上 下
3 / 10
即ざまぁ編

3、sideイオス&エミリー、聖女になれない女、マリアの価値に今更気づく男(ざまぁ)

しおりを挟む

「い、今なんて言ったの?」

「?、だからの次の一族の族長、つまり聖女はマリアにすると言っているんだ、お姉さんを支えるんだぞエミリー」

私が次の聖女になる事は確定的に明らかだが、後でゴネられても面倒臭い、念書でも書かせようと思って神父ユリウスに話をすると、訳のわからない事を言い出す。

「な、なんでッッッ!!!大罪武具なんて穢らわしいものを管理してた魔女よりも私の方がッッッ」

「お前、あんなに立派な姉に向かってなんて事を言うんだ、そもそもお前が嫌がってマリアに押し付けたんじゃないか」

あの穢らわしい大罪武具なんかを管理してた魔女なんかに聖女なんか務まるわけがないと懇切丁寧に説明してやったのに、なぜか理解しない青瓢箪、それどころか私を非難してくる。


「ーーーーーーッッッッッ、司教様!!!、神父ユリウスがが訳のわからない事を言っています!!!!、なんとか言ってください!!!」

「うん?そんなに慌てて、どうしたの?」

「だ、だから魔女、姉さんを聖女にするとか言ってるのよ!!!」

「ああ……こら、ユリウス、ダメでしょ」

神父の血迷った決断を司教リリィに止めてもらう私。

「そ、そうよ、私の方が聖女に相応しーーー」

「ーーーマリア本人に了解を取る前にペラペラ喋っては……」

「………へ?」

途中までは良かったが、どうやらリリィの方も姉に家を継がせる気のようだ、気がとち狂ってるとしか思えない。

「ああ、すまんすまん、なんせ世界を救った英雄にまでなって帰ってくるとは思わず、気が急いてしまった」

「全く、せっかちなんだから……」

「ーーーーっっっっっ?何を言ってるのマリア姉さんなんかより私の方が相応しいよッッッッッ」

「何言っているの?、説明したはずよね?、魔王を倒した一族の者が帰還した場合、聖女はその人物が継ぐと、それに姉さんの方が年上だしねぇ、外の世界に出たことで歳の差以上に逞しく成長したと思うわ」


「な、なななな、そんな話聞いてないわよッッッ!!!!」

全く記憶にない話をし始めるリリィ………いや、なんかそんな事を言ってた気がするような………いや!!、そんなこと言ってなかった!!!!コイツらマリアを贔屓するつもりだ!!!、今まで泥臭く、汗水垂らして魔族と戦ってた穢らわしい魔女違って優雅で気品溢れる淑女としていろんなパーティーへと出席してやったのに………!!それに無駄遣いじゃない!!!!私を着飾るためには何着あっても服が足りないだけ!!!


「あら?、確かに話しましたけどねぇ、まぁ、まぁ、そんなに怒らなくても、マリアが断れば貴女にもチャンスはあるから………」

「ーーーそ、それ本当?」

「ええ、本人が嫌だと言うなら無理に継がす訳にはいかないからね」

「ーーーそ、その言葉忘れないでよ!!!!」

希望の光が差した、どうやらマリアが聖女を辞退すれば私が継げるみたいだ……大丈夫だ、昔みたいに泣きつけばあのクソバカは楽にだまくらかせる!!!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それで式の日取りはいつにするつもりなんだ?」

「いや、それが、その~」

「うん?、おいおいどうしたアルフレッド、イヴさんとの結婚式をどうするって言ってるんだ、いやぁ、まさか世界の英雄たる彼女と息子が結婚してくれるなんて儂も親として鼻が高い」

「せ、世界の英雄???!!!!」

マリアとの婚約破棄をどう説明したものかと悩んでいると、父から予想外すぎる言葉が出る、マリアが世界の英雄?、あり得ない、彼女は大罪武具なんていう穢らわしいものを使う魔女のはず。

「?お前、知らないのか?、今や世界中の注目の的じゃないか、魔王を倒し、世界を救った彼女達のパーティーは近々勲章をもらうそうだ」

「く、勲章??!!!!」

「……………まだマリアさんと会ってないのか?………まさか、英雄の結婚式を国をあげて祝うことも知らんとか言わんよな?」

「国が??!!!」

「おかしいな、確かに帰還したと報告を受けてるんだが、まぁ二、三年ぶりに帰ってくるんだ……もしかしたらお土産をどれにするのか迷って、帰ってくるのが遅くなってるのかもしれんな………」

次から次へと衝撃の真実を明かす父、自分はただ驚くだけの機械と成り果てる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔力無しの聖女に何の御用ですか?〜義妹達に国を追い出されて婚約者にも見捨てられる戻ってこい?自由気ままな生活が気に入ったので断固拒否します〜

まつおいおり
恋愛
毎日毎日、国のトラブル解決に追われるミレイ・ノーザン、水の魔法を失敗して道を浸水させてしまったのを何とかして欲しいとか、火の魔道具が暴走して火事を消火してほしいとか、このガルシア国はほぼ全ての事柄に魔法や魔道具を使っている、そっちの方が効率的だからだ、しかしだからこそそういった魔力の揉め事が後を絶たない………彼女は八光聖女の一人、退魔の剣の振るい手、この剣はあらゆる魔力を吸収し、霧散させる、………なので義妹達にあらゆる国の魔力トラブル処理を任せられていた、ある日、彼女は八光聖女をクビにされ、さらに婚約者も取られ、トドメに国外追放………あてもなく彷徨う、ひょんなことからハルバートという男に助けられ、何でも屋『ブレーメンズ』に所属、舞い込む依頼、忙しくもやり甲斐のある日々………一方、義妹達はガルシア国の魔力トラブルを処理が上手く出来ず、今更私を連れ戻そうとするが、はいそうですかと聞くわけがない。

公爵様は幼馴染に夢中のようですので別れましょう

カミツドリ
恋愛
伯爵令嬢のレミーラは公爵閣下と婚約をしていた。 しかし、公爵閣下は幼馴染に夢中になっている……。 レミーラが注意をしても、公爵は幼馴染との関係性を見直す気はないようだ。 それならば婚約解消をしましょうと、レミーラは公爵閣下と別れることにする。 しかし、女々しい公爵はレミーラに縋りよって来る。 レミーラは王子殿下との新たな恋に忙しいので、邪魔しないでもらえますか? と元婚約者を冷たく突き放すのだった。覆水盆に返らず、ここに極まれり……。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

覚醒者~特別ランクの私は恋愛の好きが分からない!~

琴葉悠
恋愛
とある「存在」が統べる世界。 人々は「存在」に見守られながら、発展していった。 発展していく中で、人の中に特別な力を持つ者が洗われるようになった。 それを、人は「覚醒者」と呼び、畏怖する一方でその力に頼るようになっていった。 これはそんな世界で「覚醒者」となった少女の物語── とある事件で覚醒者のSランクに覚醒したカナタ・アオイは仕事にてんてこ舞い! そんな彼女は、友人の恋愛トラブルに巻き込まれ続けた所為か、それとも元々の気質か恋愛感情での好きという感情がわからないのが人とは違う所。 それ以外は至って普通の女子高生だった。 覚醒者になって一癖も二癖もある覚醒者達と出会い、本人が知らぬまに惚れられるという状態に。 そんな彼女の明日はどうなる⁈

婚約破棄された私は、年上のイケメンに溺愛されて幸せに暮らしています。

ほったげな
恋愛
友人に婚約者を奪われた私。その後、イケメンで、年上の侯爵令息に出会った。そして、彼に溺愛され求婚されて…。

鉄臭い義手女になんの御用ですか?〜妹に婚約者を取られ、居場所も失った、戻ってこい?、自由気ままな今の生活が気に入ってるのでお断り〜

まつおいおり
恋愛
ペンドラゴン家には主家と分家が存在し、リフィルは魔力が低かった為、分家に属していた、分家に属する人間は貴族とは名ばかりで、マトモな食事すら回ってこず、殆どがゴミ山を漁ってなんとかその日を生きながらえていた……そして分家の中にも序列が存在し、新参者の者のリフィルに回ってくるのは食べれる物は何もなかった……最初は飢えを耐えるために齧るだけだったが……リフィルはどうせ飢え死ぬならと覚悟を決めて鉄屑やジャンク品を食べ始める、竜人の胃袋と体は思った以上に頑丈、奇しくも生き残ることに成功………しかしその偏食のせいか、竜人族の中でも変異中の変異種、機竜人になってしまう、主人公リフィル・ペンドラゴン、妹のシャーリー・ペンドラゴンと一緒に、魔王を倒すための旅に出ることになる……力ある者の責務として、ペンドラゴン家からは代々、勇者パーティーへと主家と分家から一人ずつ参加しなければならない……魔王を倒す為の旅をして数年経ったある日、リフィルは勇者パーティーから追放、ついでにいつのまにかシャーリーと出来ていたのか、将来を誓い合ったはずのロゴミスには婚約破棄までされてしまう………いつまでも膝を抱えているわけにはいかない、これからは魔王を倒すためとか、世界を救うとか、そんな大きな事は目指さず、自由に気ままに生きてみようと思い、冒険者になる事を決意する………一方、勇者パーティーは気づかなかった、今まで旅をしてこれたのはリフィルの力が大きい事に………ひょんな事から契約した魔力はかなりあるが、うまく扱えない人狼の青年ルーガスと魔力が少ないが実力はあるリフィルのコンビを中心に、いつの間にか集まってくる愉快な仲間達との絆を育む物語

辺境伯令嬢が婚約破棄されたので、乳兄妹の守護騎士が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  王太子の婚約者で辺境伯令嬢のキャロラインは王都の屋敷から王宮に呼び出された。王太子との大切な結婚の話だと言われたら、呼び出しに応じないわけにはいかなかった。  だがそこには、王太子の側に侍るトライオン伯爵家のエミリアがいた。

冷遇されている令嬢に転生したけど図太く生きていたら聖女に成り上がりました

富士山のぼり
恋愛
何処にでもいる普通のOLである私は事故にあって異世界に転生した。 転生先は入り婿の駄目な父親と後妻である母とその娘にいびられている令嬢だった。 でも現代日本育ちの図太い神経で平然と生きていたらいつの間にか聖女と呼ばれるようになっていた。 別にそんな事望んでなかったんだけど……。 「そんな口の利き方を私にしていいと思っている訳? 後悔するわよ。」 「下らない事はいい加減にしなさい。後悔する事になるのはあなたよ。」 強気で物事にあまり動じない系女子の異世界転生話。 ※小説家になろうの方にも掲載しています。あちらが修正版です。

処理中です...