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ざまぁの前哨戦

11-3 御前会議へ招待されました

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   「――私の名はひじり光留ひかる。聖が名字で光留が名前。私の生まれた国では誰もが名字という家名を持ち、家名、個人名の順に並べて名乗るのが当たり前の国でしたので、こちらに合わせて名乗るとヒカル・ヒジリ。家名はありますが、身分制度の無い国でも特に貧乏でも金持ちでもない中流家庭の一般庶民でした」
    マリーの後を継ぎ、改めて自ら名乗る。
    この世界の人間ではないのだと。
   「そして、城から放り出された彼女を最初に保護したのが彼、我が祖国の辺境の村人であったケントですわ」
   「は、はいっ、お……いえ私はマリー様やヒカル様みたいな特別な人間ではなくただの村人で、冒険者として剣士をしているケントと申す者で……その、パーティーメンバーとしてご一緒させて貰ってます。その……件の勇者パーティーメンバーに同郷の者が居る事もありまして……」
   あたふたと噛みながらも何とか自己紹介を終えたケントはこっそり胸を撫で下ろしていた。
    「ふむ。つまり全員ヘルナイト王国に縁があり、同時に聖女と勇者一行とも浅からぬ因縁がある、と」
    「はい」
    「――聖女召喚と勇者についての話は先にイマル侯を差し向け情報収集を行い既に事実と判明しておる。その点については我が名に於いて真偽についての議論の余地は無いと宣言しよう。そして盟約に背いた愚かな国への制裁の必要性についても同じく。が、その内容や方法については大いに議論し詰めるべきと判断する。……お前達が謁見を希望した理由もその件に関してであろう?」
    「……その通りにございます」
    「では、後日行う御前会議に出席を許そう。当事者の意見は議論に必要不可欠であろう」
    ――王様との謁見だけでも胃が痛かったのに、御前会議とやらに出席させられる事になってしまった。
    ……御前会議って、つまり日本で言えば国会だよね?    
    それも傍聴人としてじゃなく参考人として呼び出されて発言を求められるんだよね。
    ケントが青ざめてるけど……。
    うん。最後、謁見の間を退場する間際にイマルが意地悪そうにこっちをチラ見してたのは見間違いじゃないよね。明らかに「この程度は当然覚悟していただろう」と言わんばかりだった。
    ……はい。頑張りますとしか言えない。私はどうしたってこの空気に慣れる必要があるんだから。
    を伝えたら、ケントとマリーには実に対称的な反応された。
    マリーには当選のように目を輝かせて「その話、もっと詳しく!」と詰め寄られたし。ケントには何故か物凄く心配されてしまった。
    そして。御前会議はまた三日後と告げられた私達は城を後にした。
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