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断罪

14-7 断罪 - 側近 -

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    「……では、次に行こうか」
    シン、と静まり返った場にやけに平坦な陛下の声が響く。
    時折ぽたり、ぽたりと落ちてくる赤い雫が床を汚すのを見ないようにしながら、それでも不満げに陛下を睨む男達。
    ……うん、奴等の精神力だけは凄いと感心してしまう。
    「……あー。この人達もみのむし体験して貰う?」
    イマルがこれ以上機嫌を悪くする前にと、そっと彼に尋ねれば、
    「二番煎じでは彼らに失礼だろう?」
    ……と、更なるクオリティを求めるスパルタぶり。
    えー、これ以上……って、どうすれば……。
    けど、ついうんうん唸りながらも考えを巡らせてしまう私はすっかりイマルに馴らされてる。……流石一流の魔物使いなだけはあるよね。
    「うーん、じゃあこんなのはどう?」
    氷で十字架を作り、連中をそこへ縛り付け。その足元にチョロチョロと小火を熾こす。
    この程度の火ならちょっと熱いだけでせいぜい火膨れが出来る程度の火傷で済むけど、氷で出来た十字架はゆっくり溶けていく。……いつか、連中の重さに耐えきれなくなってアレが折れたら、小火とはいえ火の海にダイブすることになる。
    余計なお喋りで話を長引かせれば長引かせる程に全身火傷の恐怖が近づく仕組みだ。
   「……ああ。皆さんいい感じに脂を蓄えておいでですし……普通の人よりよく燃えそうですね!」
   「ふむ。では火加減の調整はレムに任せよう。ニールは戻れ。ネイアは引き続き馬鹿な事をほざく奴に一撃食らわせてやれ」
   「……あー。では、お前達の処罰を言い渡す。まずは役職についてはお前達では分不相応だったと見なし、剥奪。爵位と財産についても剥奪及び没収。……ついでにこの度の件以外にも色々と悪さの証拠があがっている。全ての取り調べが完了するまで牢で収監し、その全てが済んだ後、処刑を命じる!」
    ……既に現状の光景が火炙りの刑みたく見えるだけあって、流石の彼らも処刑という言葉に怯えを見せた。
   ――が、この場にそれを哀れむ者など居るはずもなく。
    「……お前達だよな、かつてこのイマルを我が国の愚か者に売り付けた奴等は。どうだ、お前達が虫けらのように扱った者に辱しめられる気分は?」
    魔王様が愉快そうに彼らを眺める。
   「こちらとしては身中の虫を炙り出す良い機会となったし、こうして有能な臣下を手に入れる事ができて万々歳だったけどな。……本人にとっちゃとんでもねぇ話だよなぁ?」
   「……陛下」
     あれ。イマルが赤くなってそっぽを向いた。……照れてるのか、うわ、これ凄く貴重なスチル!    誰か、今すぐ保存セーブしてちょうだい!
   「なあ、イマルよ。こいつらの処刑方法は何が良い?    お前に選ばせてやろう」
   「……思うまま言うなら魔物狩りの囮として生き餌になれと言いたいところですが、そんな処刑方法はどこの国の法にもありませんからね。……せいぜい串刺しの刑あたりが適当ではありませんか?    民の前に晒せば喜んで石をぶつけに来る者が殺到するでしょう」
    ……イマルさん。それはドラキュラ公ことジャック・ウラド氏の所業!    そんな事で吸血鬼らしさを発揮しなくて良いから!
    と、叫びたいけど……。
    でも、実際に苦しんだのはイマルなんだもんね。私にとやかく言う権利はない。それで気が済むなら……まあ、いいか。
    「では、串刺しの刑に処する」
     魔王様が公言した事で、それが正式決定となった。
     そして。
     「次は……」
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