魔法陣はいらない

ヤクモ

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十一

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 カオルに再び出会えたことで、この人生も意味のあるものとなった。以前はうまくできずに悪目立ちしてしまったが、今回は普通でいた。その結果、カオルと出会え記憶も思い出せたとは。あの名も知らぬ彼にはことごとく恩義しか感じない。
 しかし、私には記憶があっても、カオルが私をマナだと気づかなくては出会っても何も関係が変わらない。
 カオルがいればそれで充分ではあるが、とりあえず邪魔な者は静かにさせておくか。
「ねぇ、ごめんってば。謝ってるでしょ」
「まだだな。静かにしろと言っているだろ」
 泣き叫ぶ少女に水をかける。いや、かけるなんてかわいいものじゃないか。ホースで噴きかけた水は少女の厚化粧を溶かしていく。
「安心しろ。お前一人ではない。一人残らず、邪魔な者は静かにさせるさ」
 全てはカオルとの世界のため。
 世界を消す魔法陣を、今度こそ作り上げる。
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