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第7章 寒い夜は一緒にいてあげる
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『で、どうすんだ?あれ』
預かり処の台所内。シンクに山と積まれた従魔達の朝食の後片付けを黙々とこなしているツバキは、足元でふさふさの白い毛を擦り寄せて寝そべっているサザンカの問いにため息で返す。
『ラーハルトの奴にはああ言っちゃいたが、お前だったら不死鳥相手だろうがなんだろうが、問題なく従魔契約出来るだろうが』
「…」
朝食を食べ終え、従魔達はそれぞれ庭で思い思いに時間を過ごしている。
ツバキとサザンカしかいない台所には、流れる水の音と食器を洗う少し耳障りな音だけ。
「サザンカ」
水を流す音が止まる。
ツバキもサザンカも口を閉じれば、庭から響いてくる従魔達の楽しそうな鳴き声だけが微かに聞こえる。
「そりゃ縁を結ぶことは出来るけど…従魔術での契約となると別だよ。多分、私も従魔契約は出来ないと思う」
『つっても、すげえ従魔術師でも従魔契約出来なかったんだろ?』
「だからもっと偉い人が来るんだよ」
『そいつでも無理だったら?』
「…そしたらもっともっと偉い人が来るよ」
『はぁ…。暫く落ち着かねぇなぁ…。やぁあっと騒がしくなくなったのによぉ』
ジトリとしたサザンカの視線にツバキはゔっ、と唸る。
1人と1匹の脳裏に過ぎるのは、つい最近のバタバタと忙しなかった従魔盗難事件の記憶。
「私だって面倒事は嫌だよ!でもさ、外の人の言う伝説級がどういう位置付けなのか知らないけど、恐らく神獣の類の不死鳥には手を出したくない!分かってるでしょ?神獣に下手に手を出すと、呪われるってこと」
ツバキは変わらずじとぉっとした視線を送ってくるサザンカから視線を外して前を向く。
前を向けばちょうど目の前にある窓から、庭でなにやら従魔達と共にかけずり回っているラーハルトの楽しそうな顔が確認出来る。
その光景を見て口端を僅かに緩めるツバキの横顔を見て、サザンカもやっと鼻先に寄せていた皺を緩めた。
『……分かった。そうだな、そのほうが賢明だ。…はぁ、仕方ねえから、またしばらく騒がしくなるのは勘弁してやる』
「ありがと、サザンカ」
『ただし不死鳥の世話はラーハルトに押し付けろ!なんかすげえ偉い人間が来るっつってたけど、この間の調査団みてぇにずっっとうちに居座らせるなよ!!居座らせるなら従魔達の世話をさせろ!!』
「ふふ、分かった」
1人と1匹の会話は、他に誰も居ない静かな台所で始まりそして終わった。
預かり処の台所内。シンクに山と積まれた従魔達の朝食の後片付けを黙々とこなしているツバキは、足元でふさふさの白い毛を擦り寄せて寝そべっているサザンカの問いにため息で返す。
『ラーハルトの奴にはああ言っちゃいたが、お前だったら不死鳥相手だろうがなんだろうが、問題なく従魔契約出来るだろうが』
「…」
朝食を食べ終え、従魔達はそれぞれ庭で思い思いに時間を過ごしている。
ツバキとサザンカしかいない台所には、流れる水の音と食器を洗う少し耳障りな音だけ。
「サザンカ」
水を流す音が止まる。
ツバキもサザンカも口を閉じれば、庭から響いてくる従魔達の楽しそうな鳴き声だけが微かに聞こえる。
「そりゃ縁を結ぶことは出来るけど…従魔術での契約となると別だよ。多分、私も従魔契約は出来ないと思う」
『つっても、すげえ従魔術師でも従魔契約出来なかったんだろ?』
「だからもっと偉い人が来るんだよ」
『そいつでも無理だったら?』
「…そしたらもっともっと偉い人が来るよ」
『はぁ…。暫く落ち着かねぇなぁ…。やぁあっと騒がしくなくなったのによぉ』
ジトリとしたサザンカの視線にツバキはゔっ、と唸る。
1人と1匹の脳裏に過ぎるのは、つい最近のバタバタと忙しなかった従魔盗難事件の記憶。
「私だって面倒事は嫌だよ!でもさ、外の人の言う伝説級がどういう位置付けなのか知らないけど、恐らく神獣の類の不死鳥には手を出したくない!分かってるでしょ?神獣に下手に手を出すと、呪われるってこと」
ツバキは変わらずじとぉっとした視線を送ってくるサザンカから視線を外して前を向く。
前を向けばちょうど目の前にある窓から、庭でなにやら従魔達と共にかけずり回っているラーハルトの楽しそうな顔が確認出来る。
その光景を見て口端を僅かに緩めるツバキの横顔を見て、サザンカもやっと鼻先に寄せていた皺を緩めた。
『……分かった。そうだな、そのほうが賢明だ。…はぁ、仕方ねえから、またしばらく騒がしくなるのは勘弁してやる』
「ありがと、サザンカ」
『ただし不死鳥の世話はラーハルトに押し付けろ!なんかすげえ偉い人間が来るっつってたけど、この間の調査団みてぇにずっっとうちに居座らせるなよ!!居座らせるなら従魔達の世話をさせろ!!』
「ふふ、分かった」
1人と1匹の会話は、他に誰も居ない静かな台所で始まりそして終わった。
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