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4話 婚姻の儀式
しおりを挟む身体中を綺麗に磨かれ、エスタシオン王国の紋章が入った美しい純白の花嫁衣裳で飾られて、ペルデルセはプラサ王が現われるのを待っていると…
「申し訳ございません、ペルデルセ様… 陛下は公務が多忙のため、“婚姻の儀式”を欠席されるとのことです!」
プラサ王の補佐官が、汗を拭き拭き現れて、ペルデルセは祭壇前で伝えられた。
「ああ、そうなの? お会いするのを楽しみにしていたのに、残念だね…」
<なかなかの美男子だとメディシナお兄様が話していたから、ほんの少しだけ楽しみにしていたのになぁ… 別に良いけどね>
気にしてないよと、国王の補佐官にペルデルセは微笑んで見せた。
「プラサ陛下もペルデルセ様と同様に残念だと、おっしゃられていました…」
「大丈夫、僕は心得ているからすねて怒ったりしないから安心して」
そう言ってはみたが、実のところペルデルセは…
<これからプラサ陛下が、僕をどう扱うかが分かった気がする>
婚姻の儀式に参加したのはペルデルセと、プラサ王の代理で出席する国王補佐官、儀式を勧める神官が2人と合わせて4人だけで行われ… “番の契り”を結ぶはずの初夜も、ペルデルセ1人で儀式用の寝室で朝まで過ごした。
夫となったプラサ王は、婚姻の儀式どころかペルデルセと顔を合わせることさえ省略したのだ。
<メディシナお兄様に、ずっとこの国で頑張れと励まされながら来たけれど… 結局、僕はプラサ王にとって会う価値さえ無い、人間なんだね?>
両国間の貿易に関する契約さえ正式に結ばれれば、ペルデルセは不要な存在なのだ。
『とにかく、卑屈になるな! 気に入らなければ自分で工夫して、気に入るようにするぐらいの気概を持て』
「ふふふっ… これは困ったねお兄様!」
<メディシナお兄様は、ああ言われたけれど、僕には努力する資格さえも与えられないらしいよ? お兄様、この場合はどうすれば良いの?>
「でも僕は、愛していない人に抱かれなくて済みそうでホッ… としたよ! この結婚の良いところだね!」
そう思うと、ペルデルセの色白の顔に赤みが差し、笑みがこぼれた。
<アンダルの愛は得られなかったけれど… 僕の愛は捨てなくて済むのだから>
初夜が明け…
翌朝、ペルデルセは機嫌良く日当たりの悪い自室へと戻る。
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