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サークルメンバーとキノコ狩り4!

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 キノコを取られて不機嫌なのか、マッシュリザードが俺に襲いかかる。
 距離は限りなくゼロで、逃げる術もない。

 この世界ではキノコ一つ取れないのか。
 ああ、せめて魔法の一つくらい覚えたかった。

 俺が諦めた時、目の前のマッシュリザードが動きを止める。
 そして、その目線の先を見てみると、いつの間にか茂みから出てきていたフローラが。


 「大樹さんを殺そうとするなんて、絶対に許しません! 今すぐそこをどいてください!」


 言葉遣いはいつもと同じだが、迫力が違う。
 この世界に来てまだ日は浅いが、それでも感じる強力な魔力。

 フローラはすでに魔法を唱え終わっていて、後は発動するだけの状態。
 その強大な魔力を、マッシュリザードも感じたんだろう。

 しかし。


 「グォー!」


 覚悟を決めたのか、再び俺の方へ振り向き、襲いかかってくる。
 その時だった。


 「ヴィンド!」


 フローラの魔法が発動される。
 その瞬間、マッシュリザードに向かって、強風が吹き荒れる。

 近くにいる俺にはギリギリ当たらない。
 マッシュリザードを襲う強風は、さらに威力を増していき。


 「私言いましたよね? 絶対に許しません!」

 「グ、グォー」


 ついに耐え切れなくなってきたのか、マッシュリザードの叫びが弱くなる。
 それでもフローラは止めることなく。


 「これでおしまいです」


 そう言うと、これまで以上の風を吹かせる。
 つい最近まで魔法使えなかったのに、すごい成長だ。


 「グ、グォ」


 これだけの強風を、よく受け止めている。
 しかし限界がきたようで。


 「グォ~」


 マッシュリザードはものすごいスピードで飛ばされていった。
 その先が人のいないところなら良いんだけど。


 「大樹さん!」


 フローラに呼ばれ振り返ると、魔法のせいか、それとも走ったせいか、息が荒い。


 「大丈夫かフローラ。かなり息が荒そうだけど」

 「大丈夫か、じゃないです! 私なんかよりも、大樹さんの方が危なかったじゃないですか!」


 心配されているのか、怒られているのか。
 俺たちのやりとりを見ていたリッシュや先輩も寄ってきて。


 「危なかったな大樹? お前がマッシュリザードに近づいた時から、フローラさんは祈りっぱなし。起きた時にはもう、詠唱を始めてたんだぜ?」

 「そ、そうだったのか。ありがとな、フローラ」

 「いいえ、無事でよかったです」


 こんなに話すフローラを初めて見た。
 マッシュリザードじゃないけど、俺も怒ったフローラは怖いと思ったし。

 今日はフローラの知らない顔をたくさん見れた気がする。


 「なぁフローラ、改めて助かったよ。それから、心配かけて悪かった」


 俺がそう言うと、フローラは俺の目を見て、笑顔になるのだった。
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