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01話
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王立学院卒業まで一ヶ月を切った。
卒業後は祖国へと帰国し、それから三ヶ月後に婚姻式を控えている。
私は次期女王、私の婚約者になる者は次期王配。
王配候補の中で最も優秀だと判断されたのは4名。
その4名と何年もかけて交流を持ちながら、最終的な判断で今の婚約者が選ばれた。
ルシアノ・ファン・ヴェーゼル、ヴェーゼル王国の第二王子。
ブリュンヒルド王国の大海を挟んだ向こう側にある広大な大陸にある強豪国の1つヴェーゼル王国。
広い大陸は5つの王国が肩を並べている。
国力が拮抗しているのは、ヴェーゼル王国とヴィレムス皇国だ。
並み居る強豪国の中で、この2国が国力と武力においても突出している。
アルベルティーナの王配候補に、ヴィレムス皇国の第二皇子も入っていた。
最後までどちらになるかと、王配候補においても拮抗していたのだが――軍配はヴェーゼルにあがる。
2人に絞ったのは女王で、どちらか最終的に決めたのはアルベルティーナだった。
ヴィレムス皇国の第二皇子は非常に優秀だった、ヴェーゼル王国の第二王子も優秀だったが、それよりも更にである。
女王が推したのは実はヴィレムス皇国の第二皇子だった。
アルベルティーナも、当初はその優秀な能力を評価してヴィレムス皇国の第二王子にするつもりだった。
どちらの国とも縁を繋ぐに不足はない。
だとすれば王配として優秀な人物を選ぶ事がいいと思った。
――が、とある理由により、アルベルティーナはヴェーゼル王国の第二王子を婚約者に選んだ。
――今ではその決定を後悔しているけれど。
私の婚約者は我が祖国へ“次期王配”として婿入りする予定である。
ブリュンヒルド王国には即位前の姫が婚約者である王配の祖国へ留学する習わしがある。
表向きは、婚約者の祖国へ渡り、婚約者の祖国を知り、仲を深めるという事らしい。
王配として婿入りする相手の国に留学する意味があるのか?
相手の国を知るのは良いことだけれど…婿入りするのだから、我が国に留学し学ぶべきでは?
我が国を共に力を合わせてさらなる発展へと導くのでは?
留学が決まり準備に入りながら、私はそう考えていた。
留学後一ヶ月で、婚約者の祖国へ留学する意味を“正しく”理解した。
人は自分のホームでは素が出るということだ。
我が国で王配候補として過ごすより、婚姻前にどんな風に過ごすのかをじっくり見極めろという期間らしい。
色々とやらかしている婚約者を持った事に気付けた事は、大変有り難い。
婚約したから絶対に婚姻を結ばなければならない訳ではない。
何故ならアルベルティーナが選ぶ立場で、ルシアノ王子は選ばれる側だから。
残念ながら本人にその自覚はないのだろう。
まるでアルベルティーナが惚れ込んで婚約を決めたとばかりな振る舞いである。
国同士の結びつきに愛など求めてはいない。
政略結婚でありながら、後に愛し合う夫婦になる話は聞く。
そうなれたらいいなとは淡く思ってはいたが、なれなくとも問題はなかった。
アルベルティーナは女王になるべくして教育を受けている。
女王は既に国と結婚している様なものだ。
国の顔としてどうあるべきか、どう導くべきかだけを考えて生きてきた。
人の好き嫌いで伴侶を選んだりはしない。
――私の婚約者は夢見がちね。
王族としては残念な頭かもしれない婚約者。
私の婚約者は誰もが認める華やかな美貌と、王配として申し分のない能力を持ちながら、
お花畑の脳内と残念な下半身をお持ちらしい。
有意義な留学になりそうだけれど、この1年は無駄になりそうだわ。
相手側に多大な過失があるのだから、慰謝料請求して破棄でもいいかとアルベルティーナは考える。
下半身がだらしないと分かった時点で破棄か解消をとならなかったのは、
きっと次は女王が決めた相手に確定しそうだからだ。
絶対にあの方になると分かっている為、婚約者がすぐ正気に戻るのを期待していたのに。
ちょっかい出せば出すほど禁断の恋とかバカみたいな台詞を吐いて盛り上がられても困ると思い、
何も干渉しなかったのがダメだったのかもしれない。
――貴方がその気なら、お望みの通りに。
それにしても、毎日の様に繰り広げられるこの光景にも慣れましたわね。
広場に設置された長椅子の1つに座り、ぼんやりとその光景を眺める。
長椅子の後ろで待機している2人の護衛から殺意がちょっと離れた男へ注がれているのを感じた。
護衛騎士の2人は私の母国から留学の際に同行して貰った者達だ。
自国の次期女王をバカにされていると感じ憤っているのだ。
アルベルティーナは目の前の逢瀬を冷静に見つめながら、淡々と考える。
男爵、子爵、伯爵、侯爵の令嬢は制覇したようだから、次は公爵かしら?
全制覇を狙ってるのかしらね。
王子がちょっかい出したお相手、婚約者も居た方もいらっしゃいますけど、大丈夫なんですか?
修羅場になったという話を聞かないので、婚姻するまではお互い見て見ぬ振りなのかしら。
我が国では有り得ないわ。
全制覇を果たしそうだというのに、何ひとつ問題にならないこの国。
この国の貴族の子息令嬢は、節度というのを教えて貰っていないのでしょうね。
最後の一線は越えてない様だけど、性に奔放なのはお国柄なのね。
扇を開いて歪む口許を隠しながら、アルベルティーナは心の中で毒づいた。
生徒の憩いの場になっている噴水がある広場。
数人の天使が楽器のラッパを吹き、ラッパの先から水が流れている。
ところどころに色彩豊かな花々が円形の花壇で咲いていた。
憩いの場というだけあって、木製の長椅子が円形の花壇の近くに設置してあった。
その長椅子の1つに、私の婚約者と浮気?相手の令嬢が寄り添って座っていた。
ここは王立学院で貴族の子息令嬢が通う由緒正しい学び舎だ。
学院内では身分関係なく気軽に交流を持つ事が推奨はされている。
が、婚約者がいる者でも節度は守らず自由にしていいというトンデモ校風ではない。
婚約者が同じ学院に在籍している貴族も多く、余計なトラブルを招く行動は制限されている。
そこの長椅子で女に寄り添ってる男は、私の婚約者だけれど自覚なし。
真面目で穏やかで政務能力の高い第二王子…だった筈の男よね?
政務は相変わらず優秀と聞いたが、こんな男だったとは知らなかった。
最終学年で留学してきた私に突きつけられたのは、この男の下半身の緩さだった。
どんなに優秀でも下半身緩い王配は困るわ……
私が留学して目にするまで、何も知らずに居たのだ。
婚約者の本当の姿に驚き、祖国の調査機関の能力すら疑い再調査した結果、
最終学年でこんなにだらしなくなったらしい。
婚約者本人は、婚姻前の最後の火遊びだと周囲に宣ってるそうだ。
――バカでしょう………
第二王子がこの国で王にでもなるなら、下半身緩いのも(選ぶ相手によるけど)許されるのでしょうけどね。
(今、いちゃついてるのは子爵令嬢だったかしら)
心配性のお母様に預けられた祖国の影を使っての行動の監視、後は、王子の取り巻きに潜り込ませた密偵。
そこから情報を得て判断材料と証拠を整えているところだ。
「婚姻前の最後の自由を謳歌しているのだ。婚姻後は私にベタぼれなアルベルティーナは私に纏わり付き、
きっと自由などなくなるだろうからね…」
「類まれな程に美しくとも、驚く程に気の強い女など愛せない。
王命で婿入りしなければならない私は、何て不幸なんだ。私に似合うのは可憐な花であり食虫花ではない。」
「お堅い婚約者が発散させてくれないのだから、他で発散しているだけ。最後まではしていないのだし、婚姻前だから問題はない。」
――軽く聞いただけでもコレであり、最低である。
何よりお母様から貸して貰った影からの報告だ。
お母様にも絶対に報告がいっている。
そのお母様も何故だか静観しているのが余計に怖い。
絶対に何かよからぬ事を企てているに違いないとアルベルティーナは確信するのだった。
卒業後は祖国へと帰国し、それから三ヶ月後に婚姻式を控えている。
私は次期女王、私の婚約者になる者は次期王配。
王配候補の中で最も優秀だと判断されたのは4名。
その4名と何年もかけて交流を持ちながら、最終的な判断で今の婚約者が選ばれた。
ルシアノ・ファン・ヴェーゼル、ヴェーゼル王国の第二王子。
ブリュンヒルド王国の大海を挟んだ向こう側にある広大な大陸にある強豪国の1つヴェーゼル王国。
広い大陸は5つの王国が肩を並べている。
国力が拮抗しているのは、ヴェーゼル王国とヴィレムス皇国だ。
並み居る強豪国の中で、この2国が国力と武力においても突出している。
アルベルティーナの王配候補に、ヴィレムス皇国の第二皇子も入っていた。
最後までどちらになるかと、王配候補においても拮抗していたのだが――軍配はヴェーゼルにあがる。
2人に絞ったのは女王で、どちらか最終的に決めたのはアルベルティーナだった。
ヴィレムス皇国の第二皇子は非常に優秀だった、ヴェーゼル王国の第二王子も優秀だったが、それよりも更にである。
女王が推したのは実はヴィレムス皇国の第二皇子だった。
アルベルティーナも、当初はその優秀な能力を評価してヴィレムス皇国の第二王子にするつもりだった。
どちらの国とも縁を繋ぐに不足はない。
だとすれば王配として優秀な人物を選ぶ事がいいと思った。
――が、とある理由により、アルベルティーナはヴェーゼル王国の第二王子を婚約者に選んだ。
――今ではその決定を後悔しているけれど。
私の婚約者は我が祖国へ“次期王配”として婿入りする予定である。
ブリュンヒルド王国には即位前の姫が婚約者である王配の祖国へ留学する習わしがある。
表向きは、婚約者の祖国へ渡り、婚約者の祖国を知り、仲を深めるという事らしい。
王配として婿入りする相手の国に留学する意味があるのか?
相手の国を知るのは良いことだけれど…婿入りするのだから、我が国に留学し学ぶべきでは?
我が国を共に力を合わせてさらなる発展へと導くのでは?
留学が決まり準備に入りながら、私はそう考えていた。
留学後一ヶ月で、婚約者の祖国へ留学する意味を“正しく”理解した。
人は自分のホームでは素が出るということだ。
我が国で王配候補として過ごすより、婚姻前にどんな風に過ごすのかをじっくり見極めろという期間らしい。
色々とやらかしている婚約者を持った事に気付けた事は、大変有り難い。
婚約したから絶対に婚姻を結ばなければならない訳ではない。
何故ならアルベルティーナが選ぶ立場で、ルシアノ王子は選ばれる側だから。
残念ながら本人にその自覚はないのだろう。
まるでアルベルティーナが惚れ込んで婚約を決めたとばかりな振る舞いである。
国同士の結びつきに愛など求めてはいない。
政略結婚でありながら、後に愛し合う夫婦になる話は聞く。
そうなれたらいいなとは淡く思ってはいたが、なれなくとも問題はなかった。
アルベルティーナは女王になるべくして教育を受けている。
女王は既に国と結婚している様なものだ。
国の顔としてどうあるべきか、どう導くべきかだけを考えて生きてきた。
人の好き嫌いで伴侶を選んだりはしない。
――私の婚約者は夢見がちね。
王族としては残念な頭かもしれない婚約者。
私の婚約者は誰もが認める華やかな美貌と、王配として申し分のない能力を持ちながら、
お花畑の脳内と残念な下半身をお持ちらしい。
有意義な留学になりそうだけれど、この1年は無駄になりそうだわ。
相手側に多大な過失があるのだから、慰謝料請求して破棄でもいいかとアルベルティーナは考える。
下半身がだらしないと分かった時点で破棄か解消をとならなかったのは、
きっと次は女王が決めた相手に確定しそうだからだ。
絶対にあの方になると分かっている為、婚約者がすぐ正気に戻るのを期待していたのに。
ちょっかい出せば出すほど禁断の恋とかバカみたいな台詞を吐いて盛り上がられても困ると思い、
何も干渉しなかったのがダメだったのかもしれない。
――貴方がその気なら、お望みの通りに。
それにしても、毎日の様に繰り広げられるこの光景にも慣れましたわね。
広場に設置された長椅子の1つに座り、ぼんやりとその光景を眺める。
長椅子の後ろで待機している2人の護衛から殺意がちょっと離れた男へ注がれているのを感じた。
護衛騎士の2人は私の母国から留学の際に同行して貰った者達だ。
自国の次期女王をバカにされていると感じ憤っているのだ。
アルベルティーナは目の前の逢瀬を冷静に見つめながら、淡々と考える。
男爵、子爵、伯爵、侯爵の令嬢は制覇したようだから、次は公爵かしら?
全制覇を狙ってるのかしらね。
王子がちょっかい出したお相手、婚約者も居た方もいらっしゃいますけど、大丈夫なんですか?
修羅場になったという話を聞かないので、婚姻するまではお互い見て見ぬ振りなのかしら。
我が国では有り得ないわ。
全制覇を果たしそうだというのに、何ひとつ問題にならないこの国。
この国の貴族の子息令嬢は、節度というのを教えて貰っていないのでしょうね。
最後の一線は越えてない様だけど、性に奔放なのはお国柄なのね。
扇を開いて歪む口許を隠しながら、アルベルティーナは心の中で毒づいた。
生徒の憩いの場になっている噴水がある広場。
数人の天使が楽器のラッパを吹き、ラッパの先から水が流れている。
ところどころに色彩豊かな花々が円形の花壇で咲いていた。
憩いの場というだけあって、木製の長椅子が円形の花壇の近くに設置してあった。
その長椅子の1つに、私の婚約者と浮気?相手の令嬢が寄り添って座っていた。
ここは王立学院で貴族の子息令嬢が通う由緒正しい学び舎だ。
学院内では身分関係なく気軽に交流を持つ事が推奨はされている。
が、婚約者がいる者でも節度は守らず自由にしていいというトンデモ校風ではない。
婚約者が同じ学院に在籍している貴族も多く、余計なトラブルを招く行動は制限されている。
そこの長椅子で女に寄り添ってる男は、私の婚約者だけれど自覚なし。
真面目で穏やかで政務能力の高い第二王子…だった筈の男よね?
政務は相変わらず優秀と聞いたが、こんな男だったとは知らなかった。
最終学年で留学してきた私に突きつけられたのは、この男の下半身の緩さだった。
どんなに優秀でも下半身緩い王配は困るわ……
私が留学して目にするまで、何も知らずに居たのだ。
婚約者の本当の姿に驚き、祖国の調査機関の能力すら疑い再調査した結果、
最終学年でこんなにだらしなくなったらしい。
婚約者本人は、婚姻前の最後の火遊びだと周囲に宣ってるそうだ。
――バカでしょう………
第二王子がこの国で王にでもなるなら、下半身緩いのも(選ぶ相手によるけど)許されるのでしょうけどね。
(今、いちゃついてるのは子爵令嬢だったかしら)
心配性のお母様に預けられた祖国の影を使っての行動の監視、後は、王子の取り巻きに潜り込ませた密偵。
そこから情報を得て判断材料と証拠を整えているところだ。
「婚姻前の最後の自由を謳歌しているのだ。婚姻後は私にベタぼれなアルベルティーナは私に纏わり付き、
きっと自由などなくなるだろうからね…」
「類まれな程に美しくとも、驚く程に気の強い女など愛せない。
王命で婿入りしなければならない私は、何て不幸なんだ。私に似合うのは可憐な花であり食虫花ではない。」
「お堅い婚約者が発散させてくれないのだから、他で発散しているだけ。最後まではしていないのだし、婚姻前だから問題はない。」
――軽く聞いただけでもコレであり、最低である。
何よりお母様から貸して貰った影からの報告だ。
お母様にも絶対に報告がいっている。
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絶対に何かよからぬ事を企てているに違いないとアルベルティーナは確信するのだった。
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