11 / 24
#11 痛みを超えた先
しおりを挟む(表紙イラストキャラ:ヤナギ・シオン※幼少期)
ベッドに横たわる僕。
「本当に……良いのですね」
ヤナギは諦めたように顔を近づける。
「ヤナギっ……んんっ」
ヤナギはゆっくりと口付けし、少しずつ少しずつ深くしていく。
「んっ……やばっ、ヤナギすごいっ……」
頭が、クラクラして、フラフラして……
「もっと……もっとっ!」
かき抱くようにしてキスをせがむ僕に、ヤナギは動きを止める。
「もう、良いでしょう……今日はこれで自室に戻って下さい。お願いします、シオン様……」
「なんで……」
「それにその話し方……普段のシオン様らしくないです」
「普段は王子っぽく話してるだけ。今の方が本当の僕なの!」
「シオン様、お願いです。ほんとに私、もう……」
僕は何かに気づいて、ニヤッと笑った。
「ヤナギ……」
ベッドシーツの中を探る僕の手が、ヤナギのあそこに触れる。
「ちょっ、と、本当に、やめてくだ……」
「すごく勃ってる。興奮してるんだよね」
僕がヤナギのものの先端を指で弾く。
「くっ……」
ヤナギは顔を赤らめ、諦めたように言った。
「……分かりました。ただ、私が攻めさせていただきます。奉仕と思えば、私の中で納得がいきますので……よろしいですか?」
僕は頷いた。
「では……」
ヤナギは僕の股間のほうへ潜ると、唇で包み込んだ。
「──!」
今まで感じたことのない刺激に、僕の体が変になったみたいにビクビクと震える。僕は思わずヤナギを包むシーツを取り払った。
「……!」
恥ずかしそうに顔を赤らめるヤナギ。
「イイから、見せて、続けて……んんっ」
「シオン様は……その、初めてですか?」
クチュ ペロ……
ヤナギは舐めながら聞く。
「そう、だよ? ヤナギがこんなヤりなれてるの、僕、知らなかった……」
「それは……隠してましたので。……それでは〝ココ〟も」
ヤナギは僕の穴の辺りを、指でトントンと軽く叩く。
「初めてってことですよね……」
「そう、だよっ!」
「良いのですか? 私なんかが貴方の……」
「っ、良いから、はやくシて!」
「かしこまりました……」
「シオン様、これから私のをナカに入れる準備をします」
淡々と説明してくるヤナギ。
「このヌルヌルした液で、貴方のをほぐしていきます。優しくはしますが、多少は痛むので我慢してください」
僕の穴の周りをぐるぐると潤滑剤で濡らす。
「んっ……」
ゆっくりと、丁寧に、ヤナギの指が僕のナカに入っていく。
「はぁ……いたっ……」
僕が痛みで震えるたびに、ヤナギは優しく僕にキスをして、甘く舌を絡めてきた。
「大丈夫です。ほら、もう少し」
「いた、い……かはぁっ」
ズズズ、とヤナギの指が僕の奥まで進む。
「1本、奥まで入りましたよ」
頭を撫でられ、キスされる。深い口付けに夢中になっていると、ナカをかき回される。痛みで我にかえったころ、また口付けに夢中にさせられる。
丁寧に、丁寧に、僕の穴が広げられていく。
痛みと、気持ち良さで、僕の心がおかしくなっていく──
「もう、止められませんよ。挿れさせていただきます……」
「こんなのっ……入るの?」
痛みに怯えすっかり弱気な僕に、ヤナギはキスをする。
「ん、はぁ……あっ、うっ」
激しい口付けに頭がとろける。繋がれた手をギュッと握り返すと、それに応えるようにヤナギも握った。
「あ──!!!」
凄く、痛かった、でも──
ぎゅぅっ……
ヤナギに包み込まれるように抱きしめられたことのほうが、ずっとずっと気持ちよくて、僕は痛みを忘れることができた──
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
4人の人類国王子は他種族に孕まされ花嫁となる
クズ惚れつ
BL
遥か未来、この世界には人類、獣類、爬虫類、鳥類、軟体類の5つの種族がいた。
人類は王族から国民までほとんどが、他種族に対し「低知能」だと差別思想を持っていた。
獣類、爬虫類、鳥類、軟体類のトップである4人の王は、人類の独占状態と差別的な態度に不満を抱いていた。そこで一つの恐ろしい計画を立てる。
人類の王子である4人の王の息子をそれぞれ誘拐し、王や王子、要人の花嫁として孕ませて、人類の血(中でも王族という優秀な血)を持った強い同族を増やし、ついでに跡取りを一気に失った人類も衰退させようという計画。
他種族の国に誘拐された王子たちは、孕まされ、花嫁とされてしまうのであった…。
※淫語、♡喘ぎなどを含む過激エロです、R18には*つけます。
※毎日18時投稿予定です
※一章ずつ書き終えてから投稿するので、間が空くかもです
悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました!
スパダリ(本人の希望)な従者と、ちっちゃくて可愛い悪役令息の、溺愛無双なお話です。
ハードな境遇も利用して元気にほのぼのコメディです! たぶん!(笑)
【BL-R18】敗北勇者への快楽調教
ぬお
BL
※ほぼ性的描写です
人間の国々を脅かす魔王を討伐するために単身魔王の城へ乗り込んだ勇者。だが、魔王の圧倒的な力に敗北し、辱めを受けてしまうのだった。
※この話の続編はこちらです。
↓ ↓ ↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/17913308/135450151
悪役令嬢の双子の兄、妹の婿候補に貞操を奪われる
アマネ
BL
重度のシスコンである主人公、ロジェは、日に日に美しさに磨きがかかる双子の妹の将来を案じ、いてもたってもいられなくなって勝手に妹の結婚相手を探すことにした。
高等部へ進学して半年後、目星をつけていた第二王子のシリルと、友人としていい感じに仲良くなるロジェ。
そろそろ妹とくっつけよう……と画策していた矢先、突然シリルからキスをされ、愛の告白までされてしまう。
甘い雰囲気に流され、シリルと完全に致してしまう直前、思わず逃げ出したロジェ。
シリルとの仲が気まずいまま参加した城の舞踏会では、可愛い可愛い妹が、クラスメイトの女子に“悪役令嬢“呼ばわりされている現場に遭遇する。
何事かと物陰からロジェが見守る中、妹はクラスメイトに嵌められ、大勢の目の前で悪女に仕立てあげられてしまう。
クラスメイトのあまりの手口にこの上ない怒りを覚えると同時に、ロジェは前世の記憶を思い出した。
そして、この世界が、前世でプレイしていた18禁乙女ゲームの世界であることに気付くのだった。
※R15、R18要素のある話に*を付けています。
病弱な悪役令息兄様のバッドエンドは僕が全力で回避します!
松原硝子
BL
三枝貴人は総合病院で働くゲーム大好きの医者。
ある日貴人は乙女ゲームの制作会社で働いている同居中の妹から依頼されて開発中のBLゲーム『シークレット・ラバー』をプレイする。
ゲームは「レイ・ヴァイオレット」という公爵令息をさまざまなキャラクターが攻略するというもので、攻略対象が1人だけという斬新なゲームだった。
プレイヤーは複数のキャラクターから気に入った主人公を選んでプレイし、レイを攻略する。
一緒に渡された設定資料には、主人公のライバル役として登場し、最後には断罪されるレイの婚約者「アシュリー・クロフォード」についての裏設定も書かれていた。
ゲームでは主人公をいじめ倒すアシュリー。だが実は体が弱く、さらに顔と手足を除く体のあちこちに謎の湿疹ができており、常に体調が悪かった。
両親やごく親しい周囲の人間以外には病弱であることを隠していたため、レイの目にはいつも不機嫌でわがままな婚約者としてしか映っていなかったのだ。
設定資料を読んだ三枝は「アシュリーが可哀想すぎる!」とアシュリー推しになる。
「もしも俺がアシュリーの兄弟や親友だったらこんな結末にさせないのに!」
そんな中、通勤途中の事故で死んだ三枝は名前しか出てこないアシュリーの義弟、「ルイス・クロフォードに転生する。前世の記憶を取り戻したルイスは推しであり兄のアシュリーを幸せにする為、全力でバッドエンド回避計画を実行するのだが――!?
【R-18】♡喘ぎ詰め合わせ♥あほえろ短編集
夜井
BL
完結済みの短編エロのみを公開していきます。
現在公開中の作品(随時更新)
『異世界転生したら、激太触手に犯されて即堕ちしちゃった話♥』
異種姦・産卵・大量中出し・即堕ち・二輪挿し・フェラ/イラマ・ごっくん・乳首責め・結腸責め・尿道責め・トコロテン・小スカ
ヒロイン不在の世界で気づいたら攻略対象に執着されていた
春野ゆき
BL
社会人3年目の遥斗は乙女ゲームをすることが密かな趣味だった。
ある日、遅くまで仕事をしていると疲労のあまり職場で倒れてしまう。目を覚ますと、生前プレイしていた乙女ゲームの世界だった!
悪役令息のリュカに憑依した遥斗はヒロインと推しをくっつけるチャンスだと思ったが、ヒロインは攻略対象以外と駆け落ち。攻略キャラとのイベントが何故かすべてリュカに降り掛かってくる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる