型/触手』の勢いを殺しながら添えた右手を引きつつ、弾くように突き出した。
真芯を捉えたのだろう打撃は『ボール型/触手』の目を貫き、放物線を描いてジキンさんに送られた。
内角甘めのストレート。こんな球を見逃す背番号四番はいないと豪快にフルスイング!
『ボール型/触手』は中身の触手が全て出てしまうんじゃないかという勢いで真上に叩きつけられた。
天井に突き刺さった『ボール型/触手』に順番にレムリアの器でスキルを叩き込んで。脅威を打ち払う。
相手が雑魚で助かったとみんなは笑いあうが、実はこの個体……触手の一本一本から異なる属性の魔法を放つ難敵だとはこの時の私たちは気がつかなかった。
チェインアタックの本質は相手に一切攻撃をさせないノックバック状態にある。だから索敵能力の高いスズキさんの尻尾アタックで寄越されたエネミーは私達のランクポイントに置き換わっていく。
しかしそれをよしとしないエネミー。
ここはエネミーの巣窟で、そして生み出す施設があるのか歩みを進めるたびにエネミーは数を増やした。
一度に現れる数が増えても、基本的にはピンチにならなかったのは『レムリアの器』のおかげである。
あの武器はなんていうのだろうか?
まさかパッシヴの影踏みまで乗るとか思わなかったよ。その上で称号スキルも光線で送り出せるので、まさに射的の的の如く私達に打ち落とされていった。
もしかして霊装は過剰防衛だったかな?
今となってはそう思わなくもない。
「なんだかうじゃうじゃ居ますね。俗に言うモンスターハウスでしょうか?」
ズンズンと前に進んでいた私達。
そこで焦った顔をしたスズキさんがジキンさんを呼び寄せてこそこそ何かを話していた。そして語る内容でスズキさんの言いたい事が大体わかった。
現状、モンスターハウスというよりも、通路の壁にびっちり埋まってるのでモンスターホールという言葉の方がしっくりきますが些細な問題でしょう。
懸念されるべきはその埋まってる数ですね。
流石にスズキさんお得意の尻尾ビンタで多少剥がしたところで、他の個体に追撃される恐れがある。
ミラージュ★で逃げるにしたって……そうだ。
私はもう一つの称号スキルであるフェイク★をその通路の天井に向かって撃った。
フェイクとはその場所に自分の分身体を置き、ヘイトを集中させる事ができるスキル。
相手の初動を潰したり、スキル発動ミスを引き起こす。
それは思ったように効果を発揮する。
壁側に埋まっていたエネミーの触手がざわめき、我先にと魔法を打ち込んでいく。
びっくりした。私達はこんな相手を今まであしらっていたのかと肝を冷やす。
何せ触手の一本一本が違う魔法を灯して天井に集まったフェイク★を置いた場所を打ち砕いていたからだ。
そして探偵さんがその光景を見ながらメモをサラサラ書き進めていた。抜かりない。きっと使ってくる魔法の種類を検証しているのだろう。
私やジキンさんはそういうの特に気にしないからねぇ。
スズキさんは感覚派だし、妻達は無理をしないコツコツ積み上げていくタイプ。
よく私達はこんなメンツでダンジョンアタック仕掛けられるよね、と言っても今更か。
ヘイトが切れると触手達が敵を探すようにうねうねと動き出す。そんなところにスズキさんがエネミーの密集した反対側の壁を打った。
やっても無駄だろうなぁと思いつつ、しかし反対側のエネミーは味方であろうと魔法を触手の先に灯らせて放ったではないか!
だがこれで潰せても反対側だけだ。だから私はもう反対側の壁にフェイク★を撃ち込み、同士討ちさせた。
猛烈な魔法の撃ち合いは、初動を無傷で動き出した左側の壁の勝利で終わった。
とはいえ、満身創痍のその惨状ともなると痛々しさを見せつけてくる。
私達、何もしてないんですけどね?
いや、壮絶な縄張り争いを制したのですけど、決め手が横入りなんかで本当にいいのか疑問だ。
「えい☆」
そんなエネミーにも無慈悲で水操作★と氷作成★の複合スキルを打ち込むスズキさん。
水が壁一面を覆い、そそ壁が瞬く間に氷結する。
「勝ちました!」
うん、まぁ、うん。
スズキさん以外の全員がなんとも言えない顔をしていたのは言うまでもないだろう。
しかし通り抜けずらいその通路。
なんせ壁の左側からやたらと氷が突き出てるもの。
そんな氷を窓ガラスでも砕くようなスイングでぶち壊していくジキンさん。
本人もいいストレス発散になるらしく、特に通れなくて邪魔というわけでもないのに必要以上に砕いていた。
霊装、いらないんじゃないのって破壊ぶりにはさすが森のクマ君の父親だと納得させられた。
彼の念入りぶりはきっとこの人から受けつけられたんだろうな、きっとそうだ。
特に遺跡の内部が肉肉しいとかそういった感じではなく、普通のダンジョンです。エネミーっぽいエフェクトさせてたのになんとも肩透かしを食らわせてくる。
「取り敢えず足元は注意しときましょう。スズキさん、警戒お願いしますね?」
「はーい」
「急に穴が開くぐらいのトラップが仕掛けて来そうだものね」
「僕たちは空を飛べますから」
「言ってるそばから敵の襲来ですよ!」
スズキさんが槍を構えた。
エネミーの襲来に合わせたガラスの割れる音は鳴り響かない。
ああ、つまりこの場所は影の大陸と全く同じという事か。
「うそ、どこで戦闘フィールドに切り替わったのかしら?」
「多分ずっと戦闘フィールドに入ったままだ。この感覚は覚えがある」
妻の訴えに、私が過去の経験をもとに解釈を添えて説明する。
それを聞いた妻はいやそうな顔をした。
うん、その反応は正しいよ。
「ああ、僕たちに内緒でクリアした影の大陸ですね?」
「なるほど、アレか。ジリ貧になってキルされるしか未来のないやつだ」
続くジキンさんの嫌味と探偵さんの独白。
基本的にメンタルの強い私達でも厄介な手合いというのが、終わりのない戦闘という奴だ。
あっちではリーガル氏とそのクランメンバーが手を回していたからなんとかなったが、ここではたった六人でなんとかしなくちゃいけない。
七の試練以上の苦難を強いられるだろう。
が、そんな苦境をものともしないのがスズキさんという強烈なキャラクターである。
「先制の尻尾ビンタァ!!」
バチーンッと音がしそうなほど勢いよくエネミーの横っ面にスズキさんのヒップアタックならぬ尾鰭アタックが綺麗に決まる。
そこへ割って入るのは阿吽の呼吸の探偵さん。君たちほんと仲がいいね。
「はい、サブマスターパス」
真上から叩きつけられた『ボール型/触手』の勢いを殺しながら添えた右手を引きつつ、弾くように突き出した。
真芯を捉えたのだろう打撃は『ボール型/触手』の目を貫き、放物線を描いてジキンさんに送られた。
内角甘めのストレート。こんな球を見逃す背番号四番はいないと豪快にフルスイング!
『ボール型/触手』は中身の触手が全て出てしまうんじゃないかという勢いで真上に叩きつけられた。
天井に突き刺さった『ボール型/触手』に順番にレムリアの器でスキルを叩き込んで。脅威を打ち払う。
相手が雑魚で助かったとみんなは笑いあうが、実はこの個体……触手の一本一本から異なる属性の魔法を放つ難敵だとはこの時の私たちは気がつかなかった。
チェインアタックの本質は相手に一切攻撃をさせないノックバック状態にある。だから索敵能力の高いスズキさんの尻尾アタックで寄越されたエネミーは私達のランクポイントに置き換わっていく。
しかしそれをよしとしないエネミー。
ここはエネミーの巣窟で、そして生み出す施設があるのか歩みを進めるたびにエネミーは数を増やした。
一度に現れる数が増えても、基本的にはピンチにならなかったのは『レムリアの器』のおかげである。
あの武器はなんていうのだろうか?
まさかパッシヴの影踏みまで乗るとか思わなかったよ。その上で称号スキルも光線で送り出せるので、まさに射的の的の如く私達に打ち落とされていった。
もしかして霊装は過剰防衛だったかな?
今となってはそう思わなくもない。
「なんだかうじゃうじゃ居ますね。俗に言うモンスターハウスでしょうか?」
ズンズンと前に進んでいた私達。
そこで焦った顔をしたスズキさんがジキンさんを呼び寄せてこそこそ何かを話していた。そして語る内容でスズキさんの言いたい事が大体わかった。
現状、モンスターハウスというよりも、通路の壁にびっちり埋まってるのでモンスターホールという言葉の方がしっくりきますが些細な問題でしょう。
懸念されるべきはその埋まってる数ですね。
流石にスズキさんお得意の尻尾ビンタで多少剥がしたところで、他の個体に追撃される恐れがある。
ミラージュ★で逃げるにしたって……そうだ。
私はもう一つの称号スキルであるフェイク★をその通路の天井に向かって撃った。
フェイクとはその場所に自分の分身体を置き、ヘイトを集中させる事ができるスキル。
相手の初動を潰したり、スキル発動ミスを引き起こす。
それは思ったように効果を発揮する。
壁側に埋まっていたエネミーの触手がざわめき、我先にと魔法を打ち込んでいく。
びっくりした。私達はこんな相手を今まであしらっていたのかと肝を冷やす。
何せ触手の一本一本が違う魔法を灯して天井に集まったフェイク★を置いた場所を打ち砕いていたからだ。
そして探偵さんがその光景を見ながらメモをサラサラ書き進めていた。抜かりない。きっと使ってくる魔法の種類を検証しているのだろう。
私やジキンさんはそういうの特に気にしないからねぇ。
スズキさんは感覚派だし、妻達は無理をしないコツコツ積み上げていくタイプ。
よく私達はこんなメンツでダンジョンアタック仕掛けられるよね、と言っても今更か。
ヘイトが切れると触手達が敵を探すようにうねうねと動き出す。そんなところにスズキさんがエネミーの密集した反対側の壁を打った。
やっても無駄だろうなぁと思いつつ、しかし反対側のエネミーは味方であろうと魔法を触手の先に灯らせて放ったではないか!
だがこれで潰せても反対側だけだ。だから私はもう反対側の壁にフェイク★を撃ち込み、同士討ちさせた。
猛烈な魔法の撃ち合いは、初動を無傷で動き出した左側の壁の勝利で終わった。
とはいえ、満身創痍のその惨状ともなると痛々しさを見せつけてくる。
私達、何もしてないんですけどね?
いや、壮絶な縄張り争いを制したのですけど、決め手が横入りなんかで本当にいいのか疑問だ。
「えい☆」
そんなエネミーにも無慈悲で水操作★と氷作成★の複合スキルを打ち込むスズキさん。
水が壁一面を覆い、そそ壁が瞬く間に氷結する。
「勝ちました!」
うん、まぁ、うん。
スズキさん以外の全員がなんとも言えない顔をしていたのは言うまでもないだろう。
しかし通り抜けずらいその通路。
なんせ壁の左側からやたらと氷が突き出てるもの。
そんな氷を窓ガラスでも砕くようなスイングでぶち壊していくジキンさん。
本人もいいストレス発散になるらしく、特に通れなくて邪魔というわけでもないのに必要以上に砕いていた。
霊装、いらないんじゃないのって破壊ぶりにはさすが森のクマ君の父親だと納得させられた。
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