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31話

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 それからの展開は早かった。
 カルテット王国では国民の反乱が起き、王族は皆処刑されたという。
 そして今は隣国ルージュ王国の保護下にあるそうだ。
 
 この反乱は歴史に残るものとなり、「異世界の勇者一行の反乱」として受け継がれていくものとなった。
 このことがあってから他国で異世界人を召喚すると国が滅びるという噂が広がり、召喚する国は無くなった。
 酷いだが、これから先犠牲になる人がいなくなるのならしょうがないと思う。

 そしてステータスの星の件は誤解が解けて、使いやすさとして正確に認識されるようになった。

 魔族と人間の関係は、アリーシアさんと魔王様が色々と頑張ったみたいで、とりあえずそれなりの関係になった。
 これから先何年もの長い年月をかけてより良い関係へと発展していくことだろう。



 あい達はあの後カルター二領に戻ってきていた。
 帰り損ねてからあまり時間が経っていなかったため、1ヶ月弱の暇な時間があった。
 少し長い修学旅行のような感じで、みんなは観光したり、魔法を使ったりして異世界生活を楽しんだ。



 帰る日。
「本当にお世話になりました」

 クラスメイト全員で頭を下げる。

「多分ないと思うけどまた来てね」

 と、アリーシアさんに言われた。
 クラス全員が思ったこと。

(絶対きたくない)

 異世界も確かに楽しいしすごいことが沢山あるけど、日本の生活に慣れていたらやっぱり日本がいいなと思ってしまう。

 それから日本に帰ってきた。

「やったー日本だー!」

 全員安心した顔で笑っている。
 長いようで短いような2ヶ月だった。

「それじゃあ高校まで送るね」

 あいかさんは日本でも魔法を使えるらしい。
 テレポートで高校の屋上まで送ってもらった。

 お礼を言ってあいかさんと別れたあと、全員が学校の屋上から沈みかけている夕日を眺める。

「なんかあっという間だったな」

「うん。でもこれからが大変だよ。多分色んな人に質問攻めにされる」

「まぁクラスの絆が強くなったし、いい経験になったんじゃない?」

「よし!それじゃあみんなで乗り越えよ「グゥゥ」」
 せっかくいいことを言っていたあいの言葉を遮ったのはあやかのお腹の音。
 面白くてみんな笑っていた。
 それから長い間笑い声がやまなかった。





 あいの不思議な日常はこれで幕を閉じた。
 だが、忘れては行けないことがある。


 、いや、はいつか身を滅ぼすということを。


 辛いことも楽しいことも、協力して乗り越えていく。
 これからも日常は続いていく。







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