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20話

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~あいside~

 それから冒険者活動をしながら王城の図書館を見せてもらったりしてあっという間に1週間たった。
 さすが国の中心にある図書館だ。
 置いてある本の数が半端なく多く読むのに苦労したが、あいがスキルで大半を読んだため4日ほどで読み終わった。
 だが、それでも異世界について書いてある本はほとんどなく、手がかりは見つからないままだった。

 夜、全員集まって今後の方針について話し合う。

「結局見つからなかったけど、これからどうする?」
 
「ここ数日でそれなりに稼いだから隣の国に行ってみるか?」

 と、こうすけが言った。

 というのも、この数日全員で本を読むのは効率が悪い(あいだけで十分)ということで、男子と女子にわかれて行動していたのだ。
 あいとあやかが読んでいる間、5人は薬草を採取したり簡単な討伐依頼をこなしたりしていた。

「そうだな、ずっとこの国にとどまっていても何もないだろうし、進んでもいいと思う」

 と、りゅうやも賛成の意を表す。

「じゃあ早速明日出発ってことで」

 そして次の日の出発が決まった。



 次の日、移動中に必要な食料などをある程度買ってから隣のエイプリル王国へ向かって出発した。

 すると森に入って30分くらいたった時に気配察知をしていたまさとが反応した。

「だいたい8キロ進んだところに動物の大群がいる」

「どうする、回避した方がいいかな?」

「なんか動物の気配がだんだん少なくなってきた。
人の気配もするから多分倒してくれてると思う」

「それじゃあ回避して進もう」

「おけ」

 というわけで回避したはずなのだが、今、エアーウルフという魔物に囲まれていた。

「あれ?回避したはずだよねー?」

「そのはずだけどまだまだいっぱいいるよ」

「どーゆーことー」
 
 と言いながらあいとりゅうやがなぎ倒していく。
 あいが鑑定した結果このエアーウルフ達も前のジャイアントベアーのように闇に落ちていることがわかった。
 
「浄化するから離れて!」

 そして周囲に浄化の魔法をかける。
 光があたり一体を包み込みエアーウルフの大群は浄化されて逃げていった。

「はぁ、なんだったの…」

「前みたいに闇に落ちてたんだよね。
くまさんは誰かに力を貰ったって言ってたけど、今回もそうなのかな?」

「こうすけのスキルで検索出来ないの?」

「闇状態だと通常以上の力がでるってことしかでてこない」

「そうなんだ………ん、」

 あいが急に木を見上げた。

「どうしたの?」

「あそこ、誰かいる」

 と言いながら指を指す。すると木の上から声が聞こえてくる。

「あれれ、存在感消してたはずなんだけどなぁ」

 そしてそこから1人の女性と1匹の狼のような生き物が現れた。
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