10 / 64
お父様のお話
しおりを挟む
お父様の書斎は机と椅子、大きいソファ二脚に一人掛けのソファ二脚。後は本棚とお酒の棚だけ。書斎だからこんなものか。
お父様の対面に座り紅茶を飲んでいると此方を見ずに手に持ったカップに視線を置いて話し出した。
「昨日、皇太子殿下とウーシエの馬鹿が来て具合が悪くなったと聞いた。その·····体はもう大丈夫なのか?」
えっ?今、犯罪者を馬鹿って言った?しかも私の体調まで聞いてきたよ。手元の紅茶を見ながらだけど。
「ゆっくり休みましたので。」
「そうか。」
はい、沈黙。さっさと話を進めたいけど、これがお父様の通常なら今は合わせよう。
「今からする話はお前にとって酷な話かも知れない。気をしっかり持って聞きなさい。」
前降り長いな。私は頷いて早く話せと眼力を強くした。こっち見てないけど。
「皇太子との婚約は白紙になった。義兄であるオウクスは近々養子を解消する。ウーシエの馬鹿は近衛隊宿舎の反省室にて暫く監禁になった。」
また馬鹿って言ったよ。以外に口が悪いな。
「左様でございますか。」
「冷静だな。」
あんたが動揺するなって言ったんでしょうが。
「そう言われましても、義兄には(私は)会ったことがありませんし、皇太子殿下は不敬ですが私を刺した方を連れてくるような非常識さを露呈されました。
しかも私にとっては初対面です。侯爵子息様は言わずもがな。
どうとも思えません。」
「そ、そうか」
「はい。でも対応が早いですわね。」
「ああ、昨日の件はセルシュ殿が会話の内容を記載させていて、それを皇宮に早馬で送ってくれた。内容を見てすぐに皇帝陛下と馬鹿親に抗議したんでな。婚約白紙は前から言っていたから今回の件がトドメになった。」
「では、お義兄様は?」
「もう義兄ではない。今日、明日には養子縁組が解消される。アレは平民になる。」
「平民?」
「当たり前だ。主家の嫡流を守らず、女に狂った愚か者など必要ない。
拷問の後殺そうとしたが、皇太子殿下がしゃしゃり出てきたのだ!」
やっとこっちを見たけど人殺しそうな目をしてる。
公爵位は私刑が許されてるんだった。義兄を見ないと思ったけど拷問されてたのね。
公爵家怖っ!!
「それと神前裁判だが?」
ん?神前裁判?
「神前裁判がどうかしましたか?」
「いや、お前が·····そうか、何もかも忘れているんだったな。」
お父様を見る目が冷たくなる。
何で忘れんだよ!!
「お前が刺された時に枢機卿が近くにおられて、神前裁判を口頭で申請したと言ってきたのだ。
お前の容態がどうなるかわからないので保留にしているそうだ!」
めっちゃ早口で言ったよ。
って、神前裁判を申請したの?!
刺された時に言うって凄い胆力!!
この世界来て1番驚いたわ!
あの日記に自分の命をかけて申請するとか書かれてたけど。
暗闇で会った美少女からはそんな気力無さそうに見えたけどねー。
命掛けてでもやり返すって、やっぱお父様の子だわ。
「申請は受理されるのですか?」
「もう受理されている。枢機卿が言うには命をかけた訴えに入るそうだ。」
ラッキー!
受理されてるなら命をかける必要はないし、神前裁判は本人が言うまで事前に知るのは無理だ。
当日いきなり呼ばれて拒否はできない(できるのは冠婚葬祭だけ)
これは有意義に使おう。
お父様の対面に座り紅茶を飲んでいると此方を見ずに手に持ったカップに視線を置いて話し出した。
「昨日、皇太子殿下とウーシエの馬鹿が来て具合が悪くなったと聞いた。その·····体はもう大丈夫なのか?」
えっ?今、犯罪者を馬鹿って言った?しかも私の体調まで聞いてきたよ。手元の紅茶を見ながらだけど。
「ゆっくり休みましたので。」
「そうか。」
はい、沈黙。さっさと話を進めたいけど、これがお父様の通常なら今は合わせよう。
「今からする話はお前にとって酷な話かも知れない。気をしっかり持って聞きなさい。」
前降り長いな。私は頷いて早く話せと眼力を強くした。こっち見てないけど。
「皇太子との婚約は白紙になった。義兄であるオウクスは近々養子を解消する。ウーシエの馬鹿は近衛隊宿舎の反省室にて暫く監禁になった。」
また馬鹿って言ったよ。以外に口が悪いな。
「左様でございますか。」
「冷静だな。」
あんたが動揺するなって言ったんでしょうが。
「そう言われましても、義兄には(私は)会ったことがありませんし、皇太子殿下は不敬ですが私を刺した方を連れてくるような非常識さを露呈されました。
しかも私にとっては初対面です。侯爵子息様は言わずもがな。
どうとも思えません。」
「そ、そうか」
「はい。でも対応が早いですわね。」
「ああ、昨日の件はセルシュ殿が会話の内容を記載させていて、それを皇宮に早馬で送ってくれた。内容を見てすぐに皇帝陛下と馬鹿親に抗議したんでな。婚約白紙は前から言っていたから今回の件がトドメになった。」
「では、お義兄様は?」
「もう義兄ではない。今日、明日には養子縁組が解消される。アレは平民になる。」
「平民?」
「当たり前だ。主家の嫡流を守らず、女に狂った愚か者など必要ない。
拷問の後殺そうとしたが、皇太子殿下がしゃしゃり出てきたのだ!」
やっとこっちを見たけど人殺しそうな目をしてる。
公爵位は私刑が許されてるんだった。義兄を見ないと思ったけど拷問されてたのね。
公爵家怖っ!!
「それと神前裁判だが?」
ん?神前裁判?
「神前裁判がどうかしましたか?」
「いや、お前が·····そうか、何もかも忘れているんだったな。」
お父様を見る目が冷たくなる。
何で忘れんだよ!!
「お前が刺された時に枢機卿が近くにおられて、神前裁判を口頭で申請したと言ってきたのだ。
お前の容態がどうなるかわからないので保留にしているそうだ!」
めっちゃ早口で言ったよ。
って、神前裁判を申請したの?!
刺された時に言うって凄い胆力!!
この世界来て1番驚いたわ!
あの日記に自分の命をかけて申請するとか書かれてたけど。
暗闇で会った美少女からはそんな気力無さそうに見えたけどねー。
命掛けてでもやり返すって、やっぱお父様の子だわ。
「申請は受理されるのですか?」
「もう受理されている。枢機卿が言うには命をかけた訴えに入るそうだ。」
ラッキー!
受理されてるなら命をかける必要はないし、神前裁判は本人が言うまで事前に知るのは無理だ。
当日いきなり呼ばれて拒否はできない(できるのは冠婚葬祭だけ)
これは有意義に使おう。
22
お気に入りに追加
3,171
あなたにおすすめの小説
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさんでも連載中(*´ω`*)
ラストで死ぬ主人公に転生したけど死なないから!!
as
ファンタジー
前世で読んだ「孤高の女王」の小説の主人公ユーリアシェに転生した飛鳥。妹のリーシェ姫を溺愛しユーリアシェを空気扱いする両親である王や王妃、王太女であるユーリアシェを軽んじる家臣達。婚約者までリーシェに奪われ最後は国が滅び1人城で死ぬーーーそんな死に方あるかー!?こっちから捨ててやる!
【完結】シナリオに沿ってやり返そうと思います。
as
ファンタジー
乙女ゲームの強制力により婚約破棄を言い渡され、ヒロインが別の攻略対象者を選んだせいで元婚約者と結婚させられたイリーニア。強制力があるなら、シナリオに沿ってやり返してやる!
断罪された商才令嬢は隣国を満喫中
水空 葵
ファンタジー
伯爵令嬢で王国一の商会の長でもあるルシアナ・アストライアはある日のパーティーで王太子の婚約者──聖女候補を虐めたという冤罪で国外追放を言い渡されてしまう。
そんな王太子と聖女候補はルシアナが絶望感する様子を楽しみにしている様子。
けれども、今いるグレール王国には未来が無いと考えていたルシアナは追放を喜んだ。
「国外追放になって悔しいか?」
「いいえ、感謝していますわ。国外追放に処してくださってありがとうございます!」
悔しがる王太子達とは違って、ルシアナは隣国での商人生活に期待を膨らませていて、隣国を拠点に人々の役に立つ魔道具を作って広めることを決意する。
その一方で、彼女が去った後の王国は破滅へと向かっていて……。
断罪された令嬢が皆から愛され、幸せになるお話。
※他サイトでも連載中です。
毎日18時頃の更新を予定しています。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します
たぬきち25番
ファンタジー
*『第16回ファンタジー小説大賞【大賞】・【読者賞】W受賞』
*書籍化2024年9月下旬発売
※書籍化の関係で1章が近日中にレンタルに切り替わりますことをご報告いたします。
彼氏にフラれた直後に異世界転生。気が付くと、ラノベの中の悪役令嬢クローディアになっていた。すでに周りからの評判は最悪なのに、王太子の婚約者。しかも政略結婚なので婚約解消不可?!
王太子は主人公と熱愛中。私は結婚前からお飾りの王太子妃決定。さらに、私は王太子妃として鬼の公爵子息がお目付け役に……。
しかも、私……ざまぁ対象!!
ざまぁ回避のために、なんやかんや大忙しです!!
※【感想欄について】感想ありがとうございます。皆様にお知らせとお願いです。
感想欄は多くの方が読まれますので、過激または攻撃的な発言、乱暴な言葉遣い、ポジティブ・ネガティブに関わらず他の方のお名前を出した感想、またこの作品は成人指定ではありませんので卑猥だと思われる発言など、読んだ方がお心を痛めたり、不快だと感じるような内容は承認を控えさせて頂きたいと思います。トラブルに発展してしまうと、感想欄を閉じることも検討しなければならなくなりますので、どうかご理解いただければと思います。
不遇な公爵令嬢は無愛想辺境伯と天使な息子に溺愛される
Yapa
ファンタジー
初夜。
「私は、あなたを抱くつもりはありません」
「わたしは抱くにも値しないということでしょうか?」
「抱かれたくもない女性を抱くことほど、非道なことはありません」
継母から不遇な扱いを受けていた公爵令嬢のローザは、評判の悪いブラッドリー辺境伯と政略結婚させられる。
しかし、ブラッドリーは初夜に意外な誠実さを見せる。
翌日、ブラッドリーの息子であるアーサーが、意地悪な侍女に虐められているのをローザは目撃しーーー。
政略結婚から始まる夫と息子による溺愛ストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる