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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!
健全すぎて焦れったいですわ!【ジークリンデ視点】
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ふふふ、いけないコトをするのがこんなに楽しいなんて。
ロジーネとマルグリット、昔からの素敵な友人と一緒に、ロジーネの義妹であるフィリーネさんの後を追けている。
ちょっとミステリーものの小説の探偵になった様な気分ですわね。
あともう一人、この国フライハイト王国のアンデルセン伯爵家のご令嬢も一緒なのだけれど。
フィリーネさんはミヒャエルと腕を組んではいるものの、その距離は至って健全……、いや健全すぎますわね。
親兄弟相手のエスコートでも、もう少し距離を詰めるもの。
あれでは従兄弟か親戚にやむを得ずパートナーを頼むしかなかった場合の距離感に近いのでは?
フィリーネさんはまだ貴族になって日が浅く、社交の経験も浅いので致し方ない部分もあるかとは思うのですが、ミヒャエルくんの方はグリム伯爵家の養子とはいえ元も下級ながらも一応貴族と聞きます。
ならばもう少し心得ていてもよろしいのでは? と、私はつい思ってしまうのですけれど。
「それにしても、本当に賑やかな街ですわね。それでいて治安も悪くなく、裏路地にすらゴミ一つ落ちていないとは」
学園都市、というだけあって、街には各種様々な学校が建ち並んでいます。
医療学校に家政学校、工業学校に農業学校。
それにマルグリットが目を輝かせそうな騎士学校に体育学校。
芸術学校もあるそうで。
それに付随して、畑や温室、図書館や美術館、博物館に競技場も揃っていて……。
学習環境、という点では天国のような街ですわね。
セイントランド聖国の聖都にある学園前も学生街としての賑わいはございますが、あれとは比べ物になりません。
飲食店や文房具店等だけ比べても、種類豊富でも値段も良心的。
街を歩く方の表情も皆生き生きして……、いえ、幾人か寝不足なのか顔色の悪い方も居られますわね……、今すぐ寝台へ放り込みたくなるような酷いクマもちの方や、参考書とにらめっこしながら歩いて人とぶつかりそうになる方とか。
まぁ、熱心なのは良い事とはいえ何事にも限度はあると思うのですけれど。
けれど、女性と見れば口説かずにいられない私の婚約者ですとか、力加減すら理解できない脳筋男ですとか、理屈っぽいだけのプライドだけは馬鹿高いご子息ばかり見てきた私としては、この国と我が祖国との差が開き続けるのも無理はないと納得してしまいます。
ミヒャエルさんは、バザールから商店街を抜け、図書館へ向かう様ですわね。
「そういえばあの娘、屋敷の図書館も気に入っていましたね。
……お恥ずかしながら、当初は母が嫌がらせ半分に押し込めたのですけれど」
ロジーネが恥ずかしそうに言う。
……まぁ、その気持ちも分からなくはありません。
突然父親が他所にで作った子供を迎え入れ、共に暮らせと命じられたところで『はいそうですか』と納得はできませんもの。
フィリーネさんは出来た方ですけれど、これが勘違いした小娘でしたら私もついつい虐めてしまいそう。
勿論、あまり悪質な苛めは如何なものかと思いますが、ちょっと嫌味をいうくらいは……と、思ってしまいそうな自分がいますの。
けど……フィリーネさん、アナタも。
折角殿方が逢引に誘って下さっているのです、高級アクセサリーとは言いません、その辺のスイーツでもおねだりしたらどうですの!
ほら、あのくれーぷ? というもの、美味しそうですわよ?
でもお二人は真っ直ぐ図書館へと消えていきました……。
ちょっと、肩透かしも良いところですわ!
帰りはもっと楽しませて下さいまし!
ロジーネとマルグリット、昔からの素敵な友人と一緒に、ロジーネの義妹であるフィリーネさんの後を追けている。
ちょっとミステリーものの小説の探偵になった様な気分ですわね。
あともう一人、この国フライハイト王国のアンデルセン伯爵家のご令嬢も一緒なのだけれど。
フィリーネさんはミヒャエルと腕を組んではいるものの、その距離は至って健全……、いや健全すぎますわね。
親兄弟相手のエスコートでも、もう少し距離を詰めるもの。
あれでは従兄弟か親戚にやむを得ずパートナーを頼むしかなかった場合の距離感に近いのでは?
フィリーネさんはまだ貴族になって日が浅く、社交の経験も浅いので致し方ない部分もあるかとは思うのですが、ミヒャエルくんの方はグリム伯爵家の養子とはいえ元も下級ながらも一応貴族と聞きます。
ならばもう少し心得ていてもよろしいのでは? と、私はつい思ってしまうのですけれど。
「それにしても、本当に賑やかな街ですわね。それでいて治安も悪くなく、裏路地にすらゴミ一つ落ちていないとは」
学園都市、というだけあって、街には各種様々な学校が建ち並んでいます。
医療学校に家政学校、工業学校に農業学校。
それにマルグリットが目を輝かせそうな騎士学校に体育学校。
芸術学校もあるそうで。
それに付随して、畑や温室、図書館や美術館、博物館に競技場も揃っていて……。
学習環境、という点では天国のような街ですわね。
セイントランド聖国の聖都にある学園前も学生街としての賑わいはございますが、あれとは比べ物になりません。
飲食店や文房具店等だけ比べても、種類豊富でも値段も良心的。
街を歩く方の表情も皆生き生きして……、いえ、幾人か寝不足なのか顔色の悪い方も居られますわね……、今すぐ寝台へ放り込みたくなるような酷いクマもちの方や、参考書とにらめっこしながら歩いて人とぶつかりそうになる方とか。
まぁ、熱心なのは良い事とはいえ何事にも限度はあると思うのですけれど。
けれど、女性と見れば口説かずにいられない私の婚約者ですとか、力加減すら理解できない脳筋男ですとか、理屈っぽいだけのプライドだけは馬鹿高いご子息ばかり見てきた私としては、この国と我が祖国との差が開き続けるのも無理はないと納得してしまいます。
ミヒャエルさんは、バザールから商店街を抜け、図書館へ向かう様ですわね。
「そういえばあの娘、屋敷の図書館も気に入っていましたね。
……お恥ずかしながら、当初は母が嫌がらせ半分に押し込めたのですけれど」
ロジーネが恥ずかしそうに言う。
……まぁ、その気持ちも分からなくはありません。
突然父親が他所にで作った子供を迎え入れ、共に暮らせと命じられたところで『はいそうですか』と納得はできませんもの。
フィリーネさんは出来た方ですけれど、これが勘違いした小娘でしたら私もついつい虐めてしまいそう。
勿論、あまり悪質な苛めは如何なものかと思いますが、ちょっと嫌味をいうくらいは……と、思ってしまいそうな自分がいますの。
けど……フィリーネさん、アナタも。
折角殿方が逢引に誘って下さっているのです、高級アクセサリーとは言いません、その辺のスイーツでもおねだりしたらどうですの!
ほら、あのくれーぷ? というもの、美味しそうですわよ?
でもお二人は真っ直ぐ図書館へと消えていきました……。
ちょっと、肩透かしも良いところですわ!
帰りはもっと楽しませて下さいまし!
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