上 下
7 / 18

7、sideマーガレット、ざまぁ1

しおりを挟む

「それで?、あの魔力無しに腕を切り落とされて、ノコノコ逃げ帰ってきたってわけ?」

「ウケるんですけどぉ~」

「ーーーッッッッ」

あの後、マーガレットはガルシア国の兵士に拾われ、応急処置をしてもらってなんとか帰ってきたが………目的を達せられず、さらに腕まで切り落とされた事を他の聖女達に馬鹿にされる。

「………まぁいいわ、あんなゴミ、何もできないでしょ…………取り敢えずアンタは国民の頼み事をなんとか処理しなさい」

「ーーー!!、そ、それは………」

「……ゴミを取り逃した上に、さらに口答えまでする気?」

「ーーーッッッッ、わ、わかりました!!!」

本当は国民のお願いなんて大したリターンが望めないことやりたくないが、さっきの失態があるため肯定するしか選択肢がない、急いでその場を後にするマーガレット。

この後に及んで、国の魔力トラブル全てをたった一人に任せるなんていうやり方をする聖女達、それが出来るのはミレイ以外いないというのに………。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

「クソクソクソクソクソ!!、何で私があんなゴミに!!!」

いまだに脳裏に映るのはミレイとの戦い、彼女如きに腕を切り落とされたなんて一生の恥だ………。

(それにしても………何であの程度で魔力切れを起こしたのかしら……)

彼女は首を傾げる、マーガレットは………いや、他の七人の聖女達も含め、誰も知らなかったのだ、実はミレイが持つ退魔の剣が吸収、霧散させた魔力は他の聖武器へと流れ、強化されていた事に、それ故にほぼ無尽蔵に魔力を使えていたが、使い手である彼女を一族から追放した今、聖剣ヴァナルガンドと他の聖武器とのリンクも切れてしまい、魔力供給がされなくなったのだ、この仕組みを知っているのは聖女の一族、族長だけ、無闇に教えるとどこから情報が漏れるかわからない為秘匿にされている………なまじ魔力高い彼女達はそうそう魔力切れに陥ることがないため、いまだに自身の異変に気づいていなかった、実際に魔力切れになったマーガレット以外……だが。

「………ま、まぁ魔力切れは何か体の調子が良くなかったのよ、今はあのクソ女の事は良いわ………任された仕事をきっちりやって、信頼を回復させないと………」

今すぐ報告したほうがいい異変を、適当な理由で納得してすぐ忘れる彼女、信頼を回復させなければ、そう息巻いて事に当たるが………。

「ーーーちょっとこれどうしてくれんの??!!」

「………か、火事は消えたでしょ?」

「火事は消えたってこれ、家ごと吹き飛ばしたの間違いだろ!!」

………そう、彼女達は生まれつき魔力が高いが、その才能にあぐらをかき、自分の聖武器の属性しか伸ばしてこなかった、簡単な初級魔法なら別属性も使えなくないが、火事を水鉄砲で消化できるわけもなく、業火で家ごと消し飛ばすということしかできないのだ………。

「あのさ、ミレイさんはいないの??」

「ーーーッッッッ、な、何で、あの女を………」

「ああ??、あの人なら家に傷一つつけずに解決できる、次はミレイさんを連れてきてよ」

「す、すみません、彼女はちょっと今国外に出ておりまして……」

「ええ??!、ちょ、ちょっと困るよ、多少なりともこっち金払ってんだよ?、毎回毎回家吹っ飛ばされたらたまったモンじゃないって」

「す、すみません……」

………いくら平民とはいえ、こちらが十割悪い状態でキレ散らかすのはマズイ、必死に平謝りで謝罪するマーガレット………だがまだ彼女の苦労は始まったばかりだった…………。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。

ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。 毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……

Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。 優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。 そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。 しかしこの時は誰も予想していなかった。 この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを…… アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを…… ※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。

不要なモノを全て切り捨てた節約令嬢は、冷徹宰相に溺愛される~NTRもモラハラいりません~

美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
 皆様のお陰で、ホットランク一位を獲得しましたーーーーー。御礼申し上げます。  我が家はいつでも妹が中心に回っていた。ふわふわブロンドの髪に、青い瞳。まるでお人形さんのような妹シーラを溺愛する両親。  ブラウンの髪に緑の瞳で、特に平凡で地味な私。両親はいつでも妹優先であり、そして妹はなぜか私のものばかりを欲しがった。  大好きだった人形。誕生日に買ってもらったアクセサリー。そして今度は私の婚約者。  幼い頃より家との繋がりで婚約していたアレン様を妹が寝取り、私との結婚を次の秋に控えていたのにも関わらず、アレン様の子を身ごもった。  勝ち誇ったようなシーラは、いつものように婚約者を譲るように迫る。  事態が事態だけに、アレン様の両親も婚約者の差し替えにすぐ同意。  ただ妹たちは知らない。アレン様がご自身の領地運営管理を全て私に任せていたことを。  そしてその領地が私が運営し、ギリギリもっていただけで破綻寸前だったことも。  そう。彼の持つ資産も、その性格も全てにおいて不良債権でしかなかった。  今更いらないと言われても、モラハラ不良債権なんてお断りいたします♡  さぁ、自由自適な生活を領地でこっそり行うぞーと思っていたのに、なぜか冷徹と呼ばれる幼馴染の宰相に婚約を申し込まれて? あれ、私の計画はどうなるの…… ※この物語はフィクションであり、ご都合主義な部分もあるかもしれません。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

ざまぁ?………………いや、そんなつもりなかったんですけど…(あれ?おかしいな)

きんのたまご
恋愛
婚約破棄されました! でも真実の愛で結ばれたおふたりを応援しておりますので気持ちはとても清々しいです。 ……でも私がおふたりの事をよく思っていないと誤解されているようなのでおふたりがどれだけ愛し合っているかを私が皆様に教えて差し上げますわ! そして私がどれだけ喜んでいるのかを。

醜い化け物に何の御用でしょうか?〜

まつおいおり
恋愛
遊び半分で魔物が出る森へと出かけた妹のマーガレットを庇い、血を主食とする魔物、吸血鬼竜の呪いに犯される主人公リフィル、鋭い牙、紅眼銀髪という悪魔じみた風貌に変化した彼女は虐待され、助けた妹にリフィルが勝手に遊び半分で森へ入ったと罪をなすり付けられ、ついには婚約者にまで見捨てられ、家から追い出される……数年の間、街から街へと放浪し、最後には田舎の街のゴミ山へと流れ着いた………放浪の旅の中、なんとか呪いを制御に成功し、自分の身を守れるようになった上に、この体は血を主食とする、なので気まぐれに魔物の依頼を受けて、血を吸って腹を満たし、後はひなたぼっこでもして過ごす事にしたリフィル………だが、吸血鬼の力を手にした彼女の噂を聞きつけたドラゴンテイマーや竜騎士、ドラゴンライダーなどが契約してパートナーになって欲しいと絡まれる日々にうんざりする彼女………ひょんなことから第四王子ハルバート・ペンドラゴンと仮契約する羽目になり、なし崩し的に貴族が通うグランフィリア学院へ入学………そこでは望まぬ再会もあった、そう元婚約者アルフレッドと妹マーガレットだ、試験で絡んできた彼女を模擬戦でボコボコにした後、王族と仮とはいえ契約者の彼女に媚を売ってくるが聞く耳を持たず一蹴、逆恨みをした彼女達が事あるごとに絡んでくるが悉く自爆…………仮契約なら自分と本契約してくれと様々な人物が迫って来るドタバタ系学園ラブコメディ。

あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!

リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。 聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。 「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」 裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。 「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」 あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった! 、、、ただし責任は取っていただきますわよ? ◆◇◆◇◆◇ 誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。 100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。 更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。 また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。 更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。

処理中です...