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第一章
34、運命の別れ道~波乱~(5)
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誰も予想しなかった婚約の見直し。
非のないユーリアシェを降ろし、脳内お花畑のリーシュを王太女にしてまで手放さなかったイルヴァンを、ここに来て王配にしないなど思いもよらなかった。
(ちょっと待って!そうなったらまた私が王太女になっちゃう!あんなにリーシュの言うことに首降り人形だったのに何があったの王様ーー!?)
かなり国王に対して失礼な発言を心の中でしているが、それほど今までの国王からはあり得ない言葉だった。
一同は驚きに固まり、いち早く立ち直ったイルヴァンがマドルクに問い質す。
「本気で仰せですか?私が王家に入ることは国に益があるからこそ、ユーリアシェ殿下からリーシュ殿下になっても許したのではありませんか?」
「そうだ。」
「ならば、何故そのような事を!父アルビス公爵が聞けば王家に疑心を持ちましょう。どうか撤回を!!」
「それはわしに対する脅しか?最初に王太女であるユーリアシェを裏切り、リーシュに乗り換えておきながらどこまで図々しいのだ!」
(いや、そいつ元からすっごい面の皮厚かったじゃん。それに浮気許したのあんたらだよ!どっちもどっちなんだけどーーー!!)
ユーリアシェにとって下衆さ加減では似たようなものだ。
「そなたはハスターバルの王位継承権があるからこそ王配に相応しいと思っておった。だがこれほど王家を軽んずるなら、毒にしかならん。そなたを王配にすれば国の危機になるやも知れん。」
イルヴァンは怒りに声を荒げる。
「我がアルビス公爵家の忠心をお疑いか!?」
「王家に忠義があるなら、リーシュの手を取るのではなくユーリアシェを助け慈しむべきだったな。そなたは忠義より愛をとったのだ」
「お父様まで酷いわ!」
「黙りなさい!そなたは王女として何をした。公務も殆どせず遊び暮らしていただけではないか!欲望のまま姉の婚約者を奪い、王太女になると言うのにその重みすらわかっておらぬ!!」
(あんた達がちゃんと教育しなかったからだよ。ずっとリーシュのイエスマンしといてどうやって重みをわかれっていうのよ。浮気男を調子に乗せたのも、リーシュがお花畑なのも半分以上はあんた達夫婦のせいだよ)
もうここに入ってから呆れ返ってばかりで早く出ていきたいとしか思えない。
「陛下、発言をお許しください」
ユーリアシェの存在を思い出したかのようにマドルクはハッとしてユーリアシェを見た。
「許す」
こんな茶番劇に付き合う義理はもうない。
ユーリアシェは終わらせるために書類を出す。
「話がそれてしまいましたが、わたくしの王族除籍届にサインをお願い致します。王太女褫奪書のサインも今致します。」
非のないユーリアシェを降ろし、脳内お花畑のリーシュを王太女にしてまで手放さなかったイルヴァンを、ここに来て王配にしないなど思いもよらなかった。
(ちょっと待って!そうなったらまた私が王太女になっちゃう!あんなにリーシュの言うことに首降り人形だったのに何があったの王様ーー!?)
かなり国王に対して失礼な発言を心の中でしているが、それほど今までの国王からはあり得ない言葉だった。
一同は驚きに固まり、いち早く立ち直ったイルヴァンがマドルクに問い質す。
「本気で仰せですか?私が王家に入ることは国に益があるからこそ、ユーリアシェ殿下からリーシュ殿下になっても許したのではありませんか?」
「そうだ。」
「ならば、何故そのような事を!父アルビス公爵が聞けば王家に疑心を持ちましょう。どうか撤回を!!」
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(いや、そいつ元からすっごい面の皮厚かったじゃん。それに浮気許したのあんたらだよ!どっちもどっちなんだけどーーー!!)
ユーリアシェにとって下衆さ加減では似たようなものだ。
「そなたはハスターバルの王位継承権があるからこそ王配に相応しいと思っておった。だがこれほど王家を軽んずるなら、毒にしかならん。そなたを王配にすれば国の危機になるやも知れん。」
イルヴァンは怒りに声を荒げる。
「我がアルビス公爵家の忠心をお疑いか!?」
「王家に忠義があるなら、リーシュの手を取るのではなくユーリアシェを助け慈しむべきだったな。そなたは忠義より愛をとったのだ」
「お父様まで酷いわ!」
「黙りなさい!そなたは王女として何をした。公務も殆どせず遊び暮らしていただけではないか!欲望のまま姉の婚約者を奪い、王太女になると言うのにその重みすらわかっておらぬ!!」
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