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モブキャラ男子の祝日

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 明日からまた学校か。
 土曜には感じない、日曜特有の感情。
 特に趣味のない僕は、休みの日でもゴロゴロしたりするだけ。

 漫画やゲーム、とにかく家から出ないもんだ。
 考えてみると、主人公というやつはとにかく外へ出てる気がする。

 モブキャラ卒業を目指すなら、やっぱり行動しなくては駄目だろう。



 そんなことを考えていた時、母さんから買い物を頼まれた。
 いつもなら断るんだけど、せっかくの機会だし、外へ出てみようと。

 ということで、現在近所のスーパーへ一人で向かっている。

 日曜日だから子供が多いなぁ。
 それに人も多そうだ。
 ……帰りたくなってきた。

 しかし、そう思った頃にはついているわけで。
 家からスーパーまで、歩いてたったの五分だから仕方ない。

 何も買わずに帰ってもあれだし、さっさと終わらせちゃおう。

 そんなことを考えながら店内に入り、カゴに手を伸ばすと。


 「おっ、博じゃないか。休みの日に外にいるなんて珍しい」

 「こっちのセリフだよ大地。しかも買い物なんて」

 「ん? 俺はいつもしてるぞ。お前とは違うんだよ」


 それはもう、ぐうの音も出ない。
 外で休日を過ごすのは、本当に久しぶりだから。


 「ところで博、今日は何でこんなところに来たんだ? 買い物でも強制されたのか」

 「強制ではないけど……」

 「強制じゃないだと!? 今日はなんだ、雪とか地震とかくるのか」


 大地が本気で驚いた声を出す。
 そんなに驚くほどなのか。


 「そんなにビックリしなくても」

 「いやいや、普段外へ出ないお前と、今こうして外で話してるって事が驚きでな」

 「ま、まぁそれもそうだけど」

 「あれか? モブキャラ卒業のためにって思ったのか」


 僕の友人はエスパーなのだろうか。
 そう思うほど、いつも考えとかがバレてる。

 だけど認めるのも嫌なので。


 「違うよ? たまには気分転換もいいかなってね」


 出来るだけフラットに言ってみるも。


 「そうか、モブキャラ卒業のためか~。頑張ってるなぁ」

 「違う違う」


 これ以上は恥ずかしいからやめて下さい。



 「んで? そのノートは明日渡すのか」

 「そうなんだけどさ、今からもう、何をするのか緊張しちゃって」


 買い物を済ませ、途中まで一緒に帰ろうってことになり、雑談している。


 「でもまぁ、桜さんの相談は、かなり頼れるって聞くぞ? 噂では、モテたいって相談した男子が彼女作れたとかな」

 「なにそれ本当!? いったいどんな方法で……」


 知りたいような、怖くて知りたくないような。
 僕のこのモブキャラ卒業を、どう言った方法で治そうとしているのか。


 「まぁ今から悩んでも仕方ないさ。桜さんに頼るって決めたのはお前だし、信じるしかないだろ」

 「そうだね。その通りだ」


 僕は現に、行動するって事ができた。
 この調子で脱モブキャラも叶うのかもしれない。


 「ありがとう大地。おかげで明日が楽しみになった」

 「気にすんなよ」


 外に出て大地に会えた。
 たまには買い物もいいもんだな。
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