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即ざまぁ編
3、sideイオス&エミリー、聖女になれない女、マリアの価値に今更気づく男(ざまぁ)
しおりを挟む「い、今なんて言ったの?」
「?、だからの次の一族の族長、つまり聖女はマリアにすると言っているんだ、お姉さんを支えるんだぞエミリー」
私が次の聖女になる事は確定的に明らかだが、後でゴネられても面倒臭い、念書でも書かせようと思って神父ユリウスに話をすると、訳のわからない事を言い出す。
「な、なんでッッッ!!!大罪武具なんて穢らわしいものを管理してた魔女よりも私の方がッッッ」
「お前、あんなに立派な姉に向かってなんて事を言うんだ、そもそもお前が嫌がってマリアに押し付けたんじゃないか」
あの穢らわしい大罪武具なんかを管理してた魔女なんかに聖女なんか務まるわけがないと懇切丁寧に説明してやったのに、なぜか理解しない青瓢箪、それどころか私を非難してくる。
「ーーーーーーッッッッッ、司教様!!!、神父ユリウスがが訳のわからない事を言っています!!!!、なんとか言ってください!!!」
「うん?そんなに慌てて、どうしたの?」
「だ、だから魔女、姉さんを聖女にするとか言ってるのよ!!!」
「ああ……こら、ユリウス、ダメでしょ」
神父の血迷った決断を司教リリィに止めてもらう私。
「そ、そうよ、私の方が聖女に相応しーーー」
「ーーーマリア本人に了解を取る前にペラペラ喋っては……」
「………へ?」
途中までは良かったが、どうやらリリィの方も姉に家を継がせる気のようだ、気がとち狂ってるとしか思えない。
「ああ、すまんすまん、なんせ世界を救った英雄にまでなって帰ってくるとは思わず、気が急いてしまった」
「全く、せっかちなんだから……」
「ーーーーっっっっっ?何を言ってるのマリア姉さんなんかより私の方が相応しいよッッッッッ」
「何言っているの?、説明したはずよね?、魔王を倒した一族の者が帰還した場合、聖女はその人物が継ぐと、それに姉さんの方が年上だしねぇ、外の世界に出たことで歳の差以上に逞しく成長したと思うわ」
「な、なななな、そんな話聞いてないわよッッッ!!!!」
全く記憶にない話をし始めるリリィ………いや、なんかそんな事を言ってた気がするような………いや!!、そんなこと言ってなかった!!!!コイツらマリアを贔屓するつもりだ!!!、今まで泥臭く、汗水垂らして魔族と戦ってた穢らわしい魔女違って優雅で気品溢れる淑女としていろんなパーティーへと出席してやったのに………!!それに無駄遣いじゃない!!!!私を着飾るためには何着あっても服が足りないだけ!!!
「あら?、確かに話しましたけどねぇ、まぁ、まぁ、そんなに怒らなくても、マリアが断れば貴女にもチャンスはあるから………」
「ーーーそ、それ本当?」
「ええ、本人が嫌だと言うなら無理に継がす訳にはいかないからね」
「ーーーそ、その言葉忘れないでよ!!!!」
希望の光が差した、どうやらマリアが聖女を辞退すれば私が継げるみたいだ……大丈夫だ、昔みたいに泣きつけばあのクソバカは楽にだまくらかせる!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「それで式の日取りはいつにするつもりなんだ?」
「いや、それが、その~」
「うん?、おいおいどうしたアルフレッド、イヴさんとの結婚式をどうするって言ってるんだ、いやぁ、まさか世界の英雄たる彼女と息子が結婚してくれるなんて儂も親として鼻が高い」
「せ、世界の英雄???!!!!」
マリアとの婚約破棄をどう説明したものかと悩んでいると、父から予想外すぎる言葉が出る、マリアが世界の英雄?、あり得ない、彼女は大罪武具なんていう穢らわしいものを使う魔女のはず。
「?お前、知らないのか?、今や世界中の注目の的じゃないか、魔王を倒し、世界を救った彼女達のパーティーは近々勲章をもらうそうだ」
「く、勲章??!!!!」
「……………まだマリアさんと会ってないのか?………まさか、英雄の結婚式を国をあげて祝うことも知らんとか言わんよな?」
「国が??!!!」
「おかしいな、確かに帰還したと報告を受けてるんだが、まぁ二、三年ぶりに帰ってくるんだ……もしかしたらお土産をどれにするのか迷って、帰ってくるのが遅くなってるのかもしれんな………」
次から次へと衝撃の真実を明かす父、自分はただ驚くだけの機械と成り果てる。
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