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4、入学試験1
しおりを挟む「…………頼むぞリフィル」
「………へいへい」
………私はハルバートの案内に従い、グランフィリア学院の試験会場と来ていた………。
取り敢えず、夏休みまでは仮契約するという話になったわけだが…………パートナーとなったからには私も学院に入らなければならない、もうすでに入学確定の生徒のパートナーになれば自動的にグランフィリア学院に通えるようになるのかと思いきや、入学試験を受けないといけないらしい…………しかも、これは個人の礼儀作法や資質が、入学に値するかどうかを判断するから、一人で突破をしなければならない……。
「あ、そこのお兄さんちょっと聞きたいんだけど良いかな?」
私は近くにいた試験を運営する側らしき人間に声をかける。
(………え、何この子、めっちゃ可愛い)
「………あの、お兄さん?」
「え、あ、すいません、な、なんでしょうか?!!」
「えーーと、入学試験を申し込んだリフィルなんですが………どうすれば良いでしょうか?」
「え?………あーーー、ではこちらの用紙を記入後、提出していただき、あの部屋で待機しててください」
「はい、わかりました」
用紙をもらい、適当に空欄を埋めていく、そして提出。
「これでいいですか?」
「はい、おや?吸血と竜人のハーフ……失礼しました、なるほど、たしかに承りました、ではあちらの部屋へどうぞ、ご健闘をお祈りします」
「ありがとうございます、まぁ程々に頑張りますよ」
一瞬意外そうな顔を出し仕事用の仮面が崩れかけたすぐに締め直す。
無機質な定型文と彫像のように浮かべている笑顔、そうしてなんのトラブルなく終わり、待機室へ入り、順番を待っていると………。
「平民如きがグランフィリア学院の門を潜ろうとは………ふっ滑稽の極みね」
「…………ハァ………」
同じ待機室にいる、ゴテゴテとした装飾品まみれの服を着た女が上から目線で話しかけてくる…………だから嫌なんだよ貴族は………平民ってだけで喧嘩をふっかけてきやがる………。
「?、貴方………まさかリフィル?」
「?、なんで私の名前ーーーッッッッ??!!、マ、マーガレット??!!!」
初対面なのになぜか私の名前を知っていた相手、気になってよく観察してみると、それはかつての妹、マーガレットだった…………。
(………最悪……………)
「ヴァーミリオン家を追い出されたアンタが一体全体どうやって入学試験にまで漕ぎ着けたのかしら?」
「………………貴方に説明する義理がある?、マーガレット・ヴァーミリオン殿?」
「……ふん、まぁ良いわ………どんなイカサマをしたのかわからないけど………無謀な挑戦をしたと後悔しなさい………醜い化け物が」
家から追い出され、食い繋ぐで精一杯の自分が学校なんて行く余裕がないことがわかっているのだろう、疑問を投げてくるマーガレット、しかしそれを丁寧に返答する必要はどこにも無い…………答える気がないと分かるや否や、不愉快そうな顔をして捲し立ててくるマーガレット、私の耳元に一言添えて、その場から立ち去る。
「…………ハァ………」
トラブルの予感しかしない………。
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