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19、sideセバスチャン、コヨミについて思っていた事

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私の名はセバスチャン・ベイカー、アルバート様に仕える執事兼護衛だ、最近後輩ができた、そいつは何でも魔力を持っていないらしい、全くないというわけではないみたいだが、ほぼゼロのようなもの、先の戦争で活躍したそうだが………自分の目で見てない情報を鵜呑みにするのは危険だ、もしかしたらアルバート様をよく思わない奴らが送りこんできた暗殺者かもしれない、そう思い、初対面時には少し脅しをかけといた………不安要素の新入りがいるのでいつも以上にアルバート様から離れないよう注意深く行動しよう。

ーーーーーーーー
アイシャとの決闘時、セバスチャン視点

「クソッッッ!!!」

「ーーーーシッッッ」

「ーーーガッッッッ??!!!」

アルバート様の期待に添える上、コヨミとやらの実力を見れる良い機会だと思い、やらせてみたが、一回も彼女が劣勢になる事はない、少し危なげだったのは剣が折れた初撃の時だけだ………何だあの動きは、剣捌きに無駄がなさすぎる、相手のイカサマで脆い剣を使わせられているのに……だ、長いリーチは何事に置いても有利に働くことが多い、流石に二、三メートルの武器となると話は別だが、ナイフ程度の長さの剣で相手の攻撃を捌き切っている、基本的に一流の戦士は自分の武器の長さをいち早く把握する力が備わっているが、その能力が高すぎる、あんな刃折れの剣をもう自分の手足のように、体の一部だと言わんばかりに自在に扱う………一目で異常な光景だとわかる、さらに言えば汗一つ浮かばせず、息ひとつ乱さずに……あいつはもしかしたら俺より強いのかもしれん………そう思わされる程、アイシャとの実力の差を見せつける彼女。

「ーーーーーこのッッッ」

「ーーー遅い」

「ーーーーッッ痛ッッッ?!!!」

何一つ無駄な動きをせず、淡々と機械のようにカウンターを決めていくコヨミ、その姿に少しだが恐怖を抱く俺。

ーーーーーーーー
ウィリアムとの決闘時、セバスチャン視点

(………このルール、魔力が少ないに圧倒的に不利だ……まずいな……)

「笑止」

(ーー??)

コヨミはウィリアム達の挑発を鼻で一蹴、その後一言呟く。

『陽流、一の段、狐火・白毫』

ーー刹那、一筋の光となった炎は的を一切のブレなく、中心の円を貫く、こちらの勝利だ………何だ今のは、魔法とは違う術を使えると言っていたが………なんて精密なコントロールだ………。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アルバートvsオルク、セバスチャン視点

「このッッッ!!」

コヨミがアルバート様に何か補助系の術を使った瞬間、目に見えてアルバート様の動きが良くなる、オルク様の攻撃を難なく躱し、相手が苛ついて大振りになった瞬間、カウンターを決めて勝利、アルバート様の勝ちだ……こいつ本当に魔力がゼロなのか?、疑わしくなるほど万能じゃないか、剣も強くて魔法じみた力のコントロールも上手く、さらに桁違いの補助魔法のような術を使える?………まぁいい、敵としては最悪の部類の人種だが、味方となればこの上なく頼もしい……今の戦いの頑張り労ってやるのと同時に、これからもよろしくと伝える俺………ここまで有能なところを見せられては認めざるを得ないだろう………。






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