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この世界の生き方

ファイアットに向けて

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    国を出る、その方針は決まった。

    そしていつ戦争になるかも分からない状況から、それは早ければ早いほど良くて、場合によっては手遅れになる可能性もあるから、私達は早々にこの街を出て再び旅の生活に戻る事を決める。

    ――が。
    「せめて隣国の情報と地理の勉強はしておかないと」
    隣国と一口に言っても、この国と他の国が幾つ隣り合っているのか、それがどんな国かも分からない。流石にこの国よりはマシと思いたいが、似たり寄ったりの国では困る。
    どの方向に歩いて行くべきかも調べなければ。

    魔法も気になるけど、それは魔法書でも買っておいて、旅の道中にでも練習すれば良い。でも調べ物は街に居る今しか出来ないんだから。

    ふむ、今いるこの街から一番近いのは南の隣国、ファイアットか。どうやら獣人主体の国で、この問題の国ワルーセルに一番悩まされ、一番怒っている国らしい。

    獣人の国か……。つまりモフモフパラダイスって事よね!    いやー、楽しみだわ。
    獣人は大食漢で、飲食店が多く他国にチェーン展開して人気を集めている店が多く存在する。
    魔法は苦手だけど、身体能力や種族由来の種族特性能力に優れ、軍事力もある。
    魔法の得意な魔族と同盟を結んでワルーセルを封じ込めたい考えの様だ。

    ……私的には天国みたいな国だけど、これは国境越えに難儀しそうだなぁ。さて、どうやってこの国の人間で無いことを証明し、異世界召喚の被害者だと理解して貰うか。
    ちゃんと考えないとダメだな。この国を無事に出られたとしても、あちらの国で捕らえられ牢獄に入れられでもしたら本末転倒だ。

    私は頭を悩ませながら、再び臙との旅路に戻るのだった。
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