上 下
26 / 42
一章『NAF運営編』

23話

しおりを挟む
 出来る彼女のお陰で僕の日常は守られた。
 だからと言って好奇心が損なわれたわけでもなく、通常通り興味の向く方へと目を向ける。

 うぐぐいすさんから語られた企業向けのイベント『投資』も気になるが、それ以上に新しいプレイヤーが来ることに逸るプレイヤーが多い。主にクランが新規メンバー獲得に向けて準備を進めてる風景が目に映った。
 ウチ? ウチは一芸特化だからあんまり躍起になって探してないよね。本人が楽しんで、なおかつ周囲に影響を出す。それができる人がメンバーに多いのだ。

 と、風景の一部に何やら見慣れない武器を扱うお店がある。
 このゲームって、武器を選ぶにも獲得してるスキル依存だからただ『剣!』てだけじゃ攻撃もへったくれもないのである。
 剣を手に取る最低条件は『突き_Ⅰ』『斬る_Ⅰ』『重力_Ⅰ』などのスキルが必要だ。そこからどのスキルを伸ばすかで武器の方向性が変わってくる。
 武器の重さを取るか殺傷性を取るか、突きを主体にするかだな。

 スキルを必要としない武器もあるにはあるが特注だ。
 その代わりなんの殺傷能力もないので自己責任ときている。
 僕の注射器なんかもそれだ。
 中の薬液がスキルの代わりにモンスターに効果を与えるのだ。
 とはいえ、『調薬術』『錬金術』なしで薬品を作るのは僕くらいだろう。あれば色々と時短にもなるし便利だが少なくない枠を取る。
 どうせなら枠は耐性に振りたいので選択肢に無いのだ。
 故に他人は僕を変人と呼ぶ。まぁ慣れたものさ。

「お兄さん、冷やかしなら勘弁してくれよ?」

 店番をしてたプレイヤーが不機嫌そうに語る。
 こんな場所で店を出しているのだ、ようやく人前に出せるレベルで腕が上がったのだろう。しかし先のイベントでそれなりに注目を浴びたと自負してる僕を知らない層も居るものだな。
 一陣10万人、二陣30万人。その全部の枠が埋まってこれから三陣で50万人の人を呼ぶのもあるので、はじまりの16人に興味ない人もいるのだと思えば納得もいくか。

「失礼、僕を知らない人もいるのだなと思って」
「有名人気取りかい?」
「噂に尾鰭がつくのを鬱陶しく思ってるよ」
「いいねぇ、アタシも早くその舞台に立ちたいもんだ。それで、どの武器を買ってくれるんだい? 注文も受け付けてるよ!」

 むむ、口調を聞くまで目の前の人物が女性であるとは思い至らなかった。とはいえそれを指摘するのも野暮だ。
 むむむと顎に手を置き考えたフリをしつつ自分の要望を出した。
 無論、特注だ。

「へぇ、刺殺系の武器ねぇ。お兄さん見た目からは戦闘できる様には思えないのに」
「存外に失礼なやつだな、君は。確かに戦闘は得意ではないが、まるで無理と決めつけるのは如何なものか」
「まぁねNAFはスキルの成長次第で如何様にも戦えるもんさ。だからアタシの様な駆け出しにもチャンスがある」

 ニッと笑う仕草は確かに少年より少女っぽいものがあった。

「しかも小回りが効いて重さは無いほどいい……難しい注文だね」
「難しいかな?」
「イメージが着地しないというか」
「ならヒントを与えよう」
「普通にイメージを教えてくれたらいいんだが?」
「武器というよりも医療用器具だ」
「おいおい、ここは武器屋だよ? そういう商品はウチじゃ扱ってないよ」

 僕の欲してる武器を察して苦渋の表情を見せる少女。

「無いものを揃えるのが特注なのではなかったかな?」
「アタシだってそうしたいさ。でも精巧なガラス容器を作るのだって一苦労だ。それに加えて耐久性のある針だって!」

 言いたいことはたくさんある。だが、客に向かって叫べばそれこそ本末転倒。
 安請け合いするのは問題だが、技術を学ぶ機会があるなら貪欲に学びたいかどうかを尋ねる。

「君の技術では再現は難しいと?」
「生憎とね。まだ金属加工を齧ってようやくものになった程度さ」
「では問おう、そのチャンスが有ればモノにしたいか?」
「そりゃしたいさ。アタシはこっちの道一本で食ってくつもりだからね。お客さん第一号がお兄さんの様な偏屈者で困ってたってのもあるけど、アタシはまだまだ駆け出しだ。なんでも勉強したい」
「ふむ。一応知り合いにガラス職人がいるので口利きしても良いよ。ただし、やるからには本気で学ぶこと。彼も暇じゃないし、ログインできる日は週一回だ。貴女が本気で学ぶ姿勢を見せるなら相談に乗るけどどうする?」
「まるで悪魔との取引だ。お兄さん、アンタ一体何者だい?」
「さて? 一応有名人の一人ではあるのだが、君は知らないというしその程度の男さ……あ、バリーさん。今暇? 暇じゃない? 取り敢えず話だけでも聞いてよ。お手間は取らせないからさ」

 フレンド一覧唐ログイン情報を確認してコール。
 丁度産業革命さんと新しいスライムアートについて語らっていたらしい。スライムを隔離するのに真空管は必須だ。
 それを作り上げるのにガラスを用いる事が多い。
 だがまるで実が結ばないとの事で話題だけ振ってこちらに来てもらった。

「お待たせ、ムーンライト君。で、要件て何?」
「おーっす。何時ぞやは世話になったな」

 ガラス職人のバリー藤堂さんの他に、呼んでもないのに産業革命のガロンさんまでついてきた。
 流石にガロンさんは知ってるのか、少女の表情が強張った。

「さ、産業革命のマスターさんとお知り合いなんですか?」
「一度仕事でアイディアが採用された程度だよ。ね?」
「三列式簡易トイレな! いまだに注文殺到で参ってるぜ」
「え、アタシも活用してるよ!」
「武器屋なのにアレを活用とは、お前さん、もしや引き篭もりの類だな?」
「本業は鍛治の方だよ。どうだいお兄さん方、アタシの作品買ってかないかい?」

 このメンツ相手に営業かけられる胆力は流石だね。
 でも、今はそれより別の話をしようか。
 ほら、ガロンさん達も困った顔してるし。

「まぁまぁまずは自己紹介させてよ。こっちはガロンさん。もう知ってるとは思うけど産業革命のマスターさんだね。で、もう一人が天地創造のバリー藤堂さん。君の求めてるガラス職人だよ。彼に頼めば僕の要望である注射器なんかも作れると思うんだけど如何だろうか?」
「天地創造!?」
「なんかめちゃくちゃ驚かれてるけど、ムーンライト君は自己紹介してるの?」
「お前さんだって天地創造のメンバーだろ?」
「え、そうだったんですか!」
「いや、最初に言ったよ? 有名人だって。でも自己紹介は特にしてなかったね。改めまして天地創造のムーンライトです。うちのマスターに推されまくって根も葉もない噂が蔓延してる1人さ。以後よろしく」

 肩をすくめながら会釈すると、少女は腰を抜かしながら惚けていた。
 新規プレイヤーを困らせるんじゃ無いとガロンさんから肘で突かれたが、僕だってまだここにきて三ヶ月目のフレッシュな新規ですが?
 そう言ったらお前さんは堂々としすぎて全然フレッシュに見えないとお小言を貰った。酷いや。

「新人を揶揄ってたんですね、酷い」
「僕だって新人に毛が生えた程度なんだけどね? なんならキャラロストしてこれで三人目だし」
「ムーンライト君は名誉新人詐欺だからね。うちのマスターの流した噂が大きすぎて初日からおっかなびっくりしてたらしいじゃない?」
「うわぁ、見たかった当時のお前」

 名誉新人詐欺って何さ。
 話を聞けば少女は企業関連でこっちにやってきたプレイ歴5ヶ月目の新人であるお茶漬け侍さん。
 鍛治クラン『朝食は洋食派』に属しているそうだ。

 色々ツッコミどころは多いが、鍛治に注力してるのは事実なので早速バリーさんに交渉してみることに。

「え、別に構わないけど。ムーンライト君には一つ貸しかな?」
「良いんですか?」
「アンタは藤堂より、ムーンライトの方が遭遇率低い事を自覚した方がいい」
「え、そうなんですか?」
「そんな事ないよ。君と同じく引きこもり体質で、ここ三ヶ月で表に出たのはトータル5回。普通じゃない? ああ、イベントの対応はNPCの方だ。僕も対応したけど最初の一回くらいであとは全部NPCだね」
「普通ではないんだよなぁ」
「こんな奴だぞ? 頭おかしいとしか思えん」
「そう思ったら、今年の運を全部使い切った様な気がしてきました」
「それじゃあ早速工房に行こうか。俺のログアウト時間が差し迫ってきてる。基礎は教えるけど、基本スパルタだから後は君の頑張り次第だよ。まぁ頑張って」
「はい!」

 お茶漬け侍さんがバリーさんに引ずられて工房へと消えた。
 僕はガロンさんとその光景を見送って、雑談に移行する。

「で、相談なんだが」
「なんでしょう」

 遭遇率の低いらしい僕は、ガロンさんから相談という名の無茶振りを受けた。いつもの事である。

「ならこれをこうして」
「しかし緩衝材が……」
「でしたら茶豆さんが新しい木材の開拓に成功したと聞きます」
「木材かぁ? 金属衝撃を受け止め切れるとは思えん」
「物は試しです。僕も話を聞いただけなので実際に見にいきましょう。あ、茶豆さん? ええ、ちょっと新素材についてお伺いしたいことがありまして。ええ、ええ。では30分後、工房に向かいます」
「毎度思うが、よくアポイントメント無しで面会して貰えるよな、お前」
「人徳です。うちのクランメンバーにはたくさん貸しがあるので」
「藤堂のやつの貸しは案外大きかったりするのか?」
「どうでしょう? 僕をどう扱うかはあの人次第じゃないですか?」

 ──40分後。

「いやぁ、今日は助かったぜ。あんたに頼めばトントン拍子で話が進んですぐ終わる。クラメンが頼りにしてるのもわかる気がするわな」
「僕も暇だったからちょうどよかったですね」
「本当なぁ、そのタイミングで出会う確率の方が低くて参るんだわ。じゃあ、出来上がりを楽しみにしててな!」

 ガロンさんは振り回すだけ振り回して帰った。
 さて、僕は何をしようとしてたんだっけ?
 一度話が脱線すると本筋に帰るのが面倒くさくなるんだよね。
 その日は花屋さんに顔を出してログアウトする事にした。


 数ヶ月後、すっかり予約を出してた事を忘れた僕宛に注射器が届く。
 バリーさんのところに預けてたお茶漬け侍さん渾身の一作らしい。
 それは注射器というより短銃のシルエットをしていた。
 説明書を見るなり、二種類の戦闘スタイルが確立されている様だ。

 まず薬品を専用のビーカーに注ぐ。
 上部に立てて設置した場合、霧状に噴霧することができる。
 要はスプレーガンの如く。

 もう一方は弾丸として単発の注射針に少量づつ入れておけば中近距離で発砲、着弾。射出した勢いで刺した場所に薬液が注入される仕組みだそうだ。
 凄いね、画期的だ。まるで使い所が見当たらない。
 一体何のために注射器を作ってもらったのか意味がわからないぞ。

 こんなもの、相手の防御力を貫通して静脈に毒物を混入させる以外に何か用途があると思ってるのだろうか?

 しかし物は試しだ。
 僕はそれを手にして用途を探すべく数ヶ月ぶりに外に出ることにした。腰に銃を装備する姿はまるで探索者の如く。
 肩で風を切りながらまずは手頃なターゲットのスライムに猛毒弾をお見舞いした。

 ミス!
 ミス!
 ミス!
 ミス!
 ミス!
 ヒット!

 六発撃ってようやくヒット。だめだ、僕の命中率がゴミすぎてまるで当てられる気がしないぞ。
 遠投なら少しはマシだと思っていたが、多分似た様な結果になるに違いない。

 猛毒+キャラロストキノコによって水分をキノコに吸い尽くされたスライムを回収する。
 僕の発明したスライムアートコンテスト参加賞を獲得した『スライム収納袋』を投げつける。
 着弾点で弾けて粉末状に潰したコアと、中の水分を獲得してスライムを再生し、手元にある粉末状のもう半分に固定ダメージを当ててアイテム化。

 これらの利点はスライムが特定アイテムを消化しようと試みてる状態で倒すことによって手を触れずとも安全にアイテムを回収することができる画期的なアイディアだと思ったのだが、ネタが使い古されすぎて斬新さはないとされて参加賞となった曰く付きの商品だ。

 僕は便利だと思うんだけど、普段使いには向かない様だ。
 触っても大丈夫なコアをもう一方のカプセルに閉じ込めて、中身をペンで書き込んでいく。
 まぁこの手間が参加賞になった所以でもある。

 ピストルモードは僕に合わないと判明したので、今度はスプレーガンモードで探索に移った。
 意外とこの注射器が楽しくてその日は探索に勤しんでしまったことをここに記しておく。

 ◇

 一方その頃、ムーンライトから投資を受けたお茶漬け侍は、その金額に冷や汗を垂らしていた。

「確かに代金は貰ってなかったけど、流石にこの額は……」

 イベント参加企画としてプレイヤーに配られた投資コインは5,000ポイント。しかしムーンライトの支払った額は150,000ポイントだった。
 これはただ課金したは良いけど使い道がなかった額をいっぺんに払ったためである。
 そうとは知らないお茶漬け侍は、その期待に応えようと更なる魔改造注射器開発に熱意を燃やしたとか何とか。
しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷

くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。 怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。 最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。 その要因は手に持つ箱。 ゲーム、Anotherfantasia 体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。 「このゲームがなんぼのもんよ!!!」 怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。 「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」 ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。 それは、翠の想像を上回った。 「これが………ゲーム………?」 現実離れした世界観。 でも、確かに感じるのは現実だった。 初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。 楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。 【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】 翠は、柔らかく笑うのだった。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜

雪雪ノ雪
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。 剣と魔法の世界で冒険をするVRMMORPGだ。 このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。 これを知った少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は 「このゲームをやれば沢山寝れる!!」 と言いこのゲームを始める。 ゲームを始めてすぐ、ある問題点に気づく。 「お金がないと、宿に泊まれない!!ベットで寝れない!!....敷布団でもいいけど」 何とかお金を稼ぐ方法を考えた明日香がとった行動は 「そうだ!!寝ながら戦えばお金も経験値も入って一石三鳥!!」 武器は枕で防具はパジャマ!!少女のVRMMORPGの旅が今始まる!! ..........寝ながら。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio 通称、【GKM】 これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。 世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。 その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。 この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。 その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

グラッジブレイカー! ~ポンコツアンドロイド、時々かたゆでたまご~

尾野 灯
SF
人類がアインシュタインをペテンにかける方法を知ってから数世紀、地球から一番近い恒星への進出により、新しい時代が幕を開ける……はずだった。 だが、無謀な計画が生み出したのは、数千万の棄民と植民星系の独立戦争だった。 ケンタウリ星系の独立戦争が敗北に終ってから十三年、荒廃したコロニーケンタウルスⅢを根城に、それでもしぶとく生き残った人間たち。 そんな彼らの一人、かつてのエースパイロットケント・マツオカは、ひょんなことから手に入れた、高性能だがポンコツな相棒AIノエルと共に、今日も借金返済のためにコツコツと働いていた。 そんな彼らのもとに、かつての上官から旧ケンタウリ星系軍の秘密兵器の奪還を依頼される。高額な報酬に釣られ、仕事を受けたケントだったが……。 懐かしくて一周回って新しいかもしれない、スペースオペラ第一弾!

処理中です...