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学園に住みつく猫は!

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 「それでハクよ。どうしてこんな時間の学園に姿を?」


 クリムがハクに改めて質問を始める。


 「私は人の姿に変われるようになってから、観察するようになった。そうしているうちに、私も何だか憧れちゃって。特に学生って人たちに。だからその気分を味わいたいなって思ったの」

 「憧れか」

 「うん。制服ってやつも可愛いし、友達と話したりしてて楽しそうで。猫の生活も悪くなかったけど、見てたら憧れちゃったの」


 俺としては猫としての生活も気になるが。
 今はそんなこと聞いてる場合じゃないな。


 「なぁハク、その憧れから夜の学園に忍び込んだんだろ? 他に人がいなくても良かったのか?」

 「もちろん、昼間にも来てみたいけど。ずっと変身できるわけじゃないし、皆んなを驚かせたりしちゃうかもって」


 なるほどな、確かにクリムも珍しいと言ってたし、騒ぎにはなるかも。
 というか、そこまで考えて行動できる猫って凄くないか?


 「ふむ、猫にも悩みは多いようだ……では、それを私が解決させてみようか」

 「そんなことができるのかクリム?」


 自分で言って思ったが、クリムならできるのかも。


 「大樹よ、私を誰だと思っている」


 クリムは口をニヤリとさせる。
 多分、学園側に伝えるんだろうな。


 「と言うわけで、後はハク次第だ。学生というものを、味わってみないか?」


 クリムの問いに、ハクは目を輝かせ。


 「もちろん!」


 即答したのだった。
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