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前世の記憶 sideラリシエル
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私が前世の記憶を取り戻したのは5歳の誕生日の次の日だった。
はしゃぎすぎて階段から落ちたらしい。
次に起きたときには私の中には違う記憶があった。
日本で普通に暮らしていた高校生の記憶だった。
普通に友達がいて、普通に学校に行ってそれなりの成績で、両親も私を愛してくれていた。
欲しいものは何でも買って貰えたし、大学も行きたいところに行きなさいとと言ってくれていた。
今思えば私の家はそれなりに裕福だったんだろうな。
まぁ、その話はおいといて。
誰かこの状況を説明してほしいんだけど。
なんで私が悪役令嬢なの!?というか私死んだの!?そこら辺の記憶がまったくないんだけど!
ここはとある乙女ゲームの世界。
名前は確か『聖女と古の勇者の約束』だったかな。
友達におすすめされて全ルートコンプしたからイベントとか断罪の種類とかは全部頭に入ってるわ。
処刑だけは絶対に嫌だな。
誰でも嫌か。
まぁ、その対策は後でいいとして、乙女ゲームの内容に軽く触れるとある夏の日に王城のサロンに突然現れた銀髪に水色の瞳の少女が、魔王退治を依頼されるんだけど。
魔法の勉強とかこの世界の勉強を兼ねて学園に編入するんだよね。
そこでこの世界のために奮闘する少女の姿を見て、攻略対象者たちが少しずつ興味を持ち始めるんだけど、そこからルート選択になってルートごとに難易度が違くて、一番簡なのが王子ルートで最難関が隠しキャラの皇太子。
王子ルートは選択を2・3回間違えたくらいじゃバットエンドにはならない。
だけど皇太子ルートは選択や発生イベントを1回間違えるだけで一発アウト。
きちんと最後までストーリーをこなした後、バットエンドのシーンへと変わる。
手の込んでいることに選んだ選択肢ごとに違うバットエンドが用意されているの。
それでそこから選んだ攻略対象者とのイベントをこなして、それで卒業パーティーで告白されるんだけど、そのヒロインの恋路を邪魔するのが私なのよね。
嫌になっちゃう。
ちなみにヒロインは全属性持ちで、聖女と呼ばれる存在で、その聖女に選ばれた人が勇者として旅に同行することになる。
ちなみにヒロインがどのルートを選んでも私が悪役令嬢。
そして攻略対象者は全員で8人。
それぞれ個性豊かだけど王子だけは絶対ないわ。
傲慢で我儘だなんて。
でもそんな王子もヒロインは認めて肯定してあげるのよね。
でも!
それよりどうしようかしら。
あんな我儘王子と結婚なんかしたくないし、断罪されるなんてもってのほかよ。
どうしよー。
「お嬢様、お着替えの時間です。」
ノックもなしに入って来たのは私の専属侍女のアリア。
いや、もう7時過ぎてるんだけど。
それより階段から落ちた私を心配しないの!?
そこまで考えてからやっと思い出した。
あ、そうだ。
私ってアリアに嫌われてるんだった。
アリアは丁寧に室内用のドレスを持ってきた。
「こちらに置いておきますのでおひとりでお着替えください。」
そのままアリアが去って行き、私はドレスを見つめた。
まって、これを1人で着替えろと?
いや、冗談でしょ?
茫然と見つめていると扉の外から声が聞こえた。
「お嬢様、入ってもよろしいでしょうか?」
「いいわよ。」
お嬢様らしくなるように気をつけながら許可を出す。
「失礼します・・・!?」
入って来たのはお母様の専属侍女ミーシャ。
私を見て固まった。
「お、お嬢様!お着替えは・・・?アリアはどこに行ったんですか?」
あわてて駆け寄ってきたミーシャに私は笑顔で言う。
「なんかね、どこか行っちゃった。1人で着替えなさいって。」
仕返ししてやるんだから!
「あの子!なんてことを!!」
ミーシャはその場で深く頭を下げた。
「本当に申し訳ありませんでした!あの子は王家から派遣された侍女なんです。」
「いいの、だってアリアが嫌いなのは私だけんなでしょ?それなら大丈夫だよ。ローズに危害が加えられないならそれでいいの。」
まぁ、これは本音。
私の妹ローズリアは本当に可愛い。
この世で一番かわいいと言っても過言ではないわ!
「お嬢様っ!!なんてお優しい!」
そう言えばアリアって聞いたことがあるのよね。なんだったかしら?まぁいいや。
「ミーシャ、このことお母様に言わないで。お願い!」
「かしこまりました、お嬢様。」
ミーシャはそのまま私の着替えを手伝ってくれた。
1日1話更新は難しいと思いますが2日に1話は更新したいと思っています!お気に入り登録していただけると執筆の励みになります!!登場人物も随時更新していきます!!
はしゃぎすぎて階段から落ちたらしい。
次に起きたときには私の中には違う記憶があった。
日本で普通に暮らしていた高校生の記憶だった。
普通に友達がいて、普通に学校に行ってそれなりの成績で、両親も私を愛してくれていた。
欲しいものは何でも買って貰えたし、大学も行きたいところに行きなさいとと言ってくれていた。
今思えば私の家はそれなりに裕福だったんだろうな。
まぁ、その話はおいといて。
誰かこの状況を説明してほしいんだけど。
なんで私が悪役令嬢なの!?というか私死んだの!?そこら辺の記憶がまったくないんだけど!
ここはとある乙女ゲームの世界。
名前は確か『聖女と古の勇者の約束』だったかな。
友達におすすめされて全ルートコンプしたからイベントとか断罪の種類とかは全部頭に入ってるわ。
処刑だけは絶対に嫌だな。
誰でも嫌か。
まぁ、その対策は後でいいとして、乙女ゲームの内容に軽く触れるとある夏の日に王城のサロンに突然現れた銀髪に水色の瞳の少女が、魔王退治を依頼されるんだけど。
魔法の勉強とかこの世界の勉強を兼ねて学園に編入するんだよね。
そこでこの世界のために奮闘する少女の姿を見て、攻略対象者たちが少しずつ興味を持ち始めるんだけど、そこからルート選択になってルートごとに難易度が違くて、一番簡なのが王子ルートで最難関が隠しキャラの皇太子。
王子ルートは選択を2・3回間違えたくらいじゃバットエンドにはならない。
だけど皇太子ルートは選択や発生イベントを1回間違えるだけで一発アウト。
きちんと最後までストーリーをこなした後、バットエンドのシーンへと変わる。
手の込んでいることに選んだ選択肢ごとに違うバットエンドが用意されているの。
それでそこから選んだ攻略対象者とのイベントをこなして、それで卒業パーティーで告白されるんだけど、そのヒロインの恋路を邪魔するのが私なのよね。
嫌になっちゃう。
ちなみにヒロインは全属性持ちで、聖女と呼ばれる存在で、その聖女に選ばれた人が勇者として旅に同行することになる。
ちなみにヒロインがどのルートを選んでも私が悪役令嬢。
そして攻略対象者は全員で8人。
それぞれ個性豊かだけど王子だけは絶対ないわ。
傲慢で我儘だなんて。
でもそんな王子もヒロインは認めて肯定してあげるのよね。
でも!
それよりどうしようかしら。
あんな我儘王子と結婚なんかしたくないし、断罪されるなんてもってのほかよ。
どうしよー。
「お嬢様、お着替えの時間です。」
ノックもなしに入って来たのは私の専属侍女のアリア。
いや、もう7時過ぎてるんだけど。
それより階段から落ちた私を心配しないの!?
そこまで考えてからやっと思い出した。
あ、そうだ。
私ってアリアに嫌われてるんだった。
アリアは丁寧に室内用のドレスを持ってきた。
「こちらに置いておきますのでおひとりでお着替えください。」
そのままアリアが去って行き、私はドレスを見つめた。
まって、これを1人で着替えろと?
いや、冗談でしょ?
茫然と見つめていると扉の外から声が聞こえた。
「お嬢様、入ってもよろしいでしょうか?」
「いいわよ。」
お嬢様らしくなるように気をつけながら許可を出す。
「失礼します・・・!?」
入って来たのはお母様の専属侍女ミーシャ。
私を見て固まった。
「お、お嬢様!お着替えは・・・?アリアはどこに行ったんですか?」
あわてて駆け寄ってきたミーシャに私は笑顔で言う。
「なんかね、どこか行っちゃった。1人で着替えなさいって。」
仕返ししてやるんだから!
「あの子!なんてことを!!」
ミーシャはその場で深く頭を下げた。
「本当に申し訳ありませんでした!あの子は王家から派遣された侍女なんです。」
「いいの、だってアリアが嫌いなのは私だけんなでしょ?それなら大丈夫だよ。ローズに危害が加えられないならそれでいいの。」
まぁ、これは本音。
私の妹ローズリアは本当に可愛い。
この世で一番かわいいと言っても過言ではないわ!
「お嬢様っ!!なんてお優しい!」
そう言えばアリアって聞いたことがあるのよね。なんだったかしら?まぁいいや。
「ミーシャ、このことお母様に言わないで。お願い!」
「かしこまりました、お嬢様。」
ミーシャはそのまま私の着替えを手伝ってくれた。
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