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エブリンざまぁ編

3、sideグリッド、婚約破棄される

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「グリッド、貴方との婚約は破棄させてもらうわ………」

「なッッッっ、何を言ってるんだ??!」

「だって………他に好きな人ができたんだもん~」

「す、好きな人?」

「よう、初めましてグリッドさん、俺がエブリンの新しい旦那ってわけさ」

「だ、だれだお前は??!!」

「おいおい、その言種はないんじゃないか?、エブリンを貰い受けるにしても、婚約者のアンタには挨拶しといたほうがいいと思って来たのによ……んんっっっ……」

「ーーんんッッッ♡♡\\\\\……プハッッッ、ダメよ……♡♡\\\……グリッドが見てる……♡♡♡\\\」

「いいじゃねぇか、見せつけてやろうぜ………」

「………う、嘘だろ……や、やめてくれ………」

目の前で蛇のように絡み合う二人…………。

「……それでね、貴方がいると私、この人と一緒になれないの………死んでくれない?」

「……え?」

エブリンがどこからともなく剣を抜き、自分へと突き付けてくる、信じられない事ばかり起こるので僕の頭はフリーズしてしまった。

「せめて、私の手で殺してあげる!!!」

「そ、そんな」

………彼女の顔はそれはもうひどい顔をしている、ゴブリンにだって引けを取らないくらいの欲に塗れた顔だ、婚約破棄された相手に殺されるなんて、泣きっ面に蜂とはまさにこの事、冗談じゃない、しかし、いきなりの命の危機に自分の足は思う通りに動かせず、その場で転んでしまう、その隙を逃さず、自分の前まで移動してきたエブリンは剣を大きく振りかぶる、自分に出来る事は目を固く瞑ることしかできなかった。

「ーーーーッッッ??!!だ、誰??!!」

「………?」

「………盟約を汚す哀れな魂よ……その罪は貴方の血をもって償ってもらう………」

ーー刹那、鳴り響く金属音に瞼を開ける自分、エブリンの剣が宙を舞い、遠くの床へと落ちる、彼女との間に立つは一見するとただのメイド、しかし不釣り合いな剣を手に握っていた、その剣で自分を助けてくれたのだろう。

「だ、誰だって聞いてんのよッッッ!!!」

「………冥土の土産に自分を殺す相手の名前くらいは教えておくか………エレノア・ウルトス」

「え、エレノア・ウルトス??!!?、『七征伐』の??!!、ば、馬鹿な??!!、ただの噂話じゃなかったの??!!!」

「ん?、ヒュ~君可愛い上にいい体してるね、俺といいことしない?」

「ちょ、何言ってるの貴方??!!、浮気する気??!!」

「うっせ、貧乳は黙ってろ……なぁいいだろ、すごく気持ちよくして、天国に連れっててやるからよ……」

「………ありがとう、なら、お礼に貴方を地獄へと招待するわ………この腕貰うね」

「あ?、何言って……」

突然現れたメイドの名前を聞いた途端、震え上がるエブリン……エブリンの浮気相手がメイドを口説き出す、騒ぐエブリンを鼻で一蹴して、馴れ馴れしくメイドの肩に手を乗せる、それに対してメイドは薄く笑い返答、瞬間、剣を握る手がかすかに動いた気がした。

「ーーーーーッッッッッッ??!!!、ガヤhyがいれwgんくぇうう9いrgw、お、俺の腕がッッッッッ??!!」

「……私に触れるな………」

男の腕が一瞬にして斬り離される、痛みに転がり回る男、剣を軽く振って刀身についた血を払うメイド、肩に乗っている腕を床に放り捨てながら、吐き捨てるように呟く…………。
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