上 下
4 / 61
即ざまぁ編

4、sideアーロンざまぁ

しおりを挟む
話は少し遡る。


「………やっと目の上のタンコブを処理できたぜ……………一部のギルメンの女子からアイツの人気が高いせいで俺が全くもてねぇ……全くギルドリーダーの俺より目立つとは何事だ………」


そう、彼がエクティスを追い出したのはただの逆恨みだったのだ、柔和な物腰と没個性に見えて意外と爽やかな顔立ち、誰に対しても分け隔てなく接するエクティス、新人だろうがベテランだろうがだ、実は女性人気もあったのだが、男性人気も高かった、しかし下半身でしか物事を考えられない彼は女性人気の方にしか目が行かなかった。

そもそも彼の人気が高いのもアーロンと比較してのことだった、彼は横柄かつ自分勝手、勝手にギルド内のルールを変えたり、非効率な方法を強制してきたりと、こんな男を好く人間がいるはずがなく、彼は気づいていないが、エクティスの人気の高さは自分が一役買っていたことに。


「はっはっはっは!!!」

自分の欲望で辞めさせ、上機嫌のアーロン、しかし彼に知る由もなかった、これから起こる自分に襲いかかる悲劇を。


ーーーーー


エクティスを追い出して数日後…

「アーロンさん!!、お話があります!!」

「なんだ騒々しい!!」

「ダンジョン攻略、並びにアイテム作成、etc、全てのギルメンがミスを多発、もしくは腕前が落ちていいます!!」

「ーーーそ、それはまずい!!、な、なぜだ!!!」

「…………わかりません……最近あった珍しい事といえば……エクティスが辞めた頃からミスが多くなりましたね……」

「ーーーーく、クソ、無能どもが!!!、下がれ!!」

「し、失礼します………」

「くそ………」

ーーーーーーーー

「何いってんだ?、俺は十二天将の何体かをパーティーメンバーにつけて何倍にも能力を上げるバフを乗せてるだろ?」

「もうその与太話は聞き飽きた!!、ステータスには何も表記されてない!!、つまりお前は何もしてないって事なんだよ!!!」

ーーーーーーーーーーー


(………まさか………本当だったのか………あの話は………いや………ただの偶然だ………あり得ない……あいつはただのお荷物だ…………そんなわけがないんだ!!)


彼の頭の中にも一割程度は存在している客観的かつ冷静な部分が起こった異常事態がエクティスがいなくなってから起こった因果関係に気づくが、信じたくない彼は残りの九割の感情論で否定する。

信じたくないものは真実だろうが信じないし、信じたいものは妄想、空想、幻想、だったとしても愚直に信じるのがこの男、アーロンという名の愚者だ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「すいません、『式神レンタル』で『刀鬼』をレンタルしたいです………よろしいですか?」

「『式神レンタル』?、すみませんが、うちではその様なサービスは行っておりません………失礼ですが他のギルドとお間違えでは?」

「え?、そうですか………ではエクティス・ウォーカーさんがいるギルドを知っていますか?」

「ッッッ!!??、そ、その人物は先日まで、このギルドに所属していましたが……」

「ーーーえッッッ?、先日までってことはもしかして辞めっちゃったんですか?、そっかーー、残念だな~…………あ、すいません、お仕事でお忙しいところ呼び止めてしまって………教えてくれてありがとうございました」

ギルド本部のエントランスを歩いていると客らしき男性に話しかけられるアーロン、身に覚えのないサービスを求められたので丁寧にギルドを間違えを指摘するもどうやらエクティスが絡んでいたサービスのようだ……

「クッッッッソ!!!!、あいつが辞めてから一日百回くらいあいつの名前を聞く!!、一体どうなっているんだ!!!」

ギルド施設内を歩いているとギルメンにエクティスを知らないかと言われたり、客にエクティスが行っていたらしいサービスがどうのこうの言われたり、ギルドの売り上げが落ちたのはエクティスがいなくなってからじゃないかとか………

「少しいいかしら?」

「あん?ーーーッッッッッ、これはアキレウス様、なぜこんな所に!!!!」

考え事をしながら歩いていたらいつの間にか目の前に五大貴族のアキレウス様が立っていた。

「エクスはいないかしら?、今日も『式神レンタル』で十二天将『朱雀』をレンタルしたいのだけれど………」

「す、すいません…………エクティスはうちをやめました、一身上の都合により……」

「えっっ?、う、嘘………すいません取り乱してしまい………そうですか………では私は失礼するわ」

(…………そんなバカな………五大貴族まで………まさか本当に……いやあり得ん!!!)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



十二天将の能力まとめ

朱雀
炎系スキルが得意、実体化すると業火を纏った超大型の鳥の姿をしている。
発覚スキル
『神火不知火』
神の炎で作られた槍で相手を貫く、ワイバーンを倒すときに使ったのはこの槍を投げたわけではなく、発射前に漏れ出ている程度の炎をぶつけただけのようだ。

六合
情報無し



勾陳 
情報無し



青龍
情報無し



貴人
情報無し




天后
回復系スキルが得意、まだ実体化時の姿は不明



太陰
闇属性スキル、潜伏系スキルが得意、まだ実体化の姿は不明



玄武
情報無し



太裳
空間系スキルが得意、実体化時の姿は不明


白虎
情報無し


天空
情報無し
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

処理中です...