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第二章 第一次選考会
始まりのお茶会
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全員が席に着いたところで、侍女達がササッとお茶の支度を整えた。
既にテーブルセッティングは出来ていたから、お菓子とお茶の用意だけだけど。
「本日はランチのお時間までこの部屋にて、このメンバーでお茶会をしていただきます。ランチは一度各々のお部屋にお戻りいただき、その後再びこの部屋にて筆記試験を行います」
選考会の開始を宣言した侍従が今日の予定を発表する。
……お茶会、ねぇ。
私達の社交性を見たいのかな?
侍従が離れると、侍女がやって来る。
「お茶をお淹れします。茶葉はいかがいたしましょう?」
……うーん。一応淑女教育の一環として有名どころは覚えさせられているけど、普段は飲めれば良いと安いの買ってるからなぁ……。安物ではないけどさ。
ミルクとお砂糖も断る。そして少しぬるめに淹れて貰った。
「……それではまずは自己紹介から始めましょうか。まずは私から」
全員にお茶が揃うのを待って、上座のお嬢様がまず口を開いた。
「私はリュセ。ロディウス公爵家の三女ですわ」
次に、ロディウス公爵令嬢の右隣に座る、最後にやって来たお嬢様が自己紹介を始めた。
「私はルキア=ワイト、ワイト侯爵家の四女ですわ」
左右に2つお団子をのせ、後ろは肩にかかる髪を遊ばせた少女は静かに自らの名を口にする。
その次はゴスロリハーフアップのお嬢様の番。
「ローゼ=メイアクト、メイアクト侯爵家の長女ですわ」
そして私の右隣の娘は。
「アーシャ、カール伯爵家の三女です」
ゆるいポニーテールを一つ、左で緩く結わえている。
この子もプリンセスラインのドレスだけど、白くてシンプルなデザインの物を選んでいた。
ここで私の番。
「エルシエル=プランツ、プランツ男爵家の次女です」
私の次は、
「ポリーナ=フォレスター、伯爵家の次女です」
メガネに長い前髪が特徴的な娘だった。
そして、頭の高いところで髪を一つに結わえ、唯一ドレスでなく男性の様な格好をした方。
「スーザン=クレール。侯爵家の三女だ」
わぁ、喋り方も淑女というより殿方の様で格好いい。
最後にピンクフリフリのお嬢様。
「アリス=ロンドベルク、ロンドベルク伯爵家の長女よ」
……うん、流石に公爵家のご令嬢はリュセ様一人の様だけど、男爵家出身なのも私だけ……どころか子爵家のご令嬢も居ない。
他は竜人の侯爵家のご令嬢と、獣人族等特徴ある種族のお家ばかり。人族の貴族も私だけ。
本当に、何で私が選ばれたし?
……喉が渇いて仕方なくて、紅茶を啜る……振りしてしっかり飲み干す。
うん、ぬるめに淹れて貰っておいて良かった。
空になったカップに侍女がすかさずおかわりを注いでくれる。
流石王宮侍女、ソツがない。
さぁ、ここからが本番だよね。……あぁ、憂鬱だ。
既にテーブルセッティングは出来ていたから、お菓子とお茶の用意だけだけど。
「本日はランチのお時間までこの部屋にて、このメンバーでお茶会をしていただきます。ランチは一度各々のお部屋にお戻りいただき、その後再びこの部屋にて筆記試験を行います」
選考会の開始を宣言した侍従が今日の予定を発表する。
……お茶会、ねぇ。
私達の社交性を見たいのかな?
侍従が離れると、侍女がやって来る。
「お茶をお淹れします。茶葉はいかがいたしましょう?」
……うーん。一応淑女教育の一環として有名どころは覚えさせられているけど、普段は飲めれば良いと安いの買ってるからなぁ……。安物ではないけどさ。
ミルクとお砂糖も断る。そして少しぬるめに淹れて貰った。
「……それではまずは自己紹介から始めましょうか。まずは私から」
全員にお茶が揃うのを待って、上座のお嬢様がまず口を開いた。
「私はリュセ。ロディウス公爵家の三女ですわ」
次に、ロディウス公爵令嬢の右隣に座る、最後にやって来たお嬢様が自己紹介を始めた。
「私はルキア=ワイト、ワイト侯爵家の四女ですわ」
左右に2つお団子をのせ、後ろは肩にかかる髪を遊ばせた少女は静かに自らの名を口にする。
その次はゴスロリハーフアップのお嬢様の番。
「ローゼ=メイアクト、メイアクト侯爵家の長女ですわ」
そして私の右隣の娘は。
「アーシャ、カール伯爵家の三女です」
ゆるいポニーテールを一つ、左で緩く結わえている。
この子もプリンセスラインのドレスだけど、白くてシンプルなデザインの物を選んでいた。
ここで私の番。
「エルシエル=プランツ、プランツ男爵家の次女です」
私の次は、
「ポリーナ=フォレスター、伯爵家の次女です」
メガネに長い前髪が特徴的な娘だった。
そして、頭の高いところで髪を一つに結わえ、唯一ドレスでなく男性の様な格好をした方。
「スーザン=クレール。侯爵家の三女だ」
わぁ、喋り方も淑女というより殿方の様で格好いい。
最後にピンクフリフリのお嬢様。
「アリス=ロンドベルク、ロンドベルク伯爵家の長女よ」
……うん、流石に公爵家のご令嬢はリュセ様一人の様だけど、男爵家出身なのも私だけ……どころか子爵家のご令嬢も居ない。
他は竜人の侯爵家のご令嬢と、獣人族等特徴ある種族のお家ばかり。人族の貴族も私だけ。
本当に、何で私が選ばれたし?
……喉が渇いて仕方なくて、紅茶を啜る……振りしてしっかり飲み干す。
うん、ぬるめに淹れて貰っておいて良かった。
空になったカップに侍女がすかさずおかわりを注いでくれる。
流石王宮侍女、ソツがない。
さぁ、ここからが本番だよね。……あぁ、憂鬱だ。
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