上 下
3 / 64

現状把握が最優先。

しおりを挟む
美少女になって一ヶ月。

一時は危なかったらしいけど、何とか起きられるまでになった。

多分一ヶ月寝た生活してたので、衰弱してるし、体を動かしてないから筋肉落ちてて、まだ座ってるだけで息があがる。

こんな状態の私だが、やらなければならない事がある。

それはサウスリアナ(長いな、リアナでいいや)の痕跡の調査!

大抵の思春期の女の子は何かしらに黒歴史を残しているもんなんだよ。
それを手掛かりに現状把握に努めるのだ!

でなきゃ年若い娘さんが刺されて重症の意味がわからん。

幸い狸寝入りしてたので部屋に誰もいない。

恐らく立てないだろうからとベッドに後向きに足を下ろし上半身を起こそうとしたら、足に全く力が入らずズルズルと床に正座し腕と頭はベッドの上になった。

誰も見てないよね?!

補助なしで立てないので這いずって(この部屋広いんだよっ!)机の前に行き引出しを漁る。

勉強道具や、アクセサリー類はあるけどこれといってヒントはない。
次に本棚を見る。日記とか、ブラックリストとかないかなー?
しかしこの本棚全部見るの?
棚3つあるんだけど·····。

ちょっと今日は無理かもと諦めようとした時、暗闇で会った美少女が最後に2段目のなんちゃらって言ってたのを思い出した。

2段目から確認していこう!

机の横の本棚の2段目を見ていき、3番目の棚の2段目右端の奥行きが浅い。
根性で本を出して奥に触れると外れた。
そこには三冊の本が会った。

たぶんこれ日記だ。

また本を戻して既に息があがってたけど、戻らなきゃ隠れてやってる(変なモノ出てきた時の為に)意味が無い。

フーフー言いながら三冊の本を持って来た時と同じ匍匐前進でベッドに戻るーー途中、ノックの音が聞こえた。

嘘でしょ!!

急いでベッドの下に本を隠した直後、若い女性の声がドア越しに聞こえてきた。

「お嬢様。お食事をお持ちしました。
·····開けますね。」

ちょっと間を開けてドアが開く。

ギリギリセーフ。ホッ。

ベッドの下にいる私を見て「きゃー!」
と悲鳴を上げるお盆を持ったメイドさん。
本を発見されるのは防げたけど自分をベットには戻せなかった。驚かせてごめん。
メイドさんは一瞬で立ち直ったようでこちらに走ってくる途中でテーブルにお盆を置くのも忘れない。プロ根性だね。

私の体全体を見て異常がないか確認しながら聞いてくれる。
私の朦朧期の時も、声をかけながら丁寧にしてくれたメイドさんだ。

「どうして床に?何処か打ちました?痛いところはないですか?」

そう言って左肩に眼を止めた。
肩の傷が少し開いて血が滲んでた。
道理でズキズキすると思った。

「あ、あの水を」

まだ声がガッスガスだけど、聞こえた様で

「その前にベッドに戻りましょう。それからお水を飲んで下さい。」

と言って呼び鈴を鳴らしもう1人のメイドさんとベッドに上げてくれた。

このメイドさんなら信用出来そう。

なんで床にいたのかはこれ以上聞かないでくれると助かるんだけどな~。


しおりを挟む
感想 129

あなたにおすすめの小説

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた エアコンまとめ

エアコン
恋愛
冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた とエアコンの作品色々

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【完結】神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました

土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。 神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。 追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。 居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。 小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、一部内容が異なります。

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

悪役令嬢独立奮闘記

as
ファンタジー
悪役令嬢と設定された少女たちが強制力のせいで役柄を演じつつハッピーエンドを目指す。

【完結】不協和音を奏で続ける二人の関係

つくも茄子
ファンタジー
留学から戻られた王太子からの突然の婚約破棄宣言をされた公爵令嬢。王太子は婚約者の悪事を告発する始末。賄賂?不正?一体何のことなのか周囲も理解できずに途方にくれる。冤罪だと静かに諭す公爵令嬢と激昂する王太子。相反する二人の仲は実は出会った当初からのものだった。王弟を父に帝国皇女を母に持つ血統書付きの公爵令嬢と成り上がりの側妃を母に持つ王太子。貴族然とした計算高く浪費家の婚約者と嫌悪する王太子は公爵令嬢の価値を理解できなかった。それは八年前も今も同じ。二人は互いに理解できない。何故そうなってしまったのか。婚約が白紙となった時、どのような結末がまっているのかは誰にも分からない。

処理中です...