呟き

2021/02/10

　私には、決して異性として見ることができない人がいる。出会ったばかりのころ、相手から好意を向けられていたが、私は気づいていないフリを続けた。
　5年ほど経つが、未だに年賀状が届く。
　私の親と話したことがあるのだが、親はその相手をやけに気に入っている。気に入っているのは親であって私では無いのだから、その感情を私に押し付けるなと思っているのだが、今回の主題はそこではない。
　その相手は所謂「変人」と大多数から評価されるような奴だ。私の親はその「変人」具合が好きなようだが、私は、そいつのことを「変人」だとは思いつつ、それで評価を終えようとは思わない。たしかに「変人」な発言はあるけれども、すべてが「変人」なのではなく、「変人」な部分の「変人」具合が目立つだけで、総合的に見ると、決して「変人」ではないのだ。
　そいつの周囲の大人は、そいつを年不相応の「変人」と評価したいようだが、少し近くで話すと、「変人」とは言えないことに気づくはずだ。

　他人を「変人」だと言う人のほとんどが、自身の「変人」な部分に気づいていないのだろう。気づいていても、マジョリティでいようと、「変人」部分は隠すのだろう。
　おそらく、そんな「変人」部分を隠そうとしない人が、「変人」と言われるのだろうな。