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お約束が果たされる時

12-15 勝利

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    それは、地球では忌まわしき歴史の遺物とされながらも、多分扮装地帯等では未だに行われているのだろう、古式ゆかしい拷問の手口の一つ。
    その方法はいたって単純。
    ただただひたすらに、対象の人物の口に水を流し込み、ひたすら飲み込ませ続けるだけの簡単なお仕事である。
    当然飲めば出るものも出る。
    それを引っかけられたり臭いを嗅がされるのも嫌だから、魔法で即席の小さなプールを作って奴らを落とし、水面の一部だけを凍らせる一方で樽一杯の水をいくつも並べる。
     そしてそこからピッチャーに水を汲んで奴らの口に無理やりあてがいその口に水を流し込む。
    そんな事を城の庭で堂々とやらかしているのだから、当然人が集まってくる。
    でも、城の要人達は既に私達がざまぁしてやったばかり。
    普通なら酷い行いも、奴らの日頃の行いが悪すぎるのと、私達を恐れるあまりこちらを咎める者は誰も居らず。
    むしろふがふがと醜く苦しむ奴らの様に溜飲を下げたと言わんばかりの表情で笑みを浮かべる者すら居る始末。
    出るものと一緒にアルコールを排出させるのが主な目的なので、窒息死だけはさせないように気を付けろと言ってマリーやイマルにも一人ずつ獲物を進呈した。
    ……人の好すぎるケントも流石に彼らにかける情けは無いとばかりに容赦なく水を飲ませ――意外にもその慣れた手つきに驚けば、「自分の弟妹や実の弟妹も同然の村の子供の世話は上の兄姉の仕事だからな。……中でも一番厄介なのが薬を飲ませるってミッションなんだよ」と微笑まれた。
    嫌がって全力で暴れる子供に上手いこと薬を飲ませるテクニックを今に生かしていると。
    そんなケントに比べると力任せな仕事ながら、イマルもマリーも楽しそうだ。
    奴らが恐怖と苦痛で息も絶え絶えになる頃。
    流石に酔いも醒めただろうと、簡易プールを魔法で埋め立て、奴らを丸洗いして汚れと異臭を落とし、みのむしに仕立てあげた。
    私達は王城陥落の知らせを各戦場へ飛ばし、全てのみのむしを謁見の間に押し込んだ。
    これから彼らに明確な敗北を突きつけ、厳しい断罪を行う各国の要人がやって来る。
    ……そう。ここからが本番。本当の断罪とざまぁが始まる。
    私達のお遊びに付き合っただけで疲労困憊の皆様。この程度でおしまいだなんて勘違いはしないで下さいね?
    私はほくそ笑みながら、皆と共にその為の場を整えていく。
    流石に要人の前にみのむしを積み上げておくだけ、ってのはまずいからね。
    みのむしを椅子にくくりつけて並べていく。
    その日のうちに全ての戦場での戦いが終了し、大量の一般兵は捕虜として、正規のヘルナイト王国騎士達は罪人として捕らえられ、ヘルナイト王国の敗戦が正式に発表された。
    
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