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3章 お爺ちゃんと古代の導き
178.お爺ちゃん達と[七の試練]⑦
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「取り敢えずここでの指輪は作っちまおう。アキ、手伝って。秋風さんも発掘、お願いね?」
「そうね。難易度の低いのは任せてもらえないかしら。そのかわり高いのはランダさんに任せるわ」
妻は自分でも能力の低さを気にしてるらしい。しかし完璧に蚊帳の外な私達に比べたら全然いいよ。もっと自信持っていいのに。探偵さんなんて採掘を任されただけなのに、誇らしげにしてるよ? なんの役にも立たない私達には言われたくないだろうけど。
「任された。ダマスカスじゃなく、ゴールドやプラチナでいいんだよね?」
「十分さ」
ランダさんは的確に指示出しをし、ハブられた私達は探偵さんにコツを聞き出しつつ、背景と化した。
何せツルハシを振るったところで結果が見えているからね。
屑石、石ころ、屑石、屑石、屑石。
自分がこれほど採掘の才能がないのだと痛いほど突きつけられた。
「ハヤテさーん、休憩入れませんか?」
「そうだね。サブマスターもどうです?」
「僕は秋風君をもう少し手伝うよ」
「じゃ、向こうで何かつまんでますので。あとで合流しましょう」
「はい」
ハブられ代表のスズキさんが、飽きたのかツルハシを大道芸の如く回していた。何してるんだか。
とてとてと歩いてから、キョロキョロ周囲を見渡しエラの隙間からゴザを引き出す。
そこ、収納スペースでいいの?
ゴザを床に引いた上には魚の形をしたクッションを並べ、中央にはこたつとみかんの入った籠を用意した。
魚類がコタツに入って大丈夫なの? そう聞いたらフレーバーアイテムだそうで、気分の問題らしかった。確かに足元が暖かいわけではない。
みかんは普通にそのままの味で、剥いて食べている。
そこへ緑茶が出されて一心地着いていたところで探偵さんを連れてサブマスターがやってきた。
「……ツッコミませんよ?」
「何のことです? ちょうど二人分席が空いてますのでどうぞ腰を下ろしてください」
「いやいや、いいね。この何とも言えないほのぼのとした雰囲気。向こうにドヤされそうだ」
探偵さんがコートを脱ぎながら魚の座布団に腰を下ろす。
確かに鬼気迫る勢いで装飾品を作る彼女たちに悪いと思ってはいるけど、今それを言わなくてもいいんじゃない?
すると『ぐえー』と探偵さんの腰の下から悲痛めいた声が響いた。
見れば魚型のクッションが、中のワタを口から全て吐き出していた。視線がスズキさんに向かうも、彼女はニコニコしながらみかんの皮を剥いている。
何やってるんですかと嘆息しながらジキンさんが腰掛けると、『タスケテー』と声がした。『ギャァアアアア』と二種類あり、ランダムで叫ぶそうだ。当たりですねと本人は言うが、明らかに悪戯のレベルが上がってるじゃないとゲンナリしていた。
なんて物を座布団に仕込んでるんですかとジキンさんは呆れながらもすっかり和んでみかんを剥く。
一口食べてこれは普通だなと安堵しているが、お茶の方に仕掛けがあったのだろう。この世の終わりみたいな顔でこっちに向き直った。
「ちょっと、なんですかこれー」
「青汁です」
「僕これ苦手なんですよ。まだ野菜ジュースの方がマシだ」
「じゃあ今度それ仕込んできますね」
「湯呑みに入れないで普通に出してよ? それでマスターは何飲んでるんです?」
「私のは玉露だね」
「……………」
「この差たるや。まるでスズキ君の友好度で変わるみたいだね。今から飲むの怖いなー」
見た目はお茶のように見える液体を覗き込みながら、探偵さんがボヤいた。中身はインスタントコーヒーだった。まるでお湯の量を間違えたような濃さで、飲んだことのない味だと感想を浮かべていた。それでもきっかり飲み干すあたりジキンさんより偉い。
「ほら、出来たよ。いつまでもだらけてないで集合!」
パンパンと手を叩いてランダさんの号令の元集まる。
今じゃ私なんかより立派にリーダーしてるよ彼女。
そのままスクロールで入り口まで戻り、再びボス戦を挟んでミスリルの鉱脈へ。
しかしそこは結構な人数のプレイヤーが居た。
その中には見知った顔が。
「おや、もりもりハンバーグ氏」
「やぁ、お義父さん。お久しぶりです。情報助かってますよ。なかなか難易度が高いですけど、オマケ品でも十分美味しいので」
向こうは亜耶と接触して以降、お義父さん呼びがすっかり定着してしまった。亜耶……もといフィールの率いるクランメンバーが殆どのようで、検証も兼ねて引っ張り出されたらしい。
メンバーの中にはドワーフも居て、その人達はオリハルコンを採掘できていたようだ。
だったらと少し交渉してみる。
向こうとしては中間素材のミスリルよりも、オリハルコンを求めているのもあるだろうし。
「実は攻略の際に銀とミスリルの鉱石が入用になってね。そこで、もしこちらの欲しい分の持ち合わせがあったらそれに見合う情報を流そうと思う。どうだろうか?」
「それは非常にありがたい事ですけど、僕の独断じゃ判断できないのでマスターに一報入れますね」
「そうしてくれて構わないよ。私としても無理強いはしたくないし、別に断ってくれても別にいいんだよ?」
「今すぐ連絡を入れますので、少々お待ちください!」
そう念を押すと、慌てたようなそぶりでもりもりハンバーグ氏は即座にクランマスターへ連絡を取り付けていた。
そしてすぐに向こうのクランマスターウチの真ん中の娘からメッセージが送られてくる。
それはオリハルコン一つにつき、ミスリルを50個、シルバーを200個出すと言う物だった。
今は情報よりオリハルコンの現物の方が欲しいらしい。
私は相場を知らないので、熟知してそうなランダさんに相談してみたところ、高く買ってくれているらしい。
それにこれくらいの数があれば、失敗しても十分お釣りが来るよと太鼓判を押してくれた。
すぐに娘と連絡を取り付け、もりもりハンバーグ氏を交えて交渉を成立する。
向こう側で出土したミスリルとシルバーはオリハルコン二つ分だったが、ランダさんはものの十分で二つのオリハルコンを掘り当て、手渡していた。
近くで見ていたドワーフのプレイヤーからは戦慄の眼差しで見られていたが、本人は熟練度より叩いた時に弾かれる光の散り方で見極めてると言って余計に場を混乱させていた。
ジキンさん曰く、ランダさんは天才タイプで自分ではできるけど教えるのがとことん苦手だとか。
だからできない人に教えるだけ無駄だと割り切った考えを持っているらしい。
「さて、装備は行き渡ったかい?」
音頭取りは我らがランダさん。
それぞれの指輪を人差し指と中指にはめて、それ以外をネックレスに吊るして首にかけている。
全員が同じように装備するのを確認して、またスワンプマン型/ホバーと接敵すると、今度は鉱脈ではなく違うルートが現れていた。
室内は暗く、部屋の中央には幾何学模様のマスクをした人型の何かが椅子に座っていた。
[■■■■■! ■■■■■■!?]
こちらを発見するなり、懐から拳銃のような武器を取り出して引き金を引く。先端の突起からは光線のようなものが一直線に私に向かって、しかしそれは私に当たる前に何かに弾かれるようにして霧散した。
狼狽する何か。
すると唸り声を上げ、両手を大きく突き上げていた。
まるでそれをする事でこちらに都合の悪い何かが起こると確信するように。しかし、1分経ってもこちらに不調を訴えるものは現れなかった。
「……あれは、何をやっているんでしょうか?」
「さぁ?」
「きっと踊り出したいんですよ。僕もそんな時ありますし!」
「絶対に違うと思いますよ。それに敵さん、こちらを見逃してくれる様子もなさそうだ」
ジキンさんの指摘のとおり、エネミーよりも人間に近いフォルムの敵は光線銃を両手にこちらへ攻撃を仕掛けて来ていた。
私はスクリーンショットの構えで敵の情報を……
抜けない? こんなことは初めてだ。
ただ名前は判明した。
敵の種族はレムリアの民である。
レムリア……レムリア?
もしかしてかつてアトランティス大陸に住んでいたムーの民と敵対していた種族のレムリアの民か!?
「そうね。難易度の低いのは任せてもらえないかしら。そのかわり高いのはランダさんに任せるわ」
妻は自分でも能力の低さを気にしてるらしい。しかし完璧に蚊帳の外な私達に比べたら全然いいよ。もっと自信持っていいのに。探偵さんなんて採掘を任されただけなのに、誇らしげにしてるよ? なんの役にも立たない私達には言われたくないだろうけど。
「任された。ダマスカスじゃなく、ゴールドやプラチナでいいんだよね?」
「十分さ」
ランダさんは的確に指示出しをし、ハブられた私達は探偵さんにコツを聞き出しつつ、背景と化した。
何せツルハシを振るったところで結果が見えているからね。
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自分がこれほど採掘の才能がないのだと痛いほど突きつけられた。
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「そうだね。サブマスターもどうです?」
「僕は秋風君をもう少し手伝うよ」
「じゃ、向こうで何かつまんでますので。あとで合流しましょう」
「はい」
ハブられ代表のスズキさんが、飽きたのかツルハシを大道芸の如く回していた。何してるんだか。
とてとてと歩いてから、キョロキョロ周囲を見渡しエラの隙間からゴザを引き出す。
そこ、収納スペースでいいの?
ゴザを床に引いた上には魚の形をしたクッションを並べ、中央にはこたつとみかんの入った籠を用意した。
魚類がコタツに入って大丈夫なの? そう聞いたらフレーバーアイテムだそうで、気分の問題らしかった。確かに足元が暖かいわけではない。
みかんは普通にそのままの味で、剥いて食べている。
そこへ緑茶が出されて一心地着いていたところで探偵さんを連れてサブマスターがやってきた。
「……ツッコミませんよ?」
「何のことです? ちょうど二人分席が空いてますのでどうぞ腰を下ろしてください」
「いやいや、いいね。この何とも言えないほのぼのとした雰囲気。向こうにドヤされそうだ」
探偵さんがコートを脱ぎながら魚の座布団に腰を下ろす。
確かに鬼気迫る勢いで装飾品を作る彼女たちに悪いと思ってはいるけど、今それを言わなくてもいいんじゃない?
すると『ぐえー』と探偵さんの腰の下から悲痛めいた声が響いた。
見れば魚型のクッションが、中のワタを口から全て吐き出していた。視線がスズキさんに向かうも、彼女はニコニコしながらみかんの皮を剥いている。
何やってるんですかと嘆息しながらジキンさんが腰掛けると、『タスケテー』と声がした。『ギャァアアアア』と二種類あり、ランダムで叫ぶそうだ。当たりですねと本人は言うが、明らかに悪戯のレベルが上がってるじゃないとゲンナリしていた。
なんて物を座布団に仕込んでるんですかとジキンさんは呆れながらもすっかり和んでみかんを剥く。
一口食べてこれは普通だなと安堵しているが、お茶の方に仕掛けがあったのだろう。この世の終わりみたいな顔でこっちに向き直った。
「ちょっと、なんですかこれー」
「青汁です」
「僕これ苦手なんですよ。まだ野菜ジュースの方がマシだ」
「じゃあ今度それ仕込んできますね」
「湯呑みに入れないで普通に出してよ? それでマスターは何飲んでるんです?」
「私のは玉露だね」
「……………」
「この差たるや。まるでスズキ君の友好度で変わるみたいだね。今から飲むの怖いなー」
見た目はお茶のように見える液体を覗き込みながら、探偵さんがボヤいた。中身はインスタントコーヒーだった。まるでお湯の量を間違えたような濃さで、飲んだことのない味だと感想を浮かべていた。それでもきっかり飲み干すあたりジキンさんより偉い。
「ほら、出来たよ。いつまでもだらけてないで集合!」
パンパンと手を叩いてランダさんの号令の元集まる。
今じゃ私なんかより立派にリーダーしてるよ彼女。
そのままスクロールで入り口まで戻り、再びボス戦を挟んでミスリルの鉱脈へ。
しかしそこは結構な人数のプレイヤーが居た。
その中には見知った顔が。
「おや、もりもりハンバーグ氏」
「やぁ、お義父さん。お久しぶりです。情報助かってますよ。なかなか難易度が高いですけど、オマケ品でも十分美味しいので」
向こうは亜耶と接触して以降、お義父さん呼びがすっかり定着してしまった。亜耶……もといフィールの率いるクランメンバーが殆どのようで、検証も兼ねて引っ張り出されたらしい。
メンバーの中にはドワーフも居て、その人達はオリハルコンを採掘できていたようだ。
だったらと少し交渉してみる。
向こうとしては中間素材のミスリルよりも、オリハルコンを求めているのもあるだろうし。
「実は攻略の際に銀とミスリルの鉱石が入用になってね。そこで、もしこちらの欲しい分の持ち合わせがあったらそれに見合う情報を流そうと思う。どうだろうか?」
「それは非常にありがたい事ですけど、僕の独断じゃ判断できないのでマスターに一報入れますね」
「そうしてくれて構わないよ。私としても無理強いはしたくないし、別に断ってくれても別にいいんだよ?」
「今すぐ連絡を入れますので、少々お待ちください!」
そう念を押すと、慌てたようなそぶりでもりもりハンバーグ氏は即座にクランマスターへ連絡を取り付けていた。
そしてすぐに向こうのクランマスターウチの真ん中の娘からメッセージが送られてくる。
それはオリハルコン一つにつき、ミスリルを50個、シルバーを200個出すと言う物だった。
今は情報よりオリハルコンの現物の方が欲しいらしい。
私は相場を知らないので、熟知してそうなランダさんに相談してみたところ、高く買ってくれているらしい。
それにこれくらいの数があれば、失敗しても十分お釣りが来るよと太鼓判を押してくれた。
すぐに娘と連絡を取り付け、もりもりハンバーグ氏を交えて交渉を成立する。
向こう側で出土したミスリルとシルバーはオリハルコン二つ分だったが、ランダさんはものの十分で二つのオリハルコンを掘り当て、手渡していた。
近くで見ていたドワーフのプレイヤーからは戦慄の眼差しで見られていたが、本人は熟練度より叩いた時に弾かれる光の散り方で見極めてると言って余計に場を混乱させていた。
ジキンさん曰く、ランダさんは天才タイプで自分ではできるけど教えるのがとことん苦手だとか。
だからできない人に教えるだけ無駄だと割り切った考えを持っているらしい。
「さて、装備は行き渡ったかい?」
音頭取りは我らがランダさん。
それぞれの指輪を人差し指と中指にはめて、それ以外をネックレスに吊るして首にかけている。
全員が同じように装備するのを確認して、またスワンプマン型/ホバーと接敵すると、今度は鉱脈ではなく違うルートが現れていた。
室内は暗く、部屋の中央には幾何学模様のマスクをした人型の何かが椅子に座っていた。
[■■■■■! ■■■■■■!?]
こちらを発見するなり、懐から拳銃のような武器を取り出して引き金を引く。先端の突起からは光線のようなものが一直線に私に向かって、しかしそれは私に当たる前に何かに弾かれるようにして霧散した。
狼狽する何か。
すると唸り声を上げ、両手を大きく突き上げていた。
まるでそれをする事でこちらに都合の悪い何かが起こると確信するように。しかし、1分経ってもこちらに不調を訴えるものは現れなかった。
「……あれは、何をやっているんでしょうか?」
「さぁ?」
「きっと踊り出したいんですよ。僕もそんな時ありますし!」
「絶対に違うと思いますよ。それに敵さん、こちらを見逃してくれる様子もなさそうだ」
ジキンさんの指摘のとおり、エネミーよりも人間に近いフォルムの敵は光線銃を両手にこちらへ攻撃を仕掛けて来ていた。
私はスクリーンショットの構えで敵の情報を……
抜けない? こんなことは初めてだ。
ただ名前は判明した。
敵の種族はレムリアの民である。
レムリア……レムリア?
もしかしてかつてアトランティス大陸に住んでいたムーの民と敵対していた種族のレムリアの民か!?
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