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20話
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翌朝、建樹と橘は2人で政行に会いに行くと、酷く気だるげな空気を纏って愚痴を零した。
「あの人… 相変わらず絶倫なんだ、Sだしさぁ…」
「……っ」
前夜を想像させる愚痴を聞き、うっすらと頬を赤くする建樹を政行はジッと見つめ… ポツリとつぶやく。
「お前、抱かれたのか?」
「…!?」
<何で、ワカルの?!>
隣に立つ橘の袖を掴み、建樹が赤い顔で見上げると、艶っぽい微笑みを返され更に動揺する。
長い指で建樹の顎を撫で、チュッ…とキスを落とし橘は口を開く。
「潤んだ瞳に腫れた唇… 何より今日のお前は艶っぽい顔してる、政行も同じだろう?」
唇を隠し可愛らしく俯く建樹に、政行が寂しそうに微笑む。
「あ~あ… 心まで盗られちゃったかぁ~」
「お前の望み通り、建樹は私の愛人にしたから心配するな政行… またクダラナイ理屈を吹き込んだら今度こそ容赦しないからな!」
建樹の細い腰をグイッと引き寄せ、独占欲を顕わに威嚇する橘に、政行は両手を上げて降参のポーズをとる。
「政行さんこそ、大丈夫? 外国で暮らすなんて…」
橘に腰を抱かれながら心配そうに政行を見つめる建樹。
「建樹―――っ!! やっぱり離れたくないよぉ~!!」
橘から奪うように政行は建樹を抱きしめる。
政行と別れの挨拶を終え、ホテルのロビーを歩きながら…
「別れるのは辛いだろうが仕方ない… 」
「政行さんが幸せになるのなら良いです」
橘の視線が建樹に落ちる。
「惚れていたんだろう? 政行に…」
「え?!」
ドキリと心臓が跳ねる。
「可愛い孫の恋を成就させたくて、渋る政行を説得して抱かせたと… 露橋老人に聞いた」
「…お爺ちゃんがそんなコト」
笑うとクシャリと皺だらけになる露橋老人の顔を思い出し涙目になる。
橘は建樹の耳元に唇を寄せ…
「楽はさせない… 私も精力絶倫の類だ、覚悟しておけ!」
耳にチュッ…とキスして離れる。
<うわあぁっ!! うわあぁっ!! 橘さんが側に居るとドキドキするよぉ~!!>
「いい加減、私に慣れろ! またそんなに顔を赤くして」
楽しそうに笑う橘。
「だって急にキスされたらドキドキするよぉ~」
熱い頬を手で隠し可愛い文句を垂れる建樹。
「帰るぞ! プレイ・ルームではなくて、本当の我が家にだ」
「え?」
「あの人… 相変わらず絶倫なんだ、Sだしさぁ…」
「……っ」
前夜を想像させる愚痴を聞き、うっすらと頬を赤くする建樹を政行はジッと見つめ… ポツリとつぶやく。
「お前、抱かれたのか?」
「…!?」
<何で、ワカルの?!>
隣に立つ橘の袖を掴み、建樹が赤い顔で見上げると、艶っぽい微笑みを返され更に動揺する。
長い指で建樹の顎を撫で、チュッ…とキスを落とし橘は口を開く。
「潤んだ瞳に腫れた唇… 何より今日のお前は艶っぽい顔してる、政行も同じだろう?」
唇を隠し可愛らしく俯く建樹に、政行が寂しそうに微笑む。
「あ~あ… 心まで盗られちゃったかぁ~」
「お前の望み通り、建樹は私の愛人にしたから心配するな政行… またクダラナイ理屈を吹き込んだら今度こそ容赦しないからな!」
建樹の細い腰をグイッと引き寄せ、独占欲を顕わに威嚇する橘に、政行は両手を上げて降参のポーズをとる。
「政行さんこそ、大丈夫? 外国で暮らすなんて…」
橘に腰を抱かれながら心配そうに政行を見つめる建樹。
「建樹―――っ!! やっぱり離れたくないよぉ~!!」
橘から奪うように政行は建樹を抱きしめる。
政行と別れの挨拶を終え、ホテルのロビーを歩きながら…
「別れるのは辛いだろうが仕方ない… 」
「政行さんが幸せになるのなら良いです」
橘の視線が建樹に落ちる。
「惚れていたんだろう? 政行に…」
「え?!」
ドキリと心臓が跳ねる。
「可愛い孫の恋を成就させたくて、渋る政行を説得して抱かせたと… 露橋老人に聞いた」
「…お爺ちゃんがそんなコト」
笑うとクシャリと皺だらけになる露橋老人の顔を思い出し涙目になる。
橘は建樹の耳元に唇を寄せ…
「楽はさせない… 私も精力絶倫の類だ、覚悟しておけ!」
耳にチュッ…とキスして離れる。
<うわあぁっ!! うわあぁっ!! 橘さんが側に居るとドキドキするよぉ~!!>
「いい加減、私に慣れろ! またそんなに顔を赤くして」
楽しそうに笑う橘。
「だって急にキスされたらドキドキするよぉ~」
熱い頬を手で隠し可愛い文句を垂れる建樹。
「帰るぞ! プレイ・ルームではなくて、本当の我が家にだ」
「え?」
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