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8話 扉の鍵 デスチーノside
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扉を静かに開きデスチーノはそっと廊下の左右を見て、人の気配が無いことを確認すると、アディの手を引いて扉の外へ素早く出る。
これ以上アディに関する醜聞が出ないよう、細心の注意が必要だった。
誰にも会わず無事にアディの部屋へ着くと…
職業柄いつもやるように、デスチーノは不審な点は無いか室内を見て回り、安全を確認した。
最後に細い腰を引き寄せて、小柄なアディの身長に合わせて屈むと…
チュク…ッ…チュ… チュッ… と小さな唇を、デスチーノは舌を使った濃厚なキスで奪う。
治まりかけていたアディの誘惑フェロモンが、再び小さな身体から溢れ出し、デスチーノは一瞬ふらついたが、頭を振って意識を保つ。
<目の前にアディがいると、キスを止められなくなる… 本当に今すぐ発情しそうだ!>
頭を振りながら、デスチーノは自分の意志の弱さに、思わず笑ってしまった。
「アディ… シッカリ扉の鍵を閉めろよ?」
「え? 鍵ですか?」
キスで紅く腫れた唇を、恥ずかしそうに指先で撫でながら、アディは扉に鍵を掛ける意味が分からないとデスチーノに聞き返した。
普段は安全で、掛ける必要が無いのだろう。
「今夜はパーティーの招待客が何人も滞在しているから、君のような若く美しいオメガは注意しなくてはいけない」
「注意?」
首を傾げて不思議そうにするアディに、デスチーノは苦笑した。
晩餐会の控室で、デスチーノが覚えているだけでも3人のアルファが、アディを淫らな目で見ていた。
デスチーノの腕の中にスッポリ収まる、アディの小柄な身体を…
ギュッ… と抱き締める。
<下らない醜聞が、アディは身持ちの悪い尻軽オメガという印象を貴族たちに与えてしまい… 遊び相手にちょうど良いと、ゲスな考えを持つ者が、招待客の中にも居る、そういう奴らが部屋に忍び込んで来て、無理やりセックスを強いるかもしれない>
十分すぎるほど、深く傷ついているアディを、デスチーノはこれ以上少しも傷つけたくなくて…
醜聞のせいで、邪悪な欲望の目に曝されているとは、アディ本人には言えなかった。
「酒を飲み過ぎて酔っぱらったゲス野郎が、今夜はこの邸に大勢いるからな、私が部屋を出たら、必ず鍵を掛けるんだぞ、分かったなアディ?」
「あなたがそう言うのなら、必ず鍵を掛けると約束します」
嬉しそうに微笑みながらアディは約束した。
「明日も明後日も夜になったら必ずだ! 私以外の客が訪ねて来たら、絶対に扉を開けてはいけないからな?」
「はい、デスチーノ」
「良い子だ!」
再び濃厚なキスを落し、廊下に人の気配が無いかを確かめ、部屋を出ると扉に鍵を掛けるまで待つ。
内側から、カチャリッ… と扉に鍵が掛かる音を確認してからその場を離れ、デスチーノは自分の部屋へと戻った。
自室へ戻るとデスチーノは素早く外出用の服に着替え、再び静かに部屋を出る。
夜のうちに、どうしても終わらせたい仕事が出来たからだ。
厩舎へ行くと自分の愛馬に鞍を付けて、デスチーノは貴族たちが通う会員制のクラブへと向かう。
これ以上アディに関する醜聞が出ないよう、細心の注意が必要だった。
誰にも会わず無事にアディの部屋へ着くと…
職業柄いつもやるように、デスチーノは不審な点は無いか室内を見て回り、安全を確認した。
最後に細い腰を引き寄せて、小柄なアディの身長に合わせて屈むと…
チュク…ッ…チュ… チュッ… と小さな唇を、デスチーノは舌を使った濃厚なキスで奪う。
治まりかけていたアディの誘惑フェロモンが、再び小さな身体から溢れ出し、デスチーノは一瞬ふらついたが、頭を振って意識を保つ。
<目の前にアディがいると、キスを止められなくなる… 本当に今すぐ発情しそうだ!>
頭を振りながら、デスチーノは自分の意志の弱さに、思わず笑ってしまった。
「アディ… シッカリ扉の鍵を閉めろよ?」
「え? 鍵ですか?」
キスで紅く腫れた唇を、恥ずかしそうに指先で撫でながら、アディは扉に鍵を掛ける意味が分からないとデスチーノに聞き返した。
普段は安全で、掛ける必要が無いのだろう。
「今夜はパーティーの招待客が何人も滞在しているから、君のような若く美しいオメガは注意しなくてはいけない」
「注意?」
首を傾げて不思議そうにするアディに、デスチーノは苦笑した。
晩餐会の控室で、デスチーノが覚えているだけでも3人のアルファが、アディを淫らな目で見ていた。
デスチーノの腕の中にスッポリ収まる、アディの小柄な身体を…
ギュッ… と抱き締める。
<下らない醜聞が、アディは身持ちの悪い尻軽オメガという印象を貴族たちに与えてしまい… 遊び相手にちょうど良いと、ゲスな考えを持つ者が、招待客の中にも居る、そういう奴らが部屋に忍び込んで来て、無理やりセックスを強いるかもしれない>
十分すぎるほど、深く傷ついているアディを、デスチーノはこれ以上少しも傷つけたくなくて…
醜聞のせいで、邪悪な欲望の目に曝されているとは、アディ本人には言えなかった。
「酒を飲み過ぎて酔っぱらったゲス野郎が、今夜はこの邸に大勢いるからな、私が部屋を出たら、必ず鍵を掛けるんだぞ、分かったなアディ?」
「あなたがそう言うのなら、必ず鍵を掛けると約束します」
嬉しそうに微笑みながらアディは約束した。
「明日も明後日も夜になったら必ずだ! 私以外の客が訪ねて来たら、絶対に扉を開けてはいけないからな?」
「はい、デスチーノ」
「良い子だ!」
再び濃厚なキスを落し、廊下に人の気配が無いかを確かめ、部屋を出ると扉に鍵を掛けるまで待つ。
内側から、カチャリッ… と扉に鍵が掛かる音を確認してからその場を離れ、デスチーノは自分の部屋へと戻った。
自室へ戻るとデスチーノは素早く外出用の服に着替え、再び静かに部屋を出る。
夜のうちに、どうしても終わらせたい仕事が出来たからだ。
厩舎へ行くと自分の愛馬に鞍を付けて、デスチーノは貴族たちが通う会員制のクラブへと向かう。
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