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28話

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 その声はあやかの声だった。
 あやかはアリーシアさんに何かを話し、頷いたアリーシアさんがこちらに近づいてくる。

「ねぇ、その子返してくれない?」

 やっぱり誘拐されたと思ってる。
 いや実際そうだけど。
 
「アリーシアさん、私は大丈夫です!
それよりこの戦いを止めてください!」

「お前の知り合いだったんだな」

 と横で話を聞いていた魔王が一言言うと、再び殺気を放った。
 戦っていた魔族もクラスメイトもみんなバタバタと倒れていく。
 意識はあるようだが苦しそうだった。
 立っていられたのはアリーシアさんと私だけ。

 私は戦いが止まった今が好機だと思い大声で話す。

「無駄な戦いはやめてください」

 すると魔族から反論の声が、

「人間が攻めてきたから応戦しただけだ!」

 人間側のクラスメイトからは、

「誘拐されたあいちゃんを助けにきただけだよ」

 今度は口論になった。
 なんでこうなるんだよ…

「皆さん、そもそも私たちは戦う必要なんてないんですよ。魔族の皆さんは人間が嫌いですか?」

 これで嫌いと言われたらどうしようもなかったが、返ってきた返事は思った通りのものだった。

「嫌いじゃない。むしろ仲良くしたいと思っている」

「人間も1部を除いて魔族と仲良くなりたいって言ってました」

 実は追い出されてから魔王と人間が本当に戦っているのか調べていたのだ。
 実際はそんなことなく、どちらも干渉しないようにしていた。
 それなのにカルテット王国は魔族は恐ろしいものだと勘違いして戦おうとしていたのだ。
 
 そこであいはある質問をしていた。
 それは魔族とどんな関係でいたいかというもの。
 ルーナの村の人々はぜひ仲良くしたいと、他の国の人達は敵対する理由はないし、違う文化も知りたいと友好的な姿勢を示していた。

 人間と魔族の1部が勝手にをしていて、いがみ合う関係となってきてしまっていたのだ。

「それは本当なのか?」

 魔族の1人が聞いてくる。

「はい。私はこの機会にこのギスギスした関係を改善したいと思っています」

 すると静かに聞いていたアリーシアさんも賛成してくれる。

「私もそれは思ったなぁ。でも改善すると言ったって、実際はどうすればいいの?」

「まず魔王様は魔族全員に対して、人間と戦う必要はないと言ってください」

 あいが描くシナリオはこうだ。
 魔族の勘違いについては魔王に任せ、人間は魔族に対して友好的だと伝えてもらう。
 そして人間側の勘違いはあいが訂正する。

「私は人間側の勘違いの元凶をぶっ叩きに行ってくるので」

 そしてあいは不敵な笑みを浮かべた。






──────────
なんかドタバタしちゃったなぁ………
設定ガバガバですが最終話に向かってラストスパートです!


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