私の恋人はこの国ですので！〜前世でも来世でも妹に婚約者を寝取られ、すっかり婚約恐怖症となった私になぜか王子や獣人達に婚約を迫られる〜

１１、今更何いってるの？（ざまぁ）

「ああ、やっと終わった～」

………小難しい会議は中々に憂鬱だったが、軍の作戦会議だと思えば多少は気は楽だった……この後、部下達と作戦会議だと思うと、気が滅入ってくるが……そんな事を言ってられない。

「イヴ・ペンドラゴンさん」

「？、ロイフォード様？、どうされました？」

会議室から解放された私を廊下で呼び止めるロイフォード様。

「……今日、弟を助けていただきありがとうございました」

「弟？」

「あれ？、今日、木から落っこちそうになった初等部の男の子を助けませんでしたか？」

「ーーーあ……あれ、ロイフォード様の弟だったんだ……あれ、って事は……王子様の一人なんですか？」

「そうです」

「なるほど～」

「まぁ、もっと前に僕のことも助けてもらってますけどね………」

「ーーえ？」


「あ、いや、なんでもないです、弟からは話を聞いて、見ず知らずの人間を助け、助けるのは当たり前と言わんばかりに何のお礼も受け取らず去る……貴女のような人こそ、我が生徒会執行部に必要な人材だと感じたので、推薦した次第です」

「あ、アハハハハハ」

………別にそんなご立派な思想を持ってやったことではないのだが………生徒会執行部に推薦されたのも身から出た錆というやつか…………。

「えっと、イヴ・ペンドラゴンさんはーーー」

「ーーイヴで良いですよ」

「え？」

……毎回、フルネームを読んでいる彼に思わずそう言ってしまう、きっと礼儀を重んじる方なのだろうが、私はそこまでかしこまるほどの相手でもないのだ、イヴと呼び捨てで構わないと言うと、ロイフォード様は目を丸くしてキョトンとする。


「毎回、七、八文字のフルネームじゃ、呼びづらいでしょ？、イヴでいいですよ」

「なるほど………では僕の事もロイで良いですよ」

「へ？、あ、いや、それはちょっと……」

「こちらだけ2文字で済んでるのに、そちらだけ5、6文字の名前を呼ばせるわけにはいきません！！」

「わ、わかりました……ロイ様」

「ふふ、わかっていただけて何よりです、イヴさん」

私は適当に文字数が多くて呼びづらそうで、疲れそうだからという理由でロイフォード様にファーストネーム呼びを許可すると、思わない反撃が飛んでくる、すなわち、ロイフォード様の名前を縮めた、ロイというニックネームで呼べという……流石に王子というか、皇太子様にそんな友達みたいな呼び方は気が引けたのだが、私が言った理由を逆手にとって、ロイ呼びを推してくる、文字数の観点から見れば、確かにロイフォードというのは結構長い………なまじ自分が提唱した理由だったので、否定しづらく、観念して、ロイ様と口にすると、上品に微笑む彼………校門で別れる私達、小腹が空いたので町で何か適当に腹を満たそうとぶらつく私。

「「やっと見つけた！！」」

「ん？……げっ、マーガレットにアルフレッド……」

校門を出て、どの店に入ろうかと悩んでいると、不愉快の権化たるアルフレッドとイザベラに呼び止められる、シカトを決め込もうかと思ったが、まぁ、元婚約者と妹だ、もしかしたら重要な用事なのかもしれない、彼らはムカつくが、アルフレッドの親父さんや私の父と母には迷惑かけたくないし、丁度目に入った喫茶店に入る。

「で？……何の用なのアンタら？」

「「………」」

「何にもないなら失礼するよ」

「ーーーま、まってくれ！！！」

「手短にすませてよ」

いつまで経っても口を開くことを拒む二人に苛ついた私は席を立とうとする、すぐに呼び止められ、言いたい事は早く言えと忠告する。

「ぼ、僕とやり直さないか！！！」

「はい？、どういう意味で言ってるの？」

「だ、だから僕とまた婚約しないか？？！」

「あ、ごめん、色々ありすぎて私の脳みそ処理限界を超えてるみたく貴方の言葉が理解できない………もう一回言ってくれない？」

「ーーだ、だから僕と結婚してくれとーーーーーーッッッッッ」

何度聞いても、破棄した婚約をもう一度結びたい、というふうにしか聞こえず、三度目の発言を言い切る前に腰の後ろに携帯しているナイフを抜き、アルフレッドの首元に突きつける。

「それ以上ふざけた事抜かしたら殺すよ？」

「ヒッッッ」

ドスをきかせた声でアルフレッドに囁く私。

「さてと、マーガレットはなんの用？」

「アンタ後継者を辞退しなさい！！！」

「はい？」

次は妹へと矛先をうつす、そうするとヒステリック気味に訳のわからない事を叫ぶ。


「本当に理解力がないわね！！！、私の方がペンドラゴン家を継ぐのに相応しいの！！これはもう決定事項なの！！！」

「それならなんで父と母は貴女を後継者に選ばなかったの？」

「ーーーッッッ、そ、それは……父と母が勘違いしてるのッッッッッ！！！！私を過小評価してるのよッッッッッ！！！！！！ms五ぱmぽい絵r非ペイh時0qj３０jhy0jqw３５０j0bsdj〇位jh〇位w３５８j８０yjh0ksみ0bdjt０８hjq８０j0gじゃいsgt5q3jh０８hng80hj０５８yjhw083jyhw８０jh８０hjw580ghw08sht５０wy４８hy８０whs０８hwy0hjy890wjh８９０hgjwr890jth８０jw８０gywhj８０ghwjhgw八十日wh４８hy８０whs0８０wyhj８０tyghw80hjgw８０hj８０hj８０４hjy8w０j08y5bhjtw９０hj6wyhj４８９０yhj８９wjh8g94hy５９４wh８９」

どうやらペンドラゴン家の後継者を降りろという話らしい、冷や水をかけるが如く、正論を浴びせる私、尚もヒステリック気味に騒ぐ妹、後半の方は何を言ってるのかわからんレベルの奇声をあげている。

「大方、貴女の薄汚い本性が普段の生活で滲み出てしまってるんでしょ、それに私が軍に所属するってなった時、継承可能な年齢まで生き残ったら、軍に所属した者に家督を優先的に継ぐ権利があるって言われてたでしょうに、貴女それも聞いてなかったの？」

「ぐ、ぐぬぬぬ」

妹に懇切丁寧に説明してやるも未だ納得できないようで低く唸っている、いや、私にキレらても困るのだけれど。

「まぁ、別に私は家を継ぐ事なんか興味ないんだけどね」

「ーーーそ、それじゃあ！！！？」

「でも、貴女みたいな姉の婚約者寝とるような奴に継がせたら碌なことにならないからねぇ、私が継ぐしかないかな」

「ーーーこ、このクソアーーーーーーッッッッッ？？！！！！！」

「あのさ、家で寝っ転がって、暇になったら男と猿みたいに盛って腰振ってただけのアンタが私に勝てるわけないでしょ？」

一瞬だけ希望をチラつかせると速攻で食いついてくる妹、だが、こんなバカ女に家を任せたら大変な事になると言うと妹は品性のかけらもないチンピラのような暴言を吐きながら私に襲いかかってくる、私は難なく彼女の顔にアイアンクローをかまし動きを止めさせる。

「それで、話ってそれだけ？」

「た、頼む！！！やり直させてくれ！！！」

「軍人だからねぇ私……国が恋人みたいなもんだから無理かな、その愚妹と仲良くやってれば幸せなんじゃないの？」

「ーーーーッッッッッッ」

私は皮肉たっぷりに返答すると、絶句するアルフレッド。


「お、お姉ちゃん！！！、たった一人の妹の頼みを聞いてくれないの！！！」

「貴女はたった一人の姉の婚約者を寝とった訳だけど、そこんとこ理解してるの？」

取り敢えず少し力の差を見せつけた後、席に座らせると二人とも媚びるような態度をしだす、なんだ、これは新手の煽りなのだろうか、イライラしながら適当に返事をする私。

「ーーーイヴさん、ですよね？」

「あ、グリットさん、お久しぶりです」

喫茶店のオープンスペースで話しているとアルフレッドの父親、グリットさんに話しかけられる。

「ん？、おお、イザベラさんにアルフレッドもいるじゃないか、これは丁度いいですな、お二方」

「そうですね」

「よく無事に帰ってきてくれた、イヴ」

「父さん、母さん、た、ただいま」

そこにいるのはグリットさんだけではなかった、私の父と母もいた、二人は心底嬉しそうに声をかけてくる、返事をしつつも照れ臭く、頬をかく私。