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災い転じて福が来た
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~茉鈴~
期末試験は、母の立てたスケジュールのおかげで、十分に勉強できたので、いつもより手ごたえを感じた。
新しい髪型は、友達にも好評だし、「病気で痩せて肌も綺麗になったね」って羨ましがられた。
瘠せたからか、クラスの男子からぽっちゃりキャラでいじられることもなくなった。
周りから褒められると嬉しいもので、現状を維持しようと頑張る気持ちが湧いてくる。気がつけば、食事の内容やお菓子の量、運動、睡眠時間は、母の計画通りに今も、やっている。手伝いも前ほど億劫に感じない。あの手伝い三昧の日々に比べると、20分くらいで終わる手伝いは、母が優しく見えてしまう。母よ。手加減してくれてありがとう。
眉毛のことは結局友達には言えなかった。
母に相談すると、
「卒業して10年経った頃に、同窓会があるだろうからその時に話せばいいんじゃない?
その頃には、笑って話せるだろうから。」
とアドバイスをくれた。
10年後でいいと言われて気持ちが楽になった。
期末試験が終わって2日経って、秀平から一緒に映画に行こうと誘われた。航平は友達と約束があるらしく、2人で行くことになった。秀平とは、好きなジャンルが一緒だから、観た後で感想を語れるからいい。
それにしても秀平とは、最近一緒にいる時間が増えたと思う。
「風邪も滅多にひかない私が、病気した」と思っているせいか、何かと気にかけてくれる。航平に会いに来るついでに、私とも雑談したり、週末3人で遊びにいったり、3人でお菓子を食べたり、昔に戻ったみたいで嬉しい。
同じクラスの速水さんと付き合うって噂もあったけど、友達どまりだったようだ。それを聞いて、ほっとした自分に驚いた。
わたし?もしかして、航平のことが好き・・・かも。
もう少し一緒に過ごしたら気持ちがはっきりするのかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~茉鈴の弟の航平~
姉ちゃんと秀平くんは、お互いに両想いだ。本人たちは、周りは気がついてないと思っているが、ばればれだ。
最近、2人とも俺をだしにして、話したり、遊んだりする。
やめて欲しい。
だけど、俺は、1か月半前に、姉ちゃんの眉毛を悲惨な状態にしてしまったのもあって、強く言えない。
ポーンポーンポーン♪
秀平くんから、また3人で遊ばないかとメールが来た。
はあ。
どうでもいいから、はやくどっちかから告白して、俺を自由にしてほしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~秀平~
茉鈴とのデートは、楽しかった。格好つけなくていいし、冗談も言い合えるし、何より茉鈴が可愛く見えて仕方がない。ショッピングモールのフードコートで、映画の感想を語り合っている内に、時間はあっという間に過ぎて、そろそろ帰らないといけない。
告白しようか。
いや、まだ早いか。
焦る自分の心を抑えようと、茉鈴に「アイスクリーム食べようぜ」と言った。
俺はかき氷を選んで、茉鈴は、チョコレートアイスを選んだ。
アイスの冷たさが、のぼせている気持ちを冷ましてくれて助かる。
ピロリロリン♪
メールが入った。航平からか。
部活の先輩から茉鈴に彼氏がいるかどうか聞かれたらしい。
何か知っているか聞いてきた。
先輩が出てきたか。
先輩が行動に出たら、俺は今より困るだろう。
俺は、心を決めて「茉鈴には彼氏はいる」と返信した。
こうなれば、勢いに任せよう。俺は茉鈴に告白する!
「茉鈴。」
「なに?秀平。こっちのアイスクリームも1口欲しいの?」
「アイスも欲しい。それと、俺と彼女として付き合ってほしい。」
よし!言えた!
「え!」
茉鈴は、目を真ん丸にして俺を見た。
「幼馴染の関係を壊したくないから、言わずにおこうと思ったんだけど、最近、茉鈴が他の男子から人気があって、気が気じゃなくて。返事、急がなくていいから。」
今日は気持ちを伝えるだけで、精いっぱいだ。顔が熱いし、手もじっとりと汗をかいている。
茉鈴は、固まったままだ。なんかおれだけ突っ走った感じがして、いたたまれなくなった。
いい返事はもらえなさそうな反応に、俺の心はズーンと思い気持ちになった。
はあ。駄目か。こういう時は、なんて言えば気まずさを払拭できるんだろう・・・。
「えっと、秀平。わたしも秀平のこといいと思ってて。よろしくお願いします。」
茉鈴が、恥ずかしそうに段々声が小さくなりながら、返事をくれた。耳が真っ赤になっている。
茉鈴からのOKの返事で、全身の力が抜けた。
「はあーよかったー。断られるかもって焦ったよ。」
「えへへ。ごめんね。自分の気持ちを振り返っちゃってた。
秀平とだったら付き合ってもいいかなって思ってる自分に
気がついたの。好きだよ。秀平のこと。」
茉鈴の口から、「好き」って聞けて、最高に幸せだ。頑張ってよかった。
俺は、いいタイミングでメールしてくれた航平に、心の底から感謝した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~相馬家の台所~
晶(茉鈴と航平の母) と 洋子(秀平の母) の雑談
洋子:「晶ちゃん、相変わらず見事な腕前だったわあ。茉鈴ちゃん、すっかりかわいくなって。同じ学年のお母さんの中でも評判よ。」
晶:「ありがとう。いい感じの仕上がりでしょ?新人指導をするみたいで、仕事を思い出して、久々に腕が鳴ったわあ。」
楓と航平の母、晶は、楓を磨くべくしごいた日々を思い出し、うっとりとした。
洋子:「それにしても2週間も休ませるなんて、思い切ったことをしたわね。計画を聞いた時は、びっくりしたよ。」
晶:「夫が、茉鈴には甘いからね。長期出張のあの時しかなかったのよ。多少悩んだけど、行動に移してよかったと思ってる。」
洋子:「だんなさん、茉鈴ちゃんの髪型を見て、反応どうだった?だんなさんの希望で、茉鈴ちゃん髪を伸ばし始めたのよね。」
晶:「あはははは。あの時は笑えたなあ。あー、茉鈴を見てね。絶句してたわ。でも、茉鈴が新しい髪型を気に入っているでしょ?あきらめて、褒めてたわよ。」
洋子:「ふふふ。それは、面白かったでしょうね。私も見たかったなあ。」
晶:「よっこには、感謝してるよ。家具をずらすのを手伝ってもらったり、計画の予行練習するのに付き合ってもらったり、あとは、秀平君がお見舞いに来れないようにしてくれたり、近所のお母さんたちにも上手く話してくれたでしょ?本当、ありがとね。」
洋子:「いいのいいの。わたしも晶ちゃんの計画に参加できて楽しかったから。晶ちゃんと久々に大掛かりなことができてワクワクしたわ。でも、航平君には、ちょっと悪かったかな。私が晶ちゃんを止めなかったから、お姉ちゃんのために、原因にされて。」
晶:「そうでもないのよ。航平は昔から距離感なくて、物や人にぶつかるから、ちょっと心配だったのよ。いつか誰かにからまれるんじゃないかって。あれからは、航平も気を付けて動いているから、物にぶつからなくなったから、一石二鳥なのよ。」
洋子:「そうなの?それも狙いの1つだったの?それならほっとしたわー。航平君見るたびに、心が痛かったのよね。」
晶:「大丈夫よ。眉毛騒動があって、よっこの所に避難させてもらえて、あの子ほっとしてたわよ。よっこの所に行くと美味しいお菓子を出してもらえるって、喜んでたもの。」
洋子:「それにしても、秀平と茉鈴ちゃんが付き合うことになってびっくりしたわあ。もしかしてあれも晶ちゃんの計算の内?」
晶:「いやあ、そこは、計算していないよ。もしかしたらそうなるかなあくらいには、思ったけど、まさか本当になるとはね。」
洋子:「うちの秀平、いい格好しいだから、幼馴染のままでいて、きっと本心は言わないと思ってたわ。」
晶:「航平によると、秀平くんから茉鈴に告白してくれたらしいのよ。男らしくなったわねえ。」
(その前に航平に相談されて、アドバイスしたのは、よっこにはもうしばらくは内緒にしとこ。)
洋子:「そうなの?意外とやるじゃない。あの子。」
(きっと秀平から告白できるように晶ちゃんが何かやってくれたのね。)
晶は、うんうんと同意して頷いた。洋子は、嬉しそうに、晶が用意したりんごジュースを飲んだ。
晶:「理想の彼女になれるように、茉鈴の家事スキルも磨いておいたから。よっこ、お菓子作りといろいろ指導してやってね。わたし、お菓子作りは苦手なのよねえ。」
洋子:「わあ。茉鈴ちゃんと久しぶりにお菓子作りできるのね。楽しみだわー。早く付き合ってるって、本人たち、教えてくれないかしら。」
晶:「付き合ってるって言ってきたら、盛大にからかってやろう。」
晶は、にやりと口角上げて笑った。
洋子:「わあ。それいいわあ。どうやってからかおうかしら。」
洋子もにっこりと笑った。
晶:「それじゃあ、8月に・・・・。」
洋子:「そうなると、晶ちゃんの旦那さん対策は・・・。」
2人は、それはもう生き生きとした表情で、次のいたずらの計画を立て始めた。
母策士 掌で踊る 子どもたち 眉毛の喜劇 出来上がり!
~ 完 ~
眉毛カットの失敗は、誰でも1度は経験するのではないでしょうか?
わたしも時々やらかしちゃいます。(>V<)”
今回は、もし眉毛カットの失敗が幸せに繋がったらどうなるだろうと想像しながら書きました。
航平くんには、苦労をかけましたが、母晶さんがいきいきと動いてくれて、書いてて楽しかったです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
佐野三葉(さの みつは)
期末試験は、母の立てたスケジュールのおかげで、十分に勉強できたので、いつもより手ごたえを感じた。
新しい髪型は、友達にも好評だし、「病気で痩せて肌も綺麗になったね」って羨ましがられた。
瘠せたからか、クラスの男子からぽっちゃりキャラでいじられることもなくなった。
周りから褒められると嬉しいもので、現状を維持しようと頑張る気持ちが湧いてくる。気がつけば、食事の内容やお菓子の量、運動、睡眠時間は、母の計画通りに今も、やっている。手伝いも前ほど億劫に感じない。あの手伝い三昧の日々に比べると、20分くらいで終わる手伝いは、母が優しく見えてしまう。母よ。手加減してくれてありがとう。
眉毛のことは結局友達には言えなかった。
母に相談すると、
「卒業して10年経った頃に、同窓会があるだろうからその時に話せばいいんじゃない?
その頃には、笑って話せるだろうから。」
とアドバイスをくれた。
10年後でいいと言われて気持ちが楽になった。
期末試験が終わって2日経って、秀平から一緒に映画に行こうと誘われた。航平は友達と約束があるらしく、2人で行くことになった。秀平とは、好きなジャンルが一緒だから、観た後で感想を語れるからいい。
それにしても秀平とは、最近一緒にいる時間が増えたと思う。
「風邪も滅多にひかない私が、病気した」と思っているせいか、何かと気にかけてくれる。航平に会いに来るついでに、私とも雑談したり、週末3人で遊びにいったり、3人でお菓子を食べたり、昔に戻ったみたいで嬉しい。
同じクラスの速水さんと付き合うって噂もあったけど、友達どまりだったようだ。それを聞いて、ほっとした自分に驚いた。
わたし?もしかして、航平のことが好き・・・かも。
もう少し一緒に過ごしたら気持ちがはっきりするのかな。
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~茉鈴の弟の航平~
姉ちゃんと秀平くんは、お互いに両想いだ。本人たちは、周りは気がついてないと思っているが、ばればれだ。
最近、2人とも俺をだしにして、話したり、遊んだりする。
やめて欲しい。
だけど、俺は、1か月半前に、姉ちゃんの眉毛を悲惨な状態にしてしまったのもあって、強く言えない。
ポーンポーンポーン♪
秀平くんから、また3人で遊ばないかとメールが来た。
はあ。
どうでもいいから、はやくどっちかから告白して、俺を自由にしてほしい。
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~秀平~
茉鈴とのデートは、楽しかった。格好つけなくていいし、冗談も言い合えるし、何より茉鈴が可愛く見えて仕方がない。ショッピングモールのフードコートで、映画の感想を語り合っている内に、時間はあっという間に過ぎて、そろそろ帰らないといけない。
告白しようか。
いや、まだ早いか。
焦る自分の心を抑えようと、茉鈴に「アイスクリーム食べようぜ」と言った。
俺はかき氷を選んで、茉鈴は、チョコレートアイスを選んだ。
アイスの冷たさが、のぼせている気持ちを冷ましてくれて助かる。
ピロリロリン♪
メールが入った。航平からか。
部活の先輩から茉鈴に彼氏がいるかどうか聞かれたらしい。
何か知っているか聞いてきた。
先輩が出てきたか。
先輩が行動に出たら、俺は今より困るだろう。
俺は、心を決めて「茉鈴には彼氏はいる」と返信した。
こうなれば、勢いに任せよう。俺は茉鈴に告白する!
「茉鈴。」
「なに?秀平。こっちのアイスクリームも1口欲しいの?」
「アイスも欲しい。それと、俺と彼女として付き合ってほしい。」
よし!言えた!
「え!」
茉鈴は、目を真ん丸にして俺を見た。
「幼馴染の関係を壊したくないから、言わずにおこうと思ったんだけど、最近、茉鈴が他の男子から人気があって、気が気じゃなくて。返事、急がなくていいから。」
今日は気持ちを伝えるだけで、精いっぱいだ。顔が熱いし、手もじっとりと汗をかいている。
茉鈴は、固まったままだ。なんかおれだけ突っ走った感じがして、いたたまれなくなった。
いい返事はもらえなさそうな反応に、俺の心はズーンと思い気持ちになった。
はあ。駄目か。こういう時は、なんて言えば気まずさを払拭できるんだろう・・・。
「えっと、秀平。わたしも秀平のこといいと思ってて。よろしくお願いします。」
茉鈴が、恥ずかしそうに段々声が小さくなりながら、返事をくれた。耳が真っ赤になっている。
茉鈴からのOKの返事で、全身の力が抜けた。
「はあーよかったー。断られるかもって焦ったよ。」
「えへへ。ごめんね。自分の気持ちを振り返っちゃってた。
秀平とだったら付き合ってもいいかなって思ってる自分に
気がついたの。好きだよ。秀平のこと。」
茉鈴の口から、「好き」って聞けて、最高に幸せだ。頑張ってよかった。
俺は、いいタイミングでメールしてくれた航平に、心の底から感謝した。
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~相馬家の台所~
晶(茉鈴と航平の母) と 洋子(秀平の母) の雑談
洋子:「晶ちゃん、相変わらず見事な腕前だったわあ。茉鈴ちゃん、すっかりかわいくなって。同じ学年のお母さんの中でも評判よ。」
晶:「ありがとう。いい感じの仕上がりでしょ?新人指導をするみたいで、仕事を思い出して、久々に腕が鳴ったわあ。」
楓と航平の母、晶は、楓を磨くべくしごいた日々を思い出し、うっとりとした。
洋子:「それにしても2週間も休ませるなんて、思い切ったことをしたわね。計画を聞いた時は、びっくりしたよ。」
晶:「夫が、茉鈴には甘いからね。長期出張のあの時しかなかったのよ。多少悩んだけど、行動に移してよかったと思ってる。」
洋子:「だんなさん、茉鈴ちゃんの髪型を見て、反応どうだった?だんなさんの希望で、茉鈴ちゃん髪を伸ばし始めたのよね。」
晶:「あはははは。あの時は笑えたなあ。あー、茉鈴を見てね。絶句してたわ。でも、茉鈴が新しい髪型を気に入っているでしょ?あきらめて、褒めてたわよ。」
洋子:「ふふふ。それは、面白かったでしょうね。私も見たかったなあ。」
晶:「よっこには、感謝してるよ。家具をずらすのを手伝ってもらったり、計画の予行練習するのに付き合ってもらったり、あとは、秀平君がお見舞いに来れないようにしてくれたり、近所のお母さんたちにも上手く話してくれたでしょ?本当、ありがとね。」
洋子:「いいのいいの。わたしも晶ちゃんの計画に参加できて楽しかったから。晶ちゃんと久々に大掛かりなことができてワクワクしたわ。でも、航平君には、ちょっと悪かったかな。私が晶ちゃんを止めなかったから、お姉ちゃんのために、原因にされて。」
晶:「そうでもないのよ。航平は昔から距離感なくて、物や人にぶつかるから、ちょっと心配だったのよ。いつか誰かにからまれるんじゃないかって。あれからは、航平も気を付けて動いているから、物にぶつからなくなったから、一石二鳥なのよ。」
洋子:「そうなの?それも狙いの1つだったの?それならほっとしたわー。航平君見るたびに、心が痛かったのよね。」
晶:「大丈夫よ。眉毛騒動があって、よっこの所に避難させてもらえて、あの子ほっとしてたわよ。よっこの所に行くと美味しいお菓子を出してもらえるって、喜んでたもの。」
洋子:「それにしても、秀平と茉鈴ちゃんが付き合うことになってびっくりしたわあ。もしかしてあれも晶ちゃんの計算の内?」
晶:「いやあ、そこは、計算していないよ。もしかしたらそうなるかなあくらいには、思ったけど、まさか本当になるとはね。」
洋子:「うちの秀平、いい格好しいだから、幼馴染のままでいて、きっと本心は言わないと思ってたわ。」
晶:「航平によると、秀平くんから茉鈴に告白してくれたらしいのよ。男らしくなったわねえ。」
(その前に航平に相談されて、アドバイスしたのは、よっこにはもうしばらくは内緒にしとこ。)
洋子:「そうなの?意外とやるじゃない。あの子。」
(きっと秀平から告白できるように晶ちゃんが何かやってくれたのね。)
晶は、うんうんと同意して頷いた。洋子は、嬉しそうに、晶が用意したりんごジュースを飲んだ。
晶:「理想の彼女になれるように、茉鈴の家事スキルも磨いておいたから。よっこ、お菓子作りといろいろ指導してやってね。わたし、お菓子作りは苦手なのよねえ。」
洋子:「わあ。茉鈴ちゃんと久しぶりにお菓子作りできるのね。楽しみだわー。早く付き合ってるって、本人たち、教えてくれないかしら。」
晶:「付き合ってるって言ってきたら、盛大にからかってやろう。」
晶は、にやりと口角上げて笑った。
洋子:「わあ。それいいわあ。どうやってからかおうかしら。」
洋子もにっこりと笑った。
晶:「それじゃあ、8月に・・・・。」
洋子:「そうなると、晶ちゃんの旦那さん対策は・・・。」
2人は、それはもう生き生きとした表情で、次のいたずらの計画を立て始めた。
母策士 掌で踊る 子どもたち 眉毛の喜劇 出来上がり!
~ 完 ~
眉毛カットの失敗は、誰でも1度は経験するのではないでしょうか?
わたしも時々やらかしちゃいます。(>V<)”
今回は、もし眉毛カットの失敗が幸せに繋がったらどうなるだろうと想像しながら書きました。
航平くんには、苦労をかけましたが、母晶さんがいきいきと動いてくれて、書いてて楽しかったです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
佐野三葉(さの みつは)
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