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16話
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ルージュ王国王城のとある一室で。
あい達7人は様々な視線を浴びながら部屋の真ん中に向かって歩く。
「あれが異世界人か」
「本当に強いのか?」
などというコソコソ話が聞こえてくるが、あいを除く6人は緊張でそれどころではなかった。
ちなみにあいはめんどくさいから早く終われ~と心の中で叫んでいた。
ほんと、1人だけいつも余裕である。
「この度は村を救ってくれたと聞いた。
別室にてお礼の品を用意しているので、ぜひ受け取って欲しい。
本当に感謝している」
と王様が話した。
「私たちは当然のことをしたまでです。
感謝されるようなことは何もしていません」
「まぁそう言わずに感謝の気持ちを受け取ってくれ。
ところで異世界人と報告があったが、それは本当なのか?」
これまたド直球な質問だな。
出来れば隠しておきたかった事実をこうもはっきり聞かれてしまっては、こちらも正直に答えるしかない。
「はい。
カルテット王国で召喚され、弱いからと捨てられました」
そのあいの一言で周りに立っている貴族達がザワザワし始めた。
「カルテット王国はなにか企んでいると思っていたがやはりか…
それで、報告ではとても強いと聞いているがどういうことだ?」
「それは私たちにも分かりません。
全てはカルテット王国の人達が判断したことなので、あの人たちから見たら弱かったのでしょう」
それから王様はしばらく黙り込んでしまった。
「…とりあえず、謁見はこれで終了とする。
お礼の品を渡したいため、執務室に移動してもらいたい」
その王様の一言で謁見は終了した。
ルージュ王国王城の執務室で。
そこに移動すると、王様、宰相、騎士団長の3人だけがいた。
ちなみに天井裏に護衛が何人かいるみたいだが、今は気にしないことにした。
「あー、適当に座ってくれ」
あい達が部屋に入るとさっきとは全く違う口調で話しかけられる。
「まず、これがお礼の品だ。
遠慮なく受け取って欲しい」
そう言って出されたものはお金のようなものとメダルだった。
「なんですか?これ」
「これは王家のメダルだ。
これを見せれば国内では大抵の事はできる。
あとは10万マニ。
これから旅をするなら金は必要だからな」
この世界の通貨はマニというものだ。
1マニ1円で、日本と計算は変わらないようだった。
「………ありがとう、ございます」
「なんだ、いらないのか?」
「いえ、てっきり国のためになんかして欲しいって言われると思ってたので…」
「ああ、まぁ出来ればそうして欲しかったがこいつに止められたからな」
といって後ろにたっているオスカーさんを指さす。
「そりゃあんな魔法を見たらな」
王の前なのにそんな口調で大丈夫?と思ったが、ふと思い出した。
「オスカーさんってもしかして王子様?」
あい達7人は様々な視線を浴びながら部屋の真ん中に向かって歩く。
「あれが異世界人か」
「本当に強いのか?」
などというコソコソ話が聞こえてくるが、あいを除く6人は緊張でそれどころではなかった。
ちなみにあいはめんどくさいから早く終われ~と心の中で叫んでいた。
ほんと、1人だけいつも余裕である。
「この度は村を救ってくれたと聞いた。
別室にてお礼の品を用意しているので、ぜひ受け取って欲しい。
本当に感謝している」
と王様が話した。
「私たちは当然のことをしたまでです。
感謝されるようなことは何もしていません」
「まぁそう言わずに感謝の気持ちを受け取ってくれ。
ところで異世界人と報告があったが、それは本当なのか?」
これまたド直球な質問だな。
出来れば隠しておきたかった事実をこうもはっきり聞かれてしまっては、こちらも正直に答えるしかない。
「はい。
カルテット王国で召喚され、弱いからと捨てられました」
そのあいの一言で周りに立っている貴族達がザワザワし始めた。
「カルテット王国はなにか企んでいると思っていたがやはりか…
それで、報告ではとても強いと聞いているがどういうことだ?」
「それは私たちにも分かりません。
全てはカルテット王国の人達が判断したことなので、あの人たちから見たら弱かったのでしょう」
それから王様はしばらく黙り込んでしまった。
「…とりあえず、謁見はこれで終了とする。
お礼の品を渡したいため、執務室に移動してもらいたい」
その王様の一言で謁見は終了した。
ルージュ王国王城の執務室で。
そこに移動すると、王様、宰相、騎士団長の3人だけがいた。
ちなみに天井裏に護衛が何人かいるみたいだが、今は気にしないことにした。
「あー、適当に座ってくれ」
あい達が部屋に入るとさっきとは全く違う口調で話しかけられる。
「まず、これがお礼の品だ。
遠慮なく受け取って欲しい」
そう言って出されたものはお金のようなものとメダルだった。
「なんですか?これ」
「これは王家のメダルだ。
これを見せれば国内では大抵の事はできる。
あとは10万マニ。
これから旅をするなら金は必要だからな」
この世界の通貨はマニというものだ。
1マニ1円で、日本と計算は変わらないようだった。
「………ありがとう、ございます」
「なんだ、いらないのか?」
「いえ、てっきり国のためになんかして欲しいって言われると思ってたので…」
「ああ、まぁ出来ればそうして欲しかったがこいつに止められたからな」
といって後ろにたっているオスカーさんを指さす。
「そりゃあんな魔法を見たらな」
王の前なのにそんな口調で大丈夫?と思ったが、ふと思い出した。
「オスカーさんってもしかして王子様?」
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