35 / 36
番外編
クラス内魔法大会3
しおりを挟む
それから2回戦、3回戦と順調に勝ち進み、あっという間に決勝になった。
相手は恵太である。
「あいちゃんってあんなに強かったんだ……」
「俺も、恵太は決勝行くと思ってたけどあいが残るとは思わなかったな」
なんてクラスメイトの声が聞こえてくるが、あいの耳には届いていなかった。
なぜなら今めちゃくちゃ緊張しているからである。
実は2回戦、3回戦と、動物好きの女子と対戦することになり、結局1回戦同様柴犬に変身することで降参させ、勝ってきたのだ。
しかし恵太のこれまでの戦いっぷりを見ると、恐らく変身しても容赦なく攻撃してくるだろう。
さて、どうするか。
1度深呼吸をして作戦を考えようとするが、すぐに試合開始の合図が出てしまう。
試合開始と同時にくる攻撃の数々。
とりあえず目の前に結界を張り、攻撃を防いだ。
が、その間に恵太はあいの間合いに入っていて、剣で攻撃してくる。
魔法で強化された剣は結界をいとも簡単に破り、あいをぶっ飛ばした。
「あっぶな……」
吹き飛ばされたあいは枠ギリギリで踏みとどまる。
「惜しかったな。油断している間に枠外までぶっ飛ばそうと思ったのに」
そう言いながら畳み掛けてくるが、反対側の枠までテレポートして避けた。
(あっ、テレポートして恵太を枠の外に出せばいいじゃん)
「テレポート」
しかし見たところにはいるはずの恵太がいない。
テレポートは座標を考えなければならない。
そのため、テレポートするものが定まらないと魔法が発動しないのだ。
幻術なんて使われたら本当の姿が見えなくて座標が定まらないため、魔法は発動しない。
(あいつ、ちゃんとわかってるな)
調子に乗っていた以前のような恵太はいない。
スキルが勇者なだけあってあい同様チートである。
「結局はちゃんと戦わなきゃいけないんだよね」
楽して勝ちたい。
表では傷つけたくないとか言っていたけど心の奥底ではこう考えていたのである。
だが、勇者相手にそれは無理だと気づいた。
なら、全力で戦って勝つのみ!
「とっとと終わらせよ」
その言葉と同時に全方位に向かって風の刃を放つ。
すると1箇所だけ攻撃が弾かれた。
「そこか」
今度は1箇所に狙いを定めて魔法を放つ。
恵太は幻術を使っても意味がないと判断したのか姿を現し、魔法で反撃してきた。
そしてどんどん距離を詰めてきて近接戦に持ち込んでくる。
あいは剣を作り出して応戦するが、使い慣れていないのもあって攻撃を防ぐので精一杯だった。
「これはすごい戦いだね」
「これまでちゃんとした技を見せてこなかったあい選手はどんなことをしてくれるのでしょうか?」
おい実況! なんにも倒す案がないんだから観客を期待させるようなこと言わないで!
──────────
新作ばかり書いているため、更新が遅れています。
すみません(><)
相手は恵太である。
「あいちゃんってあんなに強かったんだ……」
「俺も、恵太は決勝行くと思ってたけどあいが残るとは思わなかったな」
なんてクラスメイトの声が聞こえてくるが、あいの耳には届いていなかった。
なぜなら今めちゃくちゃ緊張しているからである。
実は2回戦、3回戦と、動物好きの女子と対戦することになり、結局1回戦同様柴犬に変身することで降参させ、勝ってきたのだ。
しかし恵太のこれまでの戦いっぷりを見ると、恐らく変身しても容赦なく攻撃してくるだろう。
さて、どうするか。
1度深呼吸をして作戦を考えようとするが、すぐに試合開始の合図が出てしまう。
試合開始と同時にくる攻撃の数々。
とりあえず目の前に結界を張り、攻撃を防いだ。
が、その間に恵太はあいの間合いに入っていて、剣で攻撃してくる。
魔法で強化された剣は結界をいとも簡単に破り、あいをぶっ飛ばした。
「あっぶな……」
吹き飛ばされたあいは枠ギリギリで踏みとどまる。
「惜しかったな。油断している間に枠外までぶっ飛ばそうと思ったのに」
そう言いながら畳み掛けてくるが、反対側の枠までテレポートして避けた。
(あっ、テレポートして恵太を枠の外に出せばいいじゃん)
「テレポート」
しかし見たところにはいるはずの恵太がいない。
テレポートは座標を考えなければならない。
そのため、テレポートするものが定まらないと魔法が発動しないのだ。
幻術なんて使われたら本当の姿が見えなくて座標が定まらないため、魔法は発動しない。
(あいつ、ちゃんとわかってるな)
調子に乗っていた以前のような恵太はいない。
スキルが勇者なだけあってあい同様チートである。
「結局はちゃんと戦わなきゃいけないんだよね」
楽して勝ちたい。
表では傷つけたくないとか言っていたけど心の奥底ではこう考えていたのである。
だが、勇者相手にそれは無理だと気づいた。
なら、全力で戦って勝つのみ!
「とっとと終わらせよ」
その言葉と同時に全方位に向かって風の刃を放つ。
すると1箇所だけ攻撃が弾かれた。
「そこか」
今度は1箇所に狙いを定めて魔法を放つ。
恵太は幻術を使っても意味がないと判断したのか姿を現し、魔法で反撃してきた。
そしてどんどん距離を詰めてきて近接戦に持ち込んでくる。
あいは剣を作り出して応戦するが、使い慣れていないのもあって攻撃を防ぐので精一杯だった。
「これはすごい戦いだね」
「これまでちゃんとした技を見せてこなかったあい選手はどんなことをしてくれるのでしょうか?」
おい実況! なんにも倒す案がないんだから観客を期待させるようなこと言わないで!
──────────
新作ばかり書いているため、更新が遅れています。
すみません(><)
0
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について
水定ユウ
ファンタジー
【火曜、木曜、土曜、に投稿中!】
千年前に起こった大戦を鎮めたのは、最強と恐れられ畏怖された「魔女」を冠する魔法使いだった。
月日は流れ千年後。「永久の魔女」の二つ名を持つ最強の魔法使いトキワ・ルカはふとしたことで眠ってしまいようやく目が覚める。
気がつくとそこは魔力の濃度が下がり魔法がおとぎ話と呼ばれるまでに落ちた世界だった。
代わりに魔術が存在している中、ルカは魔術師になるためアルカード魔術学校に転入する。
けれど最強の魔女は、有り余る力を隠しながらも周囲に存在をアピールしてしまい……
最強の魔法使い「魔女」の名を冠するトキワ・ルカは、現代の魔術師たちを軽く凌駕し、さまざまな問題に現代の魔術師たちと巻き込まれていくのだった。
※こちらの作品は小説家になろうやカクヨムでも投稿しています。
心を切りとるは身を知る雨
水城ひさぎ
ライト文芸
未央(みお)にはかつて婚約者がいた。婚約者の裏切りにより、婚約を解消し、まったく縁のない土地に引っ越した未央は、切り絵作家として店を開く。
未央の作る作品はすべて、雨がテーマ。作品の雨は泣けない私の涙。そう語る未央の店に、中学教師の朝晴(ともはる)が訪ねてくる。朝晴は何かと未央におせっかいを焼く。傷ついた未央の心を癒すのは朝晴なのか、それとも……。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
俺の婚約者は侯爵令嬢であって悪役令嬢じゃない!~お前等いい加減にしろよ!
ユウ
恋愛
伯爵家の長男エリオルは幼い頃から不遇な扱いを受けて来た。
政略結婚で結ばれた両親の間に愛はなく、愛人が正妻の扱いを受け歯がゆい思いをしながらも母の為に耐え忍んでいた。
卒業したら伯爵家を出て母と二人きりで生きて行こうと思っていたのだが…
「君を我が侯爵家の養子に迎えたい」
ある日突然、侯爵家に婿養子として入って欲しいと言われるのだった。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
異世界でショッピングモールを経営しよう
Nowel
ファンタジー
突然異世界にやってきたジュン。
ステータス画面のギフトの欄にはショッピングモールの文字が。
これはつまりショッピングモールを開けということですか神様?
恋より友情!〜婚約者に話しかけるなと言われました〜
k
恋愛
「学園内では、俺に話しかけないで欲しい」
そう婚約者のグレイに言われたエミリア。
はじめは怒り悲しむが、だんだんどうでもよくなってしまったエミリア。
「恋より友情よね!」
そうエミリアが前を向き歩き出した頃、グレイは………。
本編完結です!その後のふたりの話を番外編として書き直してますのでしばらくお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる