伯爵夫人Ωの攻防

75話 禁欲 ※R18

　唇を重ねたまま、フェーリアスはシャツを捲り、ヴァーリの硬い腹筋を撫で、下衣のボタンを外し、その下の張り詰め掛けた、魅惑的な性器を引き出して、指を絡ませ、大胆に扱いた。


「待て待て！　フェーリアス…　ダメだ、止めるんだ！　身体に悪い！」

　慌てて、フェーリアスの手首を掴み、ヴァーリは性器を扱くのを、止めさせた。


　妊娠したと、フェーリアスがヴァーリに、告げた日から、2人はずっと、禁欲状態になっていた。

　ヴァーリの不安が、分かるからこそ、黙って従っていたフェーリアスだが…

「今日練兵場でフェーブリ医師にお会いした時、コッソリ聞いたら、身体は安定しているから、無茶なコトをしなければ、大丈夫だと言われました」


「だから、コレが無茶では無いか？！」

　細い手を掴んだまま、ヴァーリはフェーリアスを睨んだ。


「ふふふっ…　違いますとも！　突飛で風変わりな体位で無ければ、良いそうですよ？」
　
　艶然と笑みを浮かべ、フェーリアスは、ヴァーリの耳を噛んだ。


「ううっ…　突飛で風変わり？！」

　耳を噛まれ、呻きながら、ヴァーリは、ダメだと言っておいて…

　フェーリアスの細い腰を、条件反射のように撫でた。



「今日、フェーブリ医師に、聞いた話だとですね…？」

　太い首を、グイッ…　と、引き寄せて、フェーリアスは悩まし気な口調で、ヴァーリの耳元で、囁いた。


「…どんな体位だって？」

　いつの間にか、興味津々で、ヴァーリは話の続きを、フェーリアスに催促する。


「例えば…　アナタは立ったまま、私を逆立ちさせ、足を持って、ぶら下げた状態で、挿入するとか…？」


「そ…　そんなコトをすれば、私の方が、折れてしまいそうだ…！」

　少し想像して、ヴァーリは、スゴク痛そうだ…　と、青ざめた。



「ふふふっ…　アナタなら、そんな乱暴な抱き方は、絶対にしないと、私は知っていますから、心配はしていませんよ」


　ニッコリ笑ったフェーリアスは、ヴァーリの首筋に、甘噛みをしながら…
　
　ふと、パセィオなら、したかも知れないと、少し顔をしかめる。



　嫌な考えは振り払い、フェーリアスは、ヴァーリの膝に乗った。


　
「昼間の、ヴェルドゥーラとアナタの手合わせを見て、私…　猛ってしまいました」


　寝間着を荒々しく、頭から引き抜いて、裸になると…


「待て待て、フェーリアス！！」


　まだ、抵抗を見せるヴァーリに…

　フェーリアスは最後の手段を取った。



　ちょうどヴァーリの唇の側に、尖った乳首が来るように、フェーリアスは腰を上げ、ご馳走を、チラつかせたのだ。

　
　息を荒くしたヴァーリが、鳶色の瞳を、欲望でギラギラと、光らせた。



「アナタが、私を可愛がってくれないなら、私が、アナタを可愛がってあげますよ」


「フェーリアス…っ！」



　フェーリアスの青い瞳が、妖しく光った。