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就活成功させて亡命しよう!
自立に向けて
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私的には色々あった長期休暇も終わり、私達の学年はいよいよ卒業を見据え、その後の人生プランを真剣に考え、それを実現する為の努力に勤しむ。
そんな今日この頃。
「……大会、惜しかったですね」
「ああ。私も三年間努力はしたが、ダンス歴はまだ浅い。優勝者は幼少時よりダンスを嗜んでいたそうだ。
とあれば、学業の片手間に嗜んだだけの私が負けるのも当然だ。
もしもこれが、幼少時より嗜んだ剣で、三年ぽっち何かの片手間に習っただけの同世代に負けたら、私は悔しくてたまらなかっただろう。
だから私はこの結果に満足しているし、むしろすっきりしたよ」
部活動も一区切りつき、私達もそろそろ本格的に自分の身の振り方を決めて動き出さねばならない時期に来ていた。
「ふふ、普段筆不精では済まないレベルで私信など送らない殿下から珍しくお手紙が送られてきましたの。
……まぁ、明らかにあの方の従者のどなたかが殿下の筆跡を真似て書いたものと分かる文章でしたけど。
まぁ、要約すれば愚民の思想にどっぷり浸かってふやけた頭を教育し直してやるから有り難く思え、と。
愚民はどちらか、教育のやり直しが必要なのは貴方の方では、と……他にも突っ込みどころ満載のお手紙でしたわ」
ほほほ、と目が笑っていない微笑みを浮かべるジークリンデさん。
「お陰で、どんな苦労が待っていようと、あの国には絶対に帰らないと決意を新たにする事が出来ましたから、その点では一応感謝しておりますわ」
「それで、私達を集めたからには話がある程度まとまったのかしら?」
そう、今日は悪役令嬢三人組とその元従者達のみならず、ライナーやヘレナといった友人達も一緒に集まってもらっている。
そしてもう一人、ドリス女史も呼んで、街のとあるカフェの個室を一部屋貸し切っていた。
「では、まずは私から。こちらがご依頼頂いた建築物の大まかな図面ですわ」
大きな模造紙に描かれた、間取りの平面図と外観及び内観のイメージ画をそれぞれテーブルに広げる。
学生がよくグループ学習等に使うカフェだけあって、中央の大きなテーブルの他に、座り心地の良い、しかしテーブルで本を読んだり筆記をするにも無理のない姿勢の取れるソファの脇に、蓋付きのコップに入った飲み物と、茶菓子の置かれた小机が別に備え付けられているから、それらを気にする必要もなく図面を広げられる。
まず目を引くのは当然外観のイラスト。
俯瞰図の角度で描かれたカラーイラストに皆の目が向いた。
「建物が、一つでなく幾つも……。貴族の屋敷では主の住む邸宅の他に迎賓館や夜会を開くホールなどを併設している等珍しくもありませんが……、これはその比ではありませんね」
「ああ。周囲の車停め等の部分を除いて見てもかなり広い。
だがそれぞれの建物のデザインが統一され、調和している。
見ている分には素晴らしい建物だが……」
「内観も落ち着いていますが、こちらは種類が多いですわね。
間取り図と見比べながら見た方がよさそうです」
こうして間取り図と内観図に皆の興味が移っていく。
そんな今日この頃。
「……大会、惜しかったですね」
「ああ。私も三年間努力はしたが、ダンス歴はまだ浅い。優勝者は幼少時よりダンスを嗜んでいたそうだ。
とあれば、学業の片手間に嗜んだだけの私が負けるのも当然だ。
もしもこれが、幼少時より嗜んだ剣で、三年ぽっち何かの片手間に習っただけの同世代に負けたら、私は悔しくてたまらなかっただろう。
だから私はこの結果に満足しているし、むしろすっきりしたよ」
部活動も一区切りつき、私達もそろそろ本格的に自分の身の振り方を決めて動き出さねばならない時期に来ていた。
「ふふ、普段筆不精では済まないレベルで私信など送らない殿下から珍しくお手紙が送られてきましたの。
……まぁ、明らかにあの方の従者のどなたかが殿下の筆跡を真似て書いたものと分かる文章でしたけど。
まぁ、要約すれば愚民の思想にどっぷり浸かってふやけた頭を教育し直してやるから有り難く思え、と。
愚民はどちらか、教育のやり直しが必要なのは貴方の方では、と……他にも突っ込みどころ満載のお手紙でしたわ」
ほほほ、と目が笑っていない微笑みを浮かべるジークリンデさん。
「お陰で、どんな苦労が待っていようと、あの国には絶対に帰らないと決意を新たにする事が出来ましたから、その点では一応感謝しておりますわ」
「それで、私達を集めたからには話がある程度まとまったのかしら?」
そう、今日は悪役令嬢三人組とその元従者達のみならず、ライナーやヘレナといった友人達も一緒に集まってもらっている。
そしてもう一人、ドリス女史も呼んで、街のとあるカフェの個室を一部屋貸し切っていた。
「では、まずは私から。こちらがご依頼頂いた建築物の大まかな図面ですわ」
大きな模造紙に描かれた、間取りの平面図と外観及び内観のイメージ画をそれぞれテーブルに広げる。
学生がよくグループ学習等に使うカフェだけあって、中央の大きなテーブルの他に、座り心地の良い、しかしテーブルで本を読んだり筆記をするにも無理のない姿勢の取れるソファの脇に、蓋付きのコップに入った飲み物と、茶菓子の置かれた小机が別に備え付けられているから、それらを気にする必要もなく図面を広げられる。
まず目を引くのは当然外観のイラスト。
俯瞰図の角度で描かれたカラーイラストに皆の目が向いた。
「建物が、一つでなく幾つも……。貴族の屋敷では主の住む邸宅の他に迎賓館や夜会を開くホールなどを併設している等珍しくもありませんが……、これはその比ではありませんね」
「ああ。周囲の車停め等の部分を除いて見てもかなり広い。
だがそれぞれの建物のデザインが統一され、調和している。
見ている分には素晴らしい建物だが……」
「内観も落ち着いていますが、こちらは種類が多いですわね。
間取り図と見比べながら見た方がよさそうです」
こうして間取り図と内観図に皆の興味が移っていく。
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